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掃除機でぶいん

本堂の掃除をしていたら、スズメバチが死んでいた。

妻は「本堂で死ぬなんて、徳の高いやつだ。来世は人間だな。」と死骸に言葉をかけ、掃除機でぶいんと吸った。

特に特別のことではなく、日常の動作といった感じで、掃除機がけを続けていく。

なにげない言動だけれど、妻が「お寺の奥さん」っぽいなぁと思うのだった。

私は声に出して「なんまんだぶ、なんまんだぶ」とつぶやき、そして護摩壇の掃除を続ける。

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