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The Truth is Worth It 真実には価値がある!

ナディアの佐藤です。

私が所属する、デジタルマーケティングチームは、週に1度、世界のクリエイティブ事例を題材にしたデコンストラクションを行っています。
今回の事例はカンヌライオンズ2019から!

New York Timesのキャンペーン The Truth is Worth It 

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2018年アメリカ合衆国大統領トランプ氏による、
マスコミ批判とも取れる【フェイクニュース】という言葉が
度々世間を賑わしました。

ジャーナリズムの再定義が必要な時代で
ジャーナリズムとは何なのか、真実を追求するということは価値のあることなのか。
New York Timesは、The Truth is Worth Itというキャンペーンを行っていくことになります。

個人的には、フェイクニュースという言葉には違和感があります。
権力の意向にそぐわないものは、排除していくという姿勢は
危険な匂いがしますし、自由に発言する事の否定にも繋がります。

ジャーナリズムとは、自分自身の肌で感じ、自分自身の眼で確かめ
自分自身の足で動き、自分自身で考える事であると思っています。
クリエイティブの力で、ジャーナリズムの再定義のために何ができるのか
興味深いキャンペーンとなりました。

Droga5によるオンラインムービーを公開

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2019年ファスト・カンパニー誌の「広告業界で最も革新的な企業」
に選ばれたクリエイティブエージェンシー「Droga5」

ミャンマーのイスラム系少数民族、ロヒンギャ難民に対する政府の対応を追った「RESOLVE(解決)」
イラクでのISISの支配力をレポートするために現地取材を5回行った
「Fearlessness(恐れないこと)」など、
合計5つの動画を公開しました。

Droga5の作成したムービーは、まるでドキュメンタリー映画を
観ているようで、キーボードをタイプする音による臨場感と
有効的なカット割によるスピード感に圧倒されます。
あたかも、自分が新聞記者になって、現地に取材に行っているようです。

真実を追求するという視点を、クリエイティブの力で再現している事に
改めて、Droga5の完成度の高さと表現手法の洗練さに感動してしまいました。

満場一致でフィルム部門グランプリを獲得

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The New York Timesの「The Truth Is Worth It」キャンペーンは、
カンヌライオンズ、フィルム、フィルムクラフト、インダストリークラフト、エンターテインメント部門でグランプリを受賞。          フィルム部門では満場一致でグランプリを獲得しました。

広告の手法として、時には主観的になり、主人公の目線で進行し
真実には価値があることを、リアリティを持って表現する事で
クライアントである企業の意向に沿うことができる良い事例だと思います。

ジャーナリズムとは何なのか。
リアリティとは何なのか。
真実を追求するとは何なのか。

The New York Timesの「The Truth Is Worth It」キャンペーンは、
上記の問いに、クリエイティブの力で何ができるのかを考える、
きっかけを我々に提示してくれた、優れたキャンペーンであると思います。

今年のカンヌライオンズ(CANNES LIONS)ですが、コロナウィルスの関係で中止になりした。しかし、新たな取り組みとして、来週から始まるLions Liveは無料のリモート・カンヌライオンズとして必見です!


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