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選択的夫婦別姓について語るときに私の語ること その4


続きはまた明日と言っておきながら、3日が経ってしまった。
つづきです。

結婚で名字を変えたくない理由は、人それぞれだという話をしています。

その3」では、「名義変更がめんどくさい(精神的・時間的・経済的に負担)」「名義変更の時だけじゃなく、その後の人生でも、旧姓と新姓が両方自分の姓であることを証明しなくてはならない」「使い分けが手間、使い分けにリスクが伴う」「職場で、結婚前の姓を使い続けることができない」「キャリアが断絶してしまう」をご紹介しまして、そして、「結婚は2人でするものなのに、とにかく(改姓の)全部の不利益は、改姓した片方だけが被るんだよ。どう考えても不公平」ということを改めて言っておきました。



自分の名前にアイデンティティを感じている
・改姓したら喪失感を感じた

日本社会では、「結婚したら、女性は名字を変えるもの」と、(一部例外はあるとは言え)かなり当たり前に思われているので、結婚で名字が変わったことによって不幸になった女性がいるってことに、思い至らない人(そういう話を聞いたことがないので、そんな人はいないと思っている人)は多そうである。「夫の名字になることが、妻の幸せでしょう」なんて、何の疑いもなく言う人もいる。確かに、結婚して名字が変わることが嬉しい人がいるのも否定はしないが、主語がでかすぎるんだよ。そうじゃない人もいるし、別にいていいだろ。

生まれてこのかた、物心ついてからずーっと「これが自分の名前」と感じて、たくさんの人に呼ばれ、自分でも見て、書いてきた、生きてきたそのIDを、変えることによって精神的苦痛を感じる人は実際にいるんです。

「改姓してからの名前は、何年経っても自分の名前ではないように感じる」という意見もよく見かけます。



結婚・離婚・再婚などのプライベートな情報を
どうでもいい他人(取引先の人とか)に知られたくない

この理由は、「選択的夫婦別姓」のイシューを知って、いろいろ情報を集め始めてから知ったもので、それまでの私には思いつきもしなかったことだったので、目からウロコというか、自分の想像力の限界を思い知らされる感じでした。
結婚して名字が変わると、結婚したことを別に知らせたくもない人にまで知られてしまうということ。例えば、わかりやすい例だと、仕事の取引先の知り合いとか、ただの職場が同じだけの人とか。
「結婚なんておめでたいことなんだから、別に知られてもいいじゃん」って思う人も多いだろうけど、親しくもない人から祝われてもめんどくさいだけだし(相手も、本気で祝ってるわけじゃなくて、社交辞令であることが多いですよね)、名字が変わるのは結婚とは限らないですからね。。。



姉妹(一人っ子)なので、全員改姓してしまうと、名字が絶えてしまう

実家の名字を継ぎたい、珍しい名字なので絶やしたくない、と思っている女性たちもいます。
「選択的夫婦別姓」は、「革新的」「新しい時代の制度」と思われがちで、特に「選択的夫婦別姓」に反対する人達が「伝統が…!」「家族の絆が…!」と、一見保守的なことを言うケースが多いので、保守的な理由で選択的夫婦別姓を求める人はいないようにも思われたりしますが、そんなことはないです。「実家の家名を残したい」「自分の代で名字を絶やしたくない」という理由で、「選択的夫婦別姓」を望む人もいます。
まぁ、本人がそうしたいという場合もありましょうが、本人はどうでもよくても親が反対して結婚を諦めるしかなかったとかいう話聞くともう地獄だなって思いますよね。。。



改姓することで、相手の「家に入った」ように思われるのが嫌


正直ここに書くのも嫌だけど、結婚=妻子を持つ(所有する)こと、と思ってる男性って、今の時代にもたくさんいると思う。無意識に、刷り込まれているというか。
「お嫁に行く」「婿に入る」「入籍する」なんて言葉も、慣習的に使われてますけども、実際には「家制度」は昭和22年に廃止されていて、「嫁」も「婿」もなく、結婚する二人は「新しい家庭」を築くだけです。
でも、実際には、夫の名字に改姓したことで、「自分は、実家を出て、夫の家の人間になったのだ」と思ってしまっている女性は多いのではないでしょうか(女性だけじゃなく、男性も)。
そのことによって、実家よりも義実家を優先することを強いられたり、義両親の介護をして当たり前と思われたり、なんてことも起こります。
古い時代の婚姻制度の名残をまともにくらってしまうというか。
「選択的夫婦別姓」に反対する人達の思想を聞いていても、家父長制的な価値観や男尊女卑が根底にあることが透けて見え、嫌な思いをすることもしばしば。
そもそも、現行の法律でも、婚姻時に妻の姓・夫の姓、どちらを選んでもいいはずなのに、現状96%の夫婦が、夫の姓を選んでいます。これってどう考えても男女同権じゃないですよね?
男女平等(ふうふ平等)であることを、制度の上でも示すために、「選択的夫婦別姓」が必要だと考えている人たちもたくさんいます。


ちなみに、国連からの差別是正勧告も3回受けています。


このnoteは、男尊女卑と選択的夫婦別姓の関係について考えるにはもってこいです!濃ゆくて長いですが、とても勉強になるので、お時間あるときにぜひ。




氏名を変えたくない理由なんて、ひとつでいい


「


『生まれたときにつけてもらって、今までずっと使ってきた自分の名前』のままで、これからも人生も生きていきたい」

これって人権だよね?

私は、もうこれだけで、十分、変えなくていい理由になりうると思う。

「選択的夫婦別姓」の話をすると、
「名字くらい変える覚悟がなくて、結婚なんかできるのか!」とキレるおじさんがわいてきたりとか(そう言ってる本人はたいてい結婚で名字変えてなかったりしてね)、結婚で名字を変えたことのある男性が「強制的夫婦同姓制度は、経済にとっても損失なんですよ!」とか言わないと、そもそも話を聞いてもらえなかったりとか、「名義変更なんて、引っ越しと同じくらいの手間でしょ? 結婚して幸せなんだから、そのくらいの大変さは乗り切れるよ。」と、負担をただの「わがまま」扱いされたりすることもある。

そうすると、「名字を変えたくない」っていう自分の望みを、口に出すことすら憚られるような空気に包まれたりするんだけど……

私は声を大にして言いたい。


「


『生まれたときにつけてもらって、今までずっと使ってきた自分の名前』のままで、これから先も人生を生きていきたい」
これだけで、十分、変えなくていい理由になる、と。

今まで「権利」だと気づかせてももらえなかった自分たちの「権利」を、取り戻すための闘いなんです、これって実は。

でも「闘い」とか言っちゃうと、引いちゃう人もいるかと思うので、なんつーか、ワガママでいいし、自分が大切な人と楽しく幸せに生きるために、声あげてこーぜ、っつー話なんですわ。

明日は何を書こうかな。
私に選択的夫婦別姓の情報を与え続けてくれている皆さんのアカウントの紹介でもしましょうかね。


※貼らせていただいたツイートは、とりいそぎ検索したものがほとんどですので、もっとふさわしいツイートは、Twitter界にたくさんころがっていると思います。ぜひ、ハッシュタグ #選択的夫婦別姓   とかで検索してみてくださいね。

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