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双方向コミュ #1 人に関心を持つ

第一回は、自閉症だった息子を、他人に意識を持ってもらうようにしたトレーニングです。

自閉症の人は、積極的な関心を他人に持つことはありません。そのため、服がチクチクするいから変えてもらいたいなど、自分のやってほしいことを誰に伝えてよいかわかりません。その結果、イライラが高まり、感情に応じて泣くなどのパニックにも似た態度が出やすくなります。そこで、双方向のコミュニケーションの第一歩として、まずは他人に関心を持ってもらい、「誰にアピールするか」の「誰に」ができるようにトレーニングします。

今回は我々が行ったトレーニングとそのコツについてそれぞれ解説しました。できるところから少しづつ実践してみてください。それでは、どうぞ!

■状況:


トレーニング前の息子は、他人に関心がない、人が視野に入らない、といった状態でした。
息子の初めての言葉は、「ママ」や「パパ」ではなく「バス」とか「タクシー」など、車に関する名詞でした。これは、自閉症の人は他人への関心が低いいため、人に関する言葉が印象に残らず記憶に定着しないため、と言われています。車の名前は出てきても、ママと言わないことから関心の無さがわかりました。
さらに、療育の初日に息子を見た担当者の方は、目をあわせられない息子を見てすぐに自閉症と判断しました。そのくらい自閉症の症状が顕著に出ていた状態からのスタートです。

■ポイント:


トレーニングでは、「好きなものをとれない状態にして、取ってもらうお願いを促す」訓練をします。
我が家では、息子の好きなアンパンマンのパズルで訓練しました。1~2ピースを高いところに置き、パズルを開始。いくつかのピースがないため、探し始めます。見つけますが、手が届かないので他人に頼る、となります。このとき、対象者の行動に応じて助けを求める場面を作る工夫が必要です。我が家では子供だったので、手が届かない取れないところに置きました。
対象者によっては、椅子の上に立って自分で取るので頼らなくなるなど、知恵がついてついてきます。その時は、鍵のある棚に目の前で入れる、などどうやっても手に入れられない状況を作り、声をかけてもらうようにしましょう。ちょっとかわいそうですが、成長のためです。心を鬼にして頑張りましょう。

■トレーニング後の効果:


だんだん、自分ができない場面になると親に頼るようになります。
我が家では、ご飯のおかわりが欲しい時に泣くだけで何が欲しいのかわかりませんでしたが、このトレーニングの後からは「うーうー」と声を出してくれる、ときにはお皿を差し出すようになりました。

今回紹介した方法は、お手軽で効果は高いので、ぜひ一度お試しください。でも、いじわるして興味を引き出すなんて、素直じゃない子供の恋愛みたいですね(笑。自閉症の方へのトレーニングは長丁場です。今回のトレーニングで思う成果がなかなか出ないときは、若いころの恋愛でも思い出して、長い目で取り組んでみてください。この投稿を通じて、自閉症の方とのコミュニケーションを後押しできれば、幸いです。


他人を意識できるようになれば、次はアピールできる言葉、ボキャブラリーを増やすトレーニングです。それはまた、次の話し。次回、「人に「お願い」する」を乞うご期待!


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