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SailGP ピットからの景色

7チームが各国代表として世界を転戦しながら優勝賞金100万ドル(約1億円)を懸けて戦うヨットのプロリーグ「SailGP」。時速100kmで走る船のちょっとマニアックな内容を数回に分けてお届けしたいと思います。

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①船の心臓

まずは最も重要なパーツのうちの一つ。

遠くから見ると一見シンプルに見えますが、覗いて見ると、、、「とっても複雑」

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これはハルとハルの間(中央)にある「ポッド」と呼ばれる船の心臓部です。油圧やバッテリー、電気関係のシステムが集約されています。様々な信号が送られたり溜めた油圧を各パーツに送り出しています。↓

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②押し間違い注意?

セーリング中に人力で操作しているのはウィングの引き込みとステアリングで、それ以外は手元や足元のボタンでコントロールしています。

ジブの出し入れも、ダウンもキャンバーもツイストもボタンでコントロール出来るのです!もちろんダガーの上げ下げも。

コントロールパネルの一部↓

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また、ヘルムスマンが操作するステアリングには、6個ボタンが付いていてメインフォイルのレーキアングル調節に加え、その感度やディファレンシャル(水中翼の左右差)を調節する事が出来ます。

足元のフットスイッチには、ダガーボードアップ、ダウン、ピッチプラス、マイナスがあり、どんなに揺れてても、的確に操作しながら走らせています。

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そして、カッコいいけど押したくないボタン

MOBボタン

マンオーバーボード。選手が船から落ちた時に押すそうですがハーネスを着ているので落ちないと思います、、、。

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③船のパイロット

下の写真はフライトコントローラーのポジションです。このポジションは飛行機で例えると主翼と水平尾翼のコントロール担当で、垂直尾翼がヘルムスマンの担当となります。ここには専用のコントローラーがあって、コントローラーの両サイドをクルクル回しながらダガーとラダーのレーキを調節しています。

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ここで重要になるのは風上側のラダーレーキアングルです。ラダーによってライティングモーメント(船を起こす力)を強める事でスピードに繋がるからです。

もし、風上側のラダーが水中から抜けてしまったら、ライティングモーメントが一気に減少して遅くなり、上マーク付近ではオーバーヒール沈する確率が増えます。

そしてもし、高く飛び過ぎてダガー(メインフォイル)が横滑りを始めたらそこから一気に浮力を失ってクラッシュします。

簡単に見えて楽そうなこのポジションは実はとても重要でプレッシャーが掛かる役なんです。

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それでは第一回目の投稿はこれにて終了です。

次回もお楽しみに!






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