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世間に転がる意味不明:問題を混ぜてはいけない(IT技術の問題とライドシェア)

ライドシェアで解決すべき問題は特定化しないと政策評価はできない。
IT技術への取り組みをしているならそれも考慮すべきである。

■配車アプリ

○タクシー不足の解消なるか。ライドシェア、2024年4月に導入。どう変わる?
2023年12月20日

政府は12月20日、タクシー会社の管理のもとで一般ドライバーが有償で乗客を送迎する「ライドシェア」を2024年4月に導入することを決めました。

タクシーの配車アプリのデータに基づき、タクシーが不足する地域や時期、時間帯を特定し、一般ドライバーを活用できるようにする。
利用者は配車アプリを使って依頼し、支払う料金はタクシー運賃と同額を想定している。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_658275aae4b085747d67a0c0

キーワードは「配車アプリ」になるだろう。

■ウーバータクシーの特徴

配車アプリと云えば「ウーバー」になるだろうか。

ウーバータクシーの特徴は
・あらかじめ、出発地・目的地が定められている。
・候補となるタクシーから選べる
・事前に支払いを済ませておく

これは、金銭的なトラブルを防ぐことができる。
また、運転手に対し、適切に訓練がおこなわれ、運行実績が公開されれば、競争原理が働くと同時に安全運転が担保される。

支払いがクレジットで行なわれれば、一定の個人情報が管理され、犯罪履歴のある利用者を排除できる。

事故などのトラブル時への対応として「ライドシェア保険」を開発すれば、現在タクシー会社が懸念する安全性は担保される。

従ってライドシェアとIT技術は切り離せない。

■ウーバーが普及しない日本の現状

しかし日本の実情はどうであろう。

○ライドシェア制度、OECD諸国の34%が今も未整備 日本を含む13カ国
2023年12月23日

ライドシェア制度が未整備なのは、以下の5カ国で、タクシーのみの運用となっている。
 アイスランド、イスラエル、トルコ、日本、韓国
OECD加盟の38カ国を対象にしたライドシェア制度化状況をまとめると、ライドシェアを制度化しているのは16カ国、タクシー制度が十分に自由化されライドシェア同等のサービスが提供可能なのは9カ国、ライドシェアが未制度化なのは日本を含む13カ国となる。

https://jidounten-lab.com/u_44673

世界の潮流から遅れることに正当な理由はない。
世界の動きを参考にすべきである。

○乗車から支払いまでアプリで完結 パリ版ライドシェア「VTC」 ドライバーの運転歴や評価も確認可
2023年12月21日

利用者は、配車アプリで依頼することを想定。
ただ、安全性を確保するため、タクシー事業者が運行管理を行い、事故が起こった場合の賠償責任もタクシー事業者が負うよう検討されている。

これと似たサービスがすでに普及しているのが、世界中から観光客が集まるフランスのパリ。タクシー不足をVTC=運転手付き車両でカバーしている。

VTCの運転手はタクシー運転手と同じ様に、交通ルールなどの試験をパスする必要があるほか、詐欺や性犯罪といった特定の犯罪歴がある人はなれない。
またVTCはメーター制ではなく、 経路や車の種類、その時の需要などによって決まった値段を、アプリで確認してから乗れるのだ。
さらに走行中もドライバーの運転歴や評価を確認できるほか、トラブルがあった場合にはアプリから通報できる。

https://www.fnn.jp/articles/KTV/633455

■課題としてのメーター問題

現在、タクシーにはメーターが実装されており、そのメーターの製造は寡占状態である。競争などはないに等しい。これがタクシー事業への参入障壁になっている。タクシーメーターは適性運賃を担保するものであり、運賃に関して法律で定められている。

○タクシー事業に係る運賃制度について資料

道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)(抄)
(一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金)第九条の三一般乗用旅客自動車運送事業者は、旅客の運賃及び料金(旅客の利益に及ぼす影響が比較的小さいものとして国土交通省令で定める料金を除く。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。2国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。一能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること。二特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。三他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること。四運賃及び料金が対距離制による場合であつて、国土交通大臣がその算定の基礎となる距離を定めたときは、これによるものであること。

1.タクシー運賃の決定タクシーの上限運賃については、タクシー事業の経営に必要な営業費に適正な利潤を加えた総括原価を求め、総収入がこれと等しくするように運賃水準を決定する「総括原価方式」が用いられている。

https://www.mlit.go.jp/common/000037426.pdf

しかし、運賃の適正さ(走行距離の適正さ)が担保されるのであれば、現代のGPS技術であれば解決できる。ソフトメータあーがそれになるだろう。

○計量法上のタクシーメーターについて(OBDⅡを活用したソフトウェアによるタクシーメーターの実装について)平成29年3月9日経済産業省
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20170309/170309honkaigi01.pdf

IT技術が旧来のやり方を変えてくれる。

■成功を実感できるKPI

当然、配車アプリを使うのであれば下記の情報は取得できるであろう。
・登録運転者数
・運転手稼働率
・運行時間
・輸送人員
しかし、これを運行管理会社毎に管理させてはならない。それは、地域全体の最適なjyォ謡が分からないからである。

しかし、これは都市部に展開したときの話である。
過疎地やそれに準じて問題を抱える地方などは、そもももタクシー業者は少なく、配車アプリの利用のためのインフラ整備などの投資もできない。

もし過疎地などのライドシェア普及を目指すのであれば、IT投資をしなければならない。当然、住民がスマホなどのIT機器の利用率を上げなければならない。

配車アプリを使うというのであれば、配車アプリの使用率を中心に考える必要がある。

したがって、施策の効果測定を行なうのであれば、
・DX人材浸透率
に準じた指標が必要であり、そのための施策がセットになっていなければならない。

ITの普及に関しての施策の連動を無視していては成功を実感できるKPIの設定は難しい。

(2023/12/24)

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