マイナンバーカードを"返上"した


1 概要


標記のとおり、過去に交付されていたマイナンバーカードを自ら返納した。

2 なぜ返納したのか?


国は、本年度(令和4年度)末までに、ほぼ全ての国民にマイナンバーカードを普及させるとの方針を掲げている(参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000812205.pdf)。
この方針に従って、現在、国庫負担によりマイナポイント第2弾事業を行ったり、未申請者に対して交付申請書を再送したりと、交付率向上に向けた施策が行われているところだが、この過程で、各自治体別の交付率を毎月示すことにより、自治体間の競争が演出されている。

私の所属庁でも、本来メンテナンス情報を流すはずのチャットの一斉連絡でマイナンバーカードの出張申請窓口設置の告知が流されたり、全職員宛て、個別に取得を依頼するメールが送られたり、あげくには勤務時間中の取得申請が奨励されたりと、交付率向上に躍起になっている様子がうかがえる。

しかしながら、私はやれと言われればやりたくなくなるし、やるなと言われるとやりたくなる性分だ。毎月行われる取得状況調査、そして、前述のような度重ねての取得広報に嫌気が差し、小さな反発心が芽生えたことから、それならいっそ返納してやろうと思うに至った。なお、以下の理由により返納しても大きな不便が生じるとは考えていない。

①健康保険証(共済組合員証)との一体化は?
そもそも病院に掛からないうえに、共済施設利用の際にすら、カードリーダにマイナンバーカードをかざして顔認証をしろというのか?

②住民票のコンビニ交付は?
1年のうちに住民票の写しを取る機会が何回あるというのか?

③職員証との一体化は?
独自寸法の紙身分証をいまだに使う地方公務員には関係のない話。

というわけで、現状、マイナンバーカードを持たずとも私生活にも仕事にも大きな影響はなさそうなので、返納することとした。強いて言えば、マイナポイント第2弾の申請をしていなかったが、ただ単に総務省にムカついただけならば、もらえるものだけもらっておいて返納してもいいのではないだろうか(なお、第1弾のポイントは受け取っているが問題なく返納できた。)。

第15条第4項
個人番号カードの交付を受けている者は、いつでも、当該個人番号カードを住所地市町村長に返納することができる。

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=426CO0000000155)

3 返納手続の実際

①マイナンバーカードを持参のうえ、市役所に行く
②マイナンバーカード手続の番号札を取る
③呼び出されたら、マイナンバーカードを返納したい旨告げ、出された返納届に届出日、マイナンバー、住所、電話番号、氏名及び返納理由を書き、カードを添えて提出する

以上。待ち人数がなければ、5分足らずで終了する。

前述のとおり、総務省から交付促進を求められていることから、引き留めはあるが、返納の意思が堅ければ返納届をくれる。というか、上記の引用のとおり、返納は任意のため、くれなければおかしい。

なお、参考までに、返納届の様式はおおむね以下のとおりとなる。

4 最後に


本稿に、マイナンバー制度そのものや、カードの交付を受け、サービスを利活用している人を否定する意図はない。私自身、職員身分証との一体化等、取らないと支障が出てくる状況になれば手数料を払って再交付申請をするほかないと考えている。

もっとも、これが、昨今の情勢に違和感を抱く人にとって資となれば幸いに思う。


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