SNSのあり方とマーケティングについて
この記事は SFC生研究紹介 Advent Calendar2018の12月25日の投稿です。
はじめに
全く面識のないSFC生のツイートをたまたま見かけ、全く知り合いのいないSFC生のアドベントカレンダーの最終日が空いていたので入れてしまったことを謝罪します。また、このような機会を与えてくれた伊藤 光平君に感謝します。
僕は大学に入るずっと前からTwitterをやっていて、大学には友達がいないのに気がつけばTwitterには何万人以上もの大きなお友達(フォロワー)がいました。これによってPR案件から始まり、メディアでのSNSを使った企画や編集の仕事を2年以上やってきました。その業界で何がどのようにして広告が打たれているのかなど、業界について語られることが少なく、無意識のうちにタイムラインに流れるプロモーションツイートに、ユーザーが何の違和感も感じなくなってしまった現実を憂い、仕事の経験から何がわかったか、またSNSマーケティング業界の展望までお話ししたいと思います。
なぜSNSマーケティングが流行り出したか
10年ほど前から徐々に(ちなみに僕はジョジョの6部のプッチ神父が大好きです)SNSの影響が強くなってきました。死語と化した「なう」が2010年の流行語大賞のトップ10入りしたのも今や昔という感じです。
するとユーザーの口コミ情報などがテレビメディアよりも情報としての価値が見出されるようになり、「テレビで広告打つ意味なくない?」となり始めました。
そこで次にお金を掛けようとなったのが、いわゆる
「インフルエンサー」
です。(もう少し古い言葉で言うとアルファツイッタラー笑です)
「SNSでめっちゃ拡散力の高い人にバンバンPRとかお願いすればいいんじゃない?」みたいな 短絡的で知性を微塵も感じさせない発想 が流行り出したのでした。
SNSマーケティングの問題点
これは当初、PRとしての意味を全く成しませんでした。
なぜでしょう?
この問題の根底には色々なSNSが関係してきます。
現在大きく3つのSNS(Twitter、Instagram、Facebook)がありますが、何となく肌感として感じ取れると思うのですがSNSによって全くユーザーの棲み分けが違います。
去年Twitter社が発表したSNSごとの属性クラスタリングの図を見てください。
引用: https://twitter.com/TwitterMktgJP/status/1047717748007034880
ざっくりいうと
・Twitterはネット大好きの引きこもりで非リアでオフ会大好きニキネキ
・Instagramはよく買い物するブランド志向の流行大好きキラキラニキネキ
・Facebookは家庭があって大勢でつるみたがる社会貢献ニキネキ
みたいな感じです。
そもそもネットには当然様々な属性(年齢、性別、職業、趣味、見た目、...)の人がいて、SNSごとに棲み分けられていて、さらにSNSの中でも無数のクラスタが存在します。
例えば僕だったら(大学生、ヲタク、浪人、陰キャ、引きこもり、コミュ障、卒論やばい)とかです。
さて、ここで当初失敗したPRの話に戻ります。様々なクラスタで棲み分けが行われているSNSであることをPRしようとする時、全然関係ないクラスタでPRしようとしたのです。
例えば極端な例だと、コスメやファッションの商品をヲタククラスタでヲタクインフルエンサーがPRしようとしたとします。しかし、いくらインフルエンサーのフォロワーが多くても、ヲタクにコスメやファッションなどという文明は存在しないので、広告を打つ意味が全くありません。
「そんなことも考えずにPRとかしてるの?」
みたいな話に当然なると思います。
ではなぜそんなことになってしまったのでしょう。
(ちなみにご存知の通り、去年Twitter社が発表したSNSごとの属性クラスタリングではTwitterをメインにするユーザーは本家から「負け組」と宣言されています。負け組の皆さんこんにちは!)
マーケティングにおける人選の難しさ
すでにタイトルに書いてある通り、SNSにおいてインフルエンサーにPRをお願いする際に、PRする商品やサービスがそのインフルエンサーのフォロワーが拡散してくれるのかどうかという問題があります。鯔のつまり、PRするものがインフルエンサーの属性に合致したものかどうかという話です。
なぜこれが難しいのか。答えは簡単です。企業の人がネットの文化を全くわかっていないからです。
あるインフルエンサーがヲタクだからといって、アニメのPRをさせたところで、実は鉄道ヲタクであったために広告を打った意味がなくなったみたいな話は往々にしてあります。
あくまでインフルエンサーはある分野でのインフルエンサーでしかないので、その分野を細かいところまで見定めなくてはいけません。
これに企業の人は苦戦しているのです。PR案件を持ってきてもそれをどんな人にアサインすればいいのか分からず、結局ずれた人選しかできないのです。
最近のSNSマーケティングにおける問題点の解決手法
冷静に考えて、ネットに入り浸っていない人間ないし企業が、PRするためのインフルエンサーの人選をするのはおおよそ不可能です。
最近では以下のような様々な手法が取られています。
・みんな大好き機械学習の導入
・インフルエンサー事務所の開設
・有識者の判断
・機械学習の導入
投稿された文章の感情分析、投稿画像の認識による投稿画像に映るものの把握、など、もはや文化というものを多くのデータを収集してよしなにすることでいい感じの特徴量を得ようぜ、みたいなことをする企業が増えました。「分からないことは機械にやらせようぜ」とか言っちゃう非プログラマがプログラマをこき使う様子が目に浮かんで殺意を覚えますね。僕も「取れたデータを機械学習でいい感じにしてよ(原文そのまま)」とか言われて「お前を機械学習でいい感じにしてやろうか」とか思ったりしたこともありました。現場からは以上です。
・インフルエンサー事務所の開設
最近のビッグトレンドです。こればっかりです。
Youtuberをやる方がたくさん出てきた結果、Youtuberのうちで影響力のある人を囲うための事務所的なものです。
これのInstagramやTwitterのインフルエンサーでも同じことをやろうとする企業が増えてきました。インフルエンサーを囲い込むことで仕事のアサインが簡単になり、属性などの特性もある程度管理下で見ることができるので人選の難易度もある程度下がります。
しかし、Youtubeに比べてInstagramやTwitterはインフルエンサーの定義が甘く、人数が膨大でPR案件に対する人数が多すぎる問題があることで、特定の事務所へのブランド価値を見いだすことができず、なかなか成功例が多くありません。
・有識者の判断
インフルエンサーの人選を、インフルエンサーの属性や分野について詳しい人にやってもらったり、アドバイスをしてもらいます。その分野に精通した人にPR案件の企画などを考えてもらうことこそが一番確かで正しいやり方だと僕は思います。(実際そうです。)
ただ、分野の有識者を企業側が見つけるのは難しく、実践している企業はほとんどありません。
個人的な解決手法の提案、まとめ
見てきたようにまだまだSNSマーケティングの問題解決には程遠く、やっている意味があるのかとすら思います。
ただ、僕はめちゃくちゃいい方法があると思っています。それは
これを見ているような SNSのネイティブユーザー です。
企業でSNSマーケティングを手がける人間よりも、遥かにネットの文化に触れて生きてきた人間は、単純な分析などに惑わされることなくSNSマーケティングで活躍できると思います。
まだSNS世代は社会にそんなに流入していないということが、SNSユーザーとPR業界の企業との間の決定的な溝を作っているのだと思います。僕はこの溝をいち早く誰よりも埋めて、手法を確立したいと思っていましたし、今も思っています。
あと何年かもすればSNSのネイティブユーザーがある程度社会に流入し、全然ネット文化にすら触れてこなかった人間たちが淘汰されることで、今よりもSNSマーケティングがまだマシになっているんじゃないかなと思います。
でも待っているだけじゃ遅いです。もし、このようなことに興味があって、一つの投稿で世の中にムーブメントを作りたいと考えるのであれば、さっさとこの問題解決に向けて動くべきだと思います。
Twitterでフォロワーを増やすには
さて、「ある人がネットの文化に精通しているか否か」かを見定める指標として、SNSのフォロワー数が役立ったりします。別にそれが結果として精通しているか否かは別です。
初めてあった人に「フォロワー数が何万人かいる」と言ったら、多分
(うわ…めっちゃネットやってる人だ…)とか、
(ネットで変なことしてそうな人だ…)とか、
とにかくネットでいつも何かやっている人、みたいな烙印が押されます。
これがめちゃくちゃ便利で、特にWebの広告業界だとめちゃくちゃウケが良かったりします。就活とかクソスーパーイージです。なのでこれから生きていく上でフォロワー数が大いに越したことはありません。
なので、最後になるのですがフォロワーの増やし方についてだけ書いて終わりにします。
(1)とにかく自分を人生終了の方向に持っていく
(2)誰もやってないでかいことをやる
に尽きます。
(1)であれば、ひとまず大学をやめるもよし、できないなら留年するもよし、それもできないなら休学するもよし。浪人するもよし、自分以外全員外国人のラーメン屋に勤めるのもよし、社訓が「嘘をつかずに騙せ」と謳うブラックコールセンターに勤めるもよし、…なんでもできます。
(2)であれば、クソブサイクでミスターコンで優勝して場の空気を凍らせるとか…これもアイデア次第でなんとでもなります。
とにかく一回人生を捨ててみてください。リターンで大きな美味しいものがきっと返ってきます。
最後の章は自分語りになっちゃいましたが、みんなSNSでフォロワー増やしまくって、Web広告業界を盛り上げて快適なSNS生活を送れるような環境が出来上がればいいなと思っています。
頑張ろう、負け組!