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SailGPピットからの景色5

7チームが各国代表として世界を転戦しながら優勝賞金100万ドル(約1億円)を懸けて戦うヨットのプロリーグ「SailGP」。時速100kmで走る船のちょっとマニアックな内容を数回に分けてお届けしたいと思います。

今回のテーマは船が「海に浮かぶまで」です。

船が海に浮かぶまで約2時間?

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日によっても変わるんですが、準備に時間が掛かる理由は基本的に「毎日ウィングを降ろして船をテントに閉まっているからです。

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大型クレーンを使って「順番」に海に浮かべるんですが、ちゃんと各チームのクレーンスケジュールが決まっていて、その時間に合わせて動きます。その為、朝5時に起きて眠い目を擦りながら6時にホテルを出発する事も。

シドニー大会はフェリー通勤⛴

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まずテントに到着すると、各コンテナを開けてオフィスやミーティングルームを使える様にします。

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そして、大きなカーテン式の窓を開けて船を外に出せる様に準備。

ダガーボード(水中翼)の大きさが朝には決まっているので船をテント内の電動巻上げ機で吊り上げて、下からボードを入れます。ダガーボードは重いので皆んなでウェイトリフティングの様にして必死に持ち上げます。🏋️‍♀️

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また、チェックを受けないと蓋をしてはダメなところもあるのでしっかり確認して貰ってから作業開始します。毎朝チェックする担当者がやって来ます。

ジブセール、ギアボックスなど必要なものを船に載せて準備が出来たら後は、クレーンで吊り上げた時に風でフラフラしない様に船に長いロープを付けたり、ジャッキで船台を持ち上げてタイヤの向きを変えてテントから出しやすい様にします。

船をテントから出すと別のテントに置いていたウィングと合流してリフトの準備します。

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ここで重要になるのが「水の入った重り」です。これがないとウィングが軽過ぎてフラフラしちゃうんです。

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ウィングを上げると真下に船を持って行き繋げます。繋げると言ってもマストボールに乗っかっているだけです。

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ウィングが載ると油圧のプロ軍団がやって来てテンションを張ってくれます。

後はウォータータンク外し準備が終わるとラダーを付けて海に浮かべます。

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水面まで来たら水中に設置されたコンクリートの塊から伸びたロープに結び付けて完了です。

また、海に浮かぶと各パーツが正確に作動するかチェックが入ってやっとセーリング出来る様になります。

では、今回も読んで頂きありがとうございました。

次回もお楽しみに!





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