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早稲田探訪

土曜日の今日は、夫婦で早稲田界隈へ。
そもそもは、若い抽象画家(友人の渡邉息吹君)の個展に行くのが目的だった。彼はアメリカ留学中の大学生なのだが、日本に帰省するたびに個展を開いている。

お昼どきを少し過ぎてはいたのだけれど、覗いたらちょうど食べに出てしまったばかりだったので、じゃあわたしたちもどこかで食べてからまた来よう、ということにした。

そこで、夫が学生時代に皿洗いのバイトをしていたという蕎麦屋へ。卒業して40年が経った今も、昔と変わらない店らしい。当時お世話になった女将さんもご高齢ながら元気に帳場に立っていた。
店に入るとすぐに「まあ、よく来てくれました」と出迎えて頂き、夫はとても嬉しそうだった。

昔ながらのお蕎麦を頂いた後、この界隈は目を瞑ってでも歩けるという夫と、穴八幡神社でお参りしたり、古本屋へ立ち寄ったり。彼がかつて住んでいたアパートにまで足を伸ばした。
最後に、昭和な喫茶店で珈琲とシフォンケーキまで堪能し、気づいたらもう夕方4時。慌てて友人の個展会場へ戻った次第だ。

友人には挨拶できたし、会場で偶然べつの友人にも会えたので、結果オーライ(昭和な言葉。笑)。
思いがけず、いい時間を過ごせた。

わたしにとっては早稲田も高田馬場も、大学受験(数々の大学に落ちたが、そのうちのひとつが一文)に失敗しているので、憧れの学生街である。

人生に「もし」はないけれど、合格して早稲田の学生になっていたら、18歳のわたしはこの街でいったいどんな暮らしをしただろう。

恋人とあの蕎麦屋へ行ったかもしれないし、
あの喫茶店で別れ話をしたかもしれないな。
想像すると、なんだか楽しかった。

夫とは9つ離れているから、時代は重ならないのに、どこかですれ違っていたら、なんて。

人生の様々な廻り合わせを感じた、午後だった。

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