シャワーヘッド

「シャワーヘッドがカビてたから、薬に浸けたから、最初のうち出てくる水は使わないで。お湯になったら使って。」

と妻。

子供とお風呂に入る。まずはシャワーで全身を流すのが慣例なのに、いっこうに水をかけてこない私に対して、子供が怪訝そうに手を伸ばしてくる。その手にも、水をかけない。

「なんで？？」

「さっきかか（母）が言ってたじゃん。お水があったかくなるまで、体にはかけないでね、って。」

「あぁ！そーだったそーだった。」

正直、僕も半分忘れてたけどね。ノズルをひねって思い出したよ。

川の上流で工場排水を流すなら、下流の人にはひとことおしえて欲しいな。その水を、何も知らずに、いつもと同じように飲んでしまうから。使ってしまうから。

希釈されていたら気づかないかもしれないし、何かいつもと違うな？と思っても、きっと杞憂だろうと思って見過ごしてしまうかもしれない。

現に、自分もいまシャワーのノズルをひねるまで、警告を忘れていたし。
あやうく薬剤を身体中にぶっかけるところだったよ。よもや子供にもね。

妻がひとこと言っておいてくれて、よかった。

＜了＞