SailGP ピットからの景色3
7チームが各国代表として世界を転戦しながら優勝賞金100万ドル(約1億円)を懸けて戦うヨットのプロリーグ「SailGP」。時速100kmで走る船のちょっとマニアックな内容を数回に分けてお届けしたいと思います。
今回は動力を生む「ウィング」についてお届けします。
鎌倉大仏の1.8倍
このウィングは高さが24mもあるんです。最初見た時は「ウヒョ〜デカっ」と驚きました。
因みに鎌倉の大仏は台座入れて「13.35m」
ビル8階と同じくらいの高さのウィングセールとジブによって時速100kmに近いスピードを生み出します。
素材は?
↑実はカーボンの骨組みにラップみたいな収縮性のあるフィラメントを両面テープで貼っているだけなんです。
枠組みにフィラメントを綺麗に貼ろうと思ってもクシャっとしわが入りますが、そんな時はヒートガンで熱を加えてしわを伸ばす様に平らにしていきます。でも、どんなに頑張って貼っても沈すれば水圧によって簡単に破れてしまいます。
ウィングの中にはあらゆるロープやパイプ、ブロック、センサーが入っています。
NEWウィング誕生!
写真:SailGP 公式Twitterより
常に成長し続けるSailGP、次の大会からこの強風用のウィング(18m)や微風用ウィング(29m)が追加され、3タイプから選べるようになります。
写真は18mのウィングです。こじんまりしてて可愛いですね。
ウィングのサイズを選べる事によって3〜30ノットの風でレースが出来るのです!凄い!
NEWウィングは中身も凄い!
次のシーズンからウィングの中身もアップグレードされて、更に効率的になります。
↓最新のウィングの中はこんな感じ
油圧のタンクまでカーボン、、、、。す、凄い
これまでのウィングはロープ、フラップアジャスター、カーボンケーブルなどが蜘蛛の巣の様に張り巡らされていましたが、それがシンプルに油圧でコントロールされる様になります。
では、それによって何が変わるか?
ウィングをプログラム出来る様になります。
今まではウィングを操作するウィングトリマー(セールトリマー)が常にウィングを見ながら理想のセールシェイプに合わせる為に手元で連続的にコントロールしていましたが、新しいシステムにより、プログラムしたセールシェイプに「ボタン一つ」で変化させる事が出来ます。
どんどん便利になりますね。
そして、これも大事なウィングのディスプレイ↓
ここにはボートスピード、トゥルーウィンドアングル、VMG、レーキなど合わせて19もの情報がリアルタイムに表示されています。
走りながらこれを見るのは難しそうですね。
では、今回も読んで頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに!!
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