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Women-Only Car(女性専用車両)について思うこと

昨日の午後、名古屋の市営地下鉄に乗って思わず「!」となった。
乗客がすべて「女性だけ」だったからだ。

よく見ると、わたしが乗っていたのは『女性専用車両』。
しかも、平日の『始発から終発まで』、終日女性だけの車両だったのだ。

もちろん『女性専用車両』の存在は知っていた。
東京でもよく見かける。べつにめずらしいことではない。
しかし、ラッシュアワーに限った「限定」で運行している(東京にも「終日」は存在するのだろうか?)。『女性専用車両』といえど、ふつうの時間帯には男性も乗っており、ラッシュにほとんど乗らないわたしにはどこか「名ばかり」の印象が強かったのだろう。だからふいに、本当に「女性だけ」の車両に乗り合わせて、目を丸くしたのだと思う。

高校の頃、作文に「OLにはなりたくない」と書いたことを思い出した。
英語の作文だったから、文法やスペルが間違っていないかが重要で、教師からは「へえそうなんだ」くらいの感想で終わってしまい、がっかりしたのを憶えている。パンクチュアルな「通勤」と、ラッシュのすし詰めの電車で仕事場に向かうことの不合理と非生産性を書いた。だからわたしはOffice Ladyにはなりたくないし、なれない、と。型にはまるのが嫌いだったせいもあるが、通学の混み具合に辟易していたのも事実だ。名古屋の地下鉄の朝は最悪だった。

あの頃、この『女性専用車両』があったらどんなに通学がラクだったかと思う。それほど、初体験した「女性だけ」の車両には「平穏」と「安心感」が漂っていた。

よくいわれる男性特有のにおいや汗は、わたしの場合、あまり気にしない。問題は「圧力」である。

男性は、骨格も筋肉も基本的には女性よりがっしりしている。そこから派生する力も強い。単純に異性として感じる、男性からの「圧力」。

幸いにもわたしは車内で痴漢に遭ったことはないが、じろじろ見られたりするのは日常茶飯事だった。そんな視線も、圧力のひとつである。

そして、女性だけの車両に「居心地の良さ」を感じる一方で、女性専用車両があるなら、男性専用車両もあっていいのでは、と思った。男性も、異性としての女性に感じる不快感はあるはず。
女性だけの特権のように専用車両が存在するのは、不公平ではないか。

高校のときの作文には、なぜ女性にだけOffice Ladyという言葉があるのかという話にも言及した。当時はまだ、女性は短大卒のほうが就職に有利だった時代だ。その後すぐに男女雇用機会均等法が施行され(ちょうどわたしたちが新卒で就職する頃から)、女性も社会で活躍する機会は増えたが、あれから30年近く経った今でも、日本における仕事の上での格差は消えない。子育ても家事もまだまだ女性の分担が多く、本当の意味での「平等」と「機会の均等」は為されていない。

だからこそ、Women-Only Carがあるなら、Men-Only Carもあって然るべきだと思う。

性による違いはあって当然。
その「違い」を認めたうえで「平等」な社会をつくらなければ。

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