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ダイソン社の特許発明のポイント(本質)をアイデア展開してみる

 こんにちはnabです。いわゆる企業弁理士として、中小企業の知財課に勤務しています。昨日、ダイソン社・エアマルチサプライヤー関連特許の発明のポイント(本質)をJ-Pratpadの審査経過書類を参酌しながら確認しましたが、本日は、簡単ではありますが、発明創作の視点から、そのポイント(本質)の展開アイデアを検討してみたいと思います。アイデアを創出する方にとってのアイデアの着想のヒントになればと思います。

①昨日の復習

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 前回のおさらいですが、ダイソン社・エアマルチサプライヤー関連特許(特許番号5456787号)のポイントは、テーパー付き領域周辺の構成配置により、口部内での乱流の発生を最小限にすることができ、口部から層流の空気流を放出することができる点でした。(青色矢印が空気流です。)

②展開検討

 では、この特許のポイント(本質)のアイデア展開を考えてみたいと思います。この層状の空気流を放出する技術って、他の業界で使えないのかな?みたいなことを考えてます。例えば、層状の空気は、そうでない空気と比べて水の切れが良さそうですよね。となれば、エアブローを行えるジェットタオルとか、食器洗い機に使えないのかな?みたいなことを考えてみるわけです。そしてこれが、実際に設計出来て、水キレの効果が確認できれば、それはもう立派な発明になりますね。

 こんな製品を事業化されている企業さんもありました。

https://www.incom.co.jp/products/detail.php?company_id=2903&product_id=6534

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 ダイソン社自身も、扇風機のみならず、ヘアドライヤーに関連技術を応用展開していますね。

https://www.astyle.jp/disp/CSfSpeDispListPage.jsp?dispNo=020005019

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 このように特許情報を活用すれば、アイデアを応用展開して、次の課題に取り組んでいくというスパイラルを生むことが出来るかと思います。そういう意味でも、特許発明の本質を掴むことは重要であると思われます。

※ただし、特許からのアイデア展開を行って発明を創出した場合は、特許権侵害のリスクがついて回りますので、創出した発明(アイデア)の侵害判断、出願検討を行って、前記リスクを事前に回避することが必要になるかと思いますのでその点ご留意下さい。



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