見出し画像

世間に転がる意味不明:権力者はなぜ後継を育てられないのか(永守会長とジャパネット)

■人間の寿命

 人には寿命があり、長生きと云ってもせいぜい90歳だろう。活躍できる年齢も個人的には70差異が限界だと思っている。場合のよっては病気や事故で50歳でなくなることもあるだろう。人はいつ死ぬのかを予測できない。まだ時間があるからと言って死の間際で慌ててしまうことを裂けることができない。

 アメリカでは民主党のバイデン大統領は高齢にもかかわらず続投する気でいるようであり、他の諸国の指導者も後継者に道を譲る気もなさそうだ。墓場に何を持って行く気だろう。

 一代で築き上げた企業を誰かに渡すと云うことには抵抗があるのかもしれない。逆に、自分が去った後のことまで口出しをするというのを潔しとしない人もいるかもしれない。アップルのスティーブジョブズがいなくなった後の当社の製品でわくわくするものは出ていない。それでも会社の経営は盤石であるように見える。ビルゲイツが去った後のマイクロソフトもIT業界に君臨している。

 後人に継ぐことを旨くやっていそうな企業は数多くある。何代にもわたって継続している企業があるのだから。ジャパネットの高田社長は旨くやった方ではないだろうか。鈴木社長のバトンタッチもうまくいっているように見える。

○スズキの鈴木会長退任 最後の株主総会「販売店に感謝」 
2021年6月25日

スズキの定時株主総会が25日、開かれ、43年にわたって社長、会長を務めた鈴木修氏が退任した。相談役に残るものの、経営の第一線から退く。息子の鈴木俊宏社長を中心とする集団経営体制に移行し、電動化などの経営課題に取り組む。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC243DQ0U1A620C2000000

■権力についた瞬間

権力の頂点に立った途端、それを手放すことができない人々がいる。悪いといっているのではない.彼らには後継を育てるという概念はないのだろう。

ニデック(日本電産)は反面教師となり得るだろうか。

○日本電産永守会長が「役員クビ」乱発!恐怖の昇格降格ジェットコースター人事で生え抜き疲弊
2022.11.30

「目標が達成できなければトップが辞めるしかないだろう。だが、創業者は辞めるわけにはいかない。お前が決断しなければいけなくなる」

 永守氏はそう言い放ったという。一時は日産自動車の常務執行役員に内定していた呉氏を日本電産の副社長に迎えたのは13年6月のことだ。そのちょうど2年後に当たる15年6月から、永守氏は呉氏から最高経営執行者(COO)の肩書きを外したばかりだった。

https://diamond.jp/articles/-/313405

紆余曲折を得ているかどうかは分からないが、創業者の意向で中核となる経営層が入れ替わるのはまともとは思えない。

○日本電産、副社長5人が4月就任 永守重信氏の後継候補に
2023年3月13日

日本電産は13日、4月1日付で5人の副社長が就任する人事を発表した。事業部門や子会社のトップらが選任された。このうち1人が1年後の2024年4月に社長に昇格する予定だ。永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)(78)は24年4月には会長職とCEO職を辞し、代表権を手放す。創業者の永守氏を中心とした体制から、集団経営体制への移行を図る。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1132V0R10C23A3000000/

集団経営体制とは名ばかりで永守氏の独断で戦略が決まってしまう印象を免れない。

○ニデック、中国でEV駆動装置苦戦 「価格がぼんぼん下落」と永守会長
2024年1月24日

永守重信・会長兼最高経営責任者(CEO)は苦戦する中国市場について、モーターと減速機、インバーターを一体化したEV向け駆動装置「イーアクスル」の「価格がぼんぼん落ちて、想定と全然違う水準になってしまった」と説明。「50年間の会社経営の中で、競争相手もお客さんも全部赤字なんて事業は初めて」と語った。

https://jp.reuters.com/markets/world-indices/3BKUAUEKUVK3TIABMP4BPYWHHQ-2024-01-24/

当然自信は責任を取るつもりもなく戦略を自ら作り上げる。

○「中国の成長が止まっている」…ニデック・永守会長が示したこれからの投資方針
2024年01月27日

永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は「中国の成長が止まっている。我々の目はインドやアフリカに向いている」と両地域の成長性に大きな期待を寄せた。

「これからの10―15年を見た時、かつて中国に進出した時と同じような雰囲気になってきている。そういうマーケットに入っていくことが我々の成長につながる」と永守会長は強調。成長する市場へ積極投資する。

https://newswitch.jp/p/40224

○大きなM&Aをやる「ニデック」の永守会長が大型モーターメーカ―の買収を表明
2024-01-26

永守重信代表取締役会長(CEO)は、2024年1月24日に東京都千代田区の大手町サンケイプラザで開催した2024年3月期第3四半期決算説明会で、近く大型モーターメーカーを買収する考えを明らかにした。

https://maonline.jp/articles/nidec_ma_gyoseki20240126

■後継者は偶然に出てこない

自らが退任する時期になったからと云って後継者を探す行為は正しくない。遅くとも自らが権力者になったときから探すべきである。あるいは育成すべきである。気の利いた企業であれば、次期経営者を育成するためのサクセションプランを構築している。

もちろん社外から調達するという選択肢もある。それでも、権力者になったときから少しづつ自分の権力を移譲しなければならない。もちろん、権力の委譲が旨く行くからと云って企業の成功が約束されているわけではない。しかし、権力者が権力にしがみつき、後継を育てなければ企業は突然死を迎える。

ある日企業が立ちゆかなくなったときに被害を被るのは社員や社会である。
経営者は自分がいなくなる日の準備をしなければならない。
老兵がいつまでもいてはいけない。

(2024/01/27)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?