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晴耕雨読:「学習する組織」(学習する組織へのアプローチ:第17章 学習する組織の最前線 )

ピーターセンゲの「学習する組織」は、有名な割りに本当に皆さん読んでいるの?と言うことで査読をしています。この章と残り後一章になります。

■メンタルモデルの組み替え

著者は、容易に新しいものが旧いものに変わるという楽観視はもっていないという。

「経営者はコントロールの維持が必要だと感じ、投資家はどんな犠牲を払ってでもビジネスが成長することを求め、民間セクターのシステム全体は、しばしば利益を「私物化」しつつ、環境や社会関係資本の悪化というコストを「社会化」する事業経営を行なっている」と糾弾する。

こうしたことはの対応は、メンタルモデルの組み替えが必要であろう。

「経営者が会社を成長させるために社員の成長に真剣に取り組むとき、あるいは変化の中核的プロセスとして会話を活用することに真剣に取り組むとき、その実践は人間性-私たちが生まれながらに持っている人間として成長したい、他者とつながりたいという欲求-に体する洞察を反映している」と指摘し、自然のパターンに目を向けることを勧めている。

■次世代のリーダー

そしてもう一つの原動力として、「物事の新たな秩序は、新しいリーダーの秩序によって前進するに違いない」として、①女性として指導する女性、②経済の周縁部から生まれるリーダー、③若者のリーダーシップを取り上げている。

■残された課題

さて、本章の最後は「めざましい成果を出す人もいれば、ほとんど何も達成できない人もいる。これはなぜか?」という問いかけを投げかけてくる。
これに対する著者の意見は、多分に哲学的であり、実践には困難が伴うだろう。

<続く>

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