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コンフォートゾーンの弊害と人生山あり谷ありのバランス

五輪での大活躍を経てレアルの久保くんがマジョルカへのレンタル移籍が確定した。間違いなく日本サッカー界の至宝である久保くんのここ数日の移籍の動向は、日本以外でも世界の各メディアが取り上げていたわけだが、まだ移籍が確定する前にマジョルカ移籍を不安視している以下の記事が非常に思慮深かった。

現地スペイン人ライターがマジョルカ移籍反対の意見を述べてて、その中でも以下のコメントが面白い。

「1度目のマジョルカ在籍時を考えれば、クボはチームのベストプレーヤーだった!全ての攻撃は彼のおかげで行なわれ、最大の脅威だった。だが一つ気になるのは、ポジショナルなカオスを避けるために、プレスバックしたり、ポジションを守ったりといった義務や責任は、あまり与えられていなかったということだ。具体的な役割やスペースを割り当てられながら危険を生み出そうと試みること、守備をサポートするために戻ることは、ウインガーの重要な側面だ。とんでもなく優れてでもいない限り、制限なく動き回ることはできない」

要はマジョルカは弱いチームなので久保くんが絶対的な王様になるだろう。そうすると周りが合わせてくれて、久保くんにとってはとても活躍しやすい環境である。
しかし、それが久保くんが将来より高いステージに行った時の活躍と直結するのかという話である。うーん、確かに一理ある。

いわゆるマジョルカは久保くんにとってのコンフォートゾーン(活躍ができて居心地がいい環境)なのである。

ビジネスにおいても似たようなシーンは多くある。仕事をしていて悩まなくなったなとか、周りと比べて自分は仕事ができる方だなとか思い一定期間が経ったら間違いなくそこはコンフォートゾーンだと思う。
「憂鬱でなければ仕事じゃない」と幻冬社の見城さんが言ってる通り、悩まない仕事なんて実はたいしたことしてなかったりもするのだ。

もちろんコンフォートゾーンにいることが別に悪いことではないんだけど、大きな弊害がある。

例えば、前の会社で大活躍した人が転職してみると思った以上に苦戦するケースは結構あって、過去に活躍できていた理由が、自分がエースとして回るように周囲の人たちが手厚くサポートしてくれて成り立っていたみたいな感じだ。コンフォートゾーンを抜けて次のチャレンジをするときに壁にぶち当たるのがコンフォートゾーンの弊害である。

さて、久保くんのマジョルカ移籍に話を戻す。今回の東京五輪での試合後のインタビューなどを見ててもわかる通り、久保くんはめちゃくちゃクレバーだし、彼ほど自分を客観視できる人は今の日本サッカー界の彼の同世代ではいないと思う。今の自分に必要な環境の理解とかもできているだろうし、彼の選択は間違っていないと思っている。
前シーズンで在籍してたビジャレアル、ヘタフェが比較的競合チームであり、チャレンジした中で大活躍したとは言い難い結果だった。なので今自分中心になれる環境でとにかく大活躍するのがベストだと思っての判断だろう。

長い人生は山あり谷ありで、上手くいったりいかなかったりを繰り返すと思う。大きな挑戦して心折れたり挫折した時はそのままずっとトンネルから抜け出せないのは辛いので、しっかりと地に足つけて活躍して自信を取り戻すことが必要だし、その上でまたまた大きな挑戦をしての繰り返しだと思ってる。

いかに自分と向き合い客観視して、自分が今どの環境に身を置くかを判断できるかが重要ってことを久保くんの今回の移籍でいろいろと考えるきっかけになった。この1年が久保くんにとってどんな結果となり、その後のサッカー選手人生にどう影響するのかほんとに楽しみ。


ところで久保くんが移籍するチームのあるマジョルカ島をググってみた。
地中海に浮かぶ小さな島で、ビーチリゾート、ローマ時代の宮殿や遺跡、近くにはパーティアイランドで有名なイビサ島もある。めちゃくちゃ魅力的だ・・・。

もしも今自分がマジョルカ島に遊びに行ったらと考えると、飯は美味いし、久保くんの試合見れるし、観光楽しめるしで、多分しっかりコンフォートゾーンに入るんだと思う。
そしてそこからまた何かに挑戦する活力が湧いてくるんだろうなとか考えた。大なり小なり人生は山あり谷あり。

今日の画像は自分の中でも間違いなくコンフォートゾーントップ3に入るであろうフィリピンのドゥマゲッティのビーチ。フィリピンは元々スペインの植民地だったのだが、ドゥマゲッティは特にスペイン文化が色濃く残るとても素晴らしい街だった。

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