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飛蚊症と霊感のこと

療養が終わってのち、気づくと、何となく「気配」を感じやすくなった。ぱっと横を向いたとき、廊下の奥に誰かいるような感じがして、おや?と改めてもう一度見てみると、いない。

そんなことが、頻発するようになった。

別に、怖くもないし、嬉しくもない、ただ、目の端になんとなく人影もしくは何かしらの気配がチラつく。あ、まただ。という感じ。

最初のうちは、「これが“飛蚊症”ってやつかな?」と思って、ネットで調べてみると、<目の前に糸くずやアメーバのような「浮遊物」が見える症状>だという。

ん?

それならば、子どもの頃からあった。

おさなごころに「なんで空に透明な虫が浮いてるんだろう、他の人は見えないのかな?」と不思議がっていたアレ。視線を動かすと一緒に動いて、目で追えるときもあれば、逃げていくような動きをすることもあって、ゲームに興じるような感覚もあった。

そっかぁアレが飛蚊症だったのかぁ。

たまたま調べてみたことで、30数年来のつきあいのこの眼球のなぞが解けた。成人になって後天的に発症したものは眼科での検査が薦められているとある。しかしこれは子供の頃からのつきあいだから、問題なしとしよう。


では、飛蚊症でないのだとしたら、目の端で捉える「気配」の正体は?


今日も、昨日も、おとといも、感じる。こどもの姿を認めたような気がして振り返ると、こどもはいない。すがたは留めていなくても、空間になにか居るような、ただ存在感だけがあって、そこを見つめても、なにも見えない。


こんな現状を妻になにげなくつぶやくと、

「霊感ついたんじゃん?」

と事も無げにいってケータイを見ている。

遡るとイタコの系譜にあるという彼女だから、別に今回の現象は珍しいことでもないのか、いやしかし当人からすると、なんとなくチラチラ目の端に触るので、気になるのである。

いま感度上がってるって事?放っておいたら、次第に感じなくなってくタイプのやつ?じゃあこのチャンスは掴まえておくべきなの?なんなの??

いつまで続くんだろうか、コレ。


<了>



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