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進路

高校時代に私は源氏物語にはまってしまった。
高校の国語の資料集に源氏物語が詳しく書いてあり、
教科書そっちのけで、夜な夜な資料集ばかり読んでいた。
古典の先生の授業は、とても面白く、平安文学の世界が目の前に広がるようだった。

図書室で紫色の円地文子訳の源氏物語全10巻(だったかなー)を借りて読み、頭の中に場面を浮かべうっとりしていた。
大学は国文科に進んで、源氏物語を研究したいと思っていた。

高校2年生のときだろうか?
進路を決める際にどんな学部に行きたいかを親に相談する機会があった。
私は文学部国文科志望だと父親に告げた。
「そんな潰しの効かないところにいかず、もっと就職に有利なところに行きなさい」と反対された。

終わった。

父はそのころコンピューターに興味があり、BASICのパソコンのハシリみたいなものを買って、ちまちまいじっていた。

私にはコンピューターを勉強しろという指令が下った。
これからの時代はコンピューターを勉強すれば役に立つという主張であった。

進路を方向転換した。
 
コンピューターを学べと言われても数学と物理が苦手なので、理系には進学できない。
コンピューターが学べる文系の大学と短大を調べ、
勉強が嫌いなので推薦とかで入れる短大をみつけ、結局そこに進学。
就職も希望どおりにできました。

文学部に進学したからといって、就職に難があるような時代ではなく、
親の言いなりになんてならなくても良かったのに、
なんであの時ばかりは、
言うことを聞いちゃったんだろう?
反抗してもだめだってわかっていたのかもしれない。

夫は短大で出会った人だし、
結果的に今幸せなので、
良かったのかもしれない 
と思うことにしている。

源氏物語に関しては、2008年頃の源氏物語1000年紀のときに、源氏物語熱が再燃し
そこからは、関連本を図書館で借りて読み漁り、
独学ではあるが、立派な源氏物語オタクである。

いつかどこかで学ぶ機会があったら、こんどこそはきちんと勉強してみたいと思う。

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