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初心貫徹とはこのこと/リンカーンでタバコ屋に/さすが永ちゃん

(敬称略)

どこかの誰か
「それってあなたの感想ですよね?」

わたし
「はい、そうです(きっぱり)。」

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1975年の「ライト・ミュージック」誌。

「ライト・ミュージック(LM)が選んだ
トップ・ベーシスト」という記事です。

細野晴臣、小原礼あたりは
「順当」なところですが
「モップス」の三幸太郎が選ばれていたりします。


やはり注目すべきは
「永ちゃん」でしょう。

キャロルの永ちゃんのベースは
本当に「イカシテル」と思いますので
ここでピックアップされていることに
別に異論はありません。

(キャロルの解散については
この時点で
まったく触れられていません。)

今回これを取り上げたのは
あらためて
「永ちゃんってスゲーな。」と
思ったからです。

まず質問「5」の答えを
読んでください。

「ごく単純に”オレもビートルズと同じようになるんだ。
絶対になりたい!”と思ったのがきっかけだろう。
たとえば、
10メートル先のタバコ屋へ行くにも
高級車のリンカーンに乗りたい
し、
普通の人間よりハイ・レベルな生活をするんだと
決心したわけ。」

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言いたいことは
ふたつあります。

まずひとつ目。

「タバコ屋にリンカーン」云々は
永ちゃんの「上昇志向」を象徴するエピソードとして
ものすごく有名なので
矢沢永吉のファンでなくても
知ってると思います。

(「ロールスロイス」じゃなかったっけ?)

わたしは
これ
例の糸井重里の本(1978年)が
初出だと
勝手に思っていました。

(すいません。その本読んでません。)

すでに
1975年に
この発言していたんですね。

キャロルが人気とはいえ
永ちゃんがカリスマになるのは
まだ先のハナシ。

この時点で
すでに「超ビッグマウス」ぶり。

すごい。

さすが。

初心貫徹とは
このことを言うと思います。

小学校の教科書に
載せたいくらい。

※揚げ足取るわけじゃないけど
ビートルズは
リンカーンでタバコ買いに行ったりしないと
思いますよ(笑)。

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続いてふたつ目。

みなさん
この回答から
逆に
「どんな質問だったか」を
想像してみてください。

「将来の夢は何ですか?」みたいな質問じゃ
ないんですよ。

質問5は
「ベースを始めたきっかけ」です。

矢沢永吉が
ベースを始めたのは
「ビートルズみたいになりたい」
≒「金持ちになりたい」からなんですよ。

「ベース」は
ハイ・レベルな暮らしを獲得するための
「手段(のひとつ)」なんです。

ミュージシャンとして活動してるうち
ヒットが出て人気者になり
「結果として」お金持ちになる、ってことじゃ
ないんですよ。

その「手段」が
たくさんのヒトを
長い間
「楽しませ」
「励まし」
「慰めて」きたんです。

すごくないですか?

さすがだと思いませんか?

ほんとうに
小学校の教科書に
載せたい。

もちろん
矢沢永吉の周りにいたヒトのなかには
(同じグループで活動していたヒトなんて特に)
その「やり方」が自分の信条と合わなかったり
利害が衝突したりすることが
あったでしょう。

それは
人間同士の営みの性と捉えるしか
ないのでは、と思うのですが。



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