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なにげなニュース:建設業界と2024年問題(国策とデベロッパーのDX人材戦略)

■温故知新

土木建築の現場でのDX人材化はかなり以前から進んでいる。
土木現場、建築現場での行政への報告のペーパーレスは大分進んでおり、デジタルカメラ、スマフォの活用、電子ファイルでの報告の活用は大分進んでいることは知っていた。

気の利いた建設会社はタブレットを支給して、日報などの自動化に着手している。
とはいえ、まんべんなくすべての事業者にそれが普及しているかと言えばそんなことは無く、何かしらの廉価なプラットフォームができれば生産性向上の一助にはなるだろう。

そうした意味では下記の取り組みは意味がある。

○人手不足緩和へ現場DX 建設大手とNTTコム連携
2023/07/11

 竹中工務店と清水建設、NTTコミュニケーションズは11日、3社で連携して建設現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、工程管理や作業指示を効率化すると発表した。建設業界は来年4月に残業規制の強化を控えており、人手不足が深刻化することへの懸念から「2024年問題」と呼ばれる。DX化で現場の仕事を減らし、人手不足の緩和につなげる考え。

https://nordot.app/1051417542591283329

○NTT Com、竹中工務店、清水建設が建築現場のDX--効率化進め労働時間3割減へ

 NTTコミュニケーションズで常務執行役員を務める小島克重氏によると、従来提供されてきたITソリューションの多くは業務特化型で、工程表と作業日報で扱う情報粒度に差異があった。そのため、ソリューション間での実用的な連携が不足し、DXを阻んできたという。

 これを、3社が協業し建築現場の知見やノウハウを提供することで、情報粒度の差異を調整し、施工管理業務のDXを進めて効率的な働き方を実現するという。

https://japan.cnet.com/article/35206407/

■人手不足の根源

こうした取り組みが無駄とは言わないが、高齢化問題に対処することはできない。
言い方を変える。若者を呼び込むことにはつながらない。

他に選択肢がある中で、ややもすれば「3K」になりかねない産業に誰が飛び込むというのか。教科書的には「魅力ある産業」をつくりだせというが、まずは、①当たり前の報酬体系、②安全で労働の過負荷にならない職場環境の構築が先であろう。

そうしなければ「若者」が集まるなどということはない。建設現場には怪しげな人々が集まるという風評を払拭しない限り解決しない。

■環境改善の国策

2024年問題は多くの関係者に課題を突きつけている。それは、思わぬ国策にも飛び火している。

厚生労働省の令和5年6月13日の報道発表で、

建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律に基づき、本日、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画の変更が、閣議決定されました。

と通達され、通達され関連資料も公開されている。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33559.html

「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画 」と表題のあるこの資料には

建設工事従事者の安全及び健康の確保については、公共工事のみならず全ての建設工事について、労働安全衛生法令に基づく最低基準の遵守徹底に加え、さらに建設業者等による取組を促進していくこと等が重要であるが、その前提として、請負契約において適正な請負代金や工期等が定められること、建設工事従事者の処遇の改善や地位の向上が図られること等が強く求められている。

とされ、労働災害や一人親方問題なども扱っている。

現状の課題を未資してはならないが、若者を引きつける産業構造の検討も視野に入れながら施策を眺める必要がある。

各ゼネコンなども生産性だけでなく、労働環境の改善、若者への訴求など総合的な対策に取り組んでいって欲しい。

自分の子供が行きたいと思えるような会社になれるだろうか?

<閑話休題>

(その他の参考記事)

○建設工事安全・健康確保計画を変更
2023年7月11日

安全・健康確保に向けた今後の具体策として、安全衛生対策項目の確認表、安全衛生経費の内訳を明示する標準見積書の作成・普及を通じて請負金額の適正化を図る。また増加の続く墜落・転落災害の防止策としては、高所・低所での作業マニュアルの作成のほか、確実な足場点検の実施、一側足場の使用範囲の明確化などを明記している。

https://roukijp.jp/?p=6200

○人手不足緩和へ現場DX 建設の「2024年問題」で
2023.07.11
https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/txn/news_txn/post_277707

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