映画レビュー:22年5月後半の5本
・ブンミおじさんの森
これで一旦アピチャッポンエンセンスは吸収終わり。この「間」を浴び続けてると、影響をモロに受ける。リトリートに来ているかのよう。見終わると現実世界の見方が変わる感じ。仁侠映画を見終わった男たちは、劇場を出るときにみんな肩をいからせて歩く。みたいに、アピチャッポン映画をみて外に出ると、生死のはざまが淡いになって、混淆する。
・雁の寺
水上勉に呼ばれてる。公開当時、仏教界から反発があって公開が難航したらしいが、これぐらいの生臭さがリアルで良いよ。生きてるって感じする。過去の偉人だろうと聖人だろうと同じ地平って安心するじゃないか。
・シン・ウルトラマン
オタが初期設定に徹底的に理屈付けして、3次元の長澤まさみを二次元(的)に圧縮して、フェチシズムの対象にぶちまけました、というこじらせても昇華すりゃ立派なモンよ!って喝采が内部から聞こえてきそう。シン・仮面ライダーどうなるんだろうなー。
・杜人~環境再生医 矢野智徳の挑戦
見る目かわる。スッと入ってくる。頷ける。この方の視点を学びたい。寺に取り入れたい。知りたい。来てほしい。伺いたい。
・犬王
反権力の象徴の顔がKISSにシド・ヴィシャスにジョーカーかい!と、ダンスも照明もアメリカのエンタメに寄せすぎなのは残念だったけど、まぁアンチ・ヒーローは永遠に僕らの味方ってことで。ご巡行のインスピレーションになる。やっぱ河原者だよ俺たちは、っていう感覚は忘れてはいけん。聖俗一巻。立ち上げると立ち込める。
<了>
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