「とりあえずウミガメのスープを仕込もう。」を読んで、自分のために料理がしたくなった

育ってきた環境のせいで、料理をすること、料理を好きになることに抵抗があった。

「料理を手作りするのがいいお母さん」というイメージに、必要以上に敵対心、嫌悪感を持って、

「作らないのがわたしらしさ」と勘違いしていた時期もある。

ようやく、そういう見えない相手(イメージ)と戦うことはやめ、

もっと構えず、料理をしようとおもえるようになってきたのが、ここ数年のこと。

それでも、料理に関するエッセイ、文章などは、

作ってもらえなかった過去を思い出して、素直に読めないことがあった。

(実際、最近読んだ別の本で、この人は「いいお母さん」なんだな…って、

自分の中で、壁をつくってしまったことがあった)

正直なところ、この本を読み進めていく中で、子供の頃の自分が顔を出してくることは何度かあった。

さみしさとともに。

でも、最後の最後で、それが大逆転した。

思い出の日に、食べたのが「みかん」だったという話。

「食が何かを思い出すきっかけになる。」

ものすごくハッとした。

「いいお母さん像」に従うためではなく、思い出のトリガーをつくりたい、つくってあげたいと思った。

(子供のためだけでなく、私にとっても)


毎日、毎回、全力投球でなくていいと思う。

(実際、宮下さんは料理にかける時間を決めている)

でも、作れる時には自分でも楽しみながら作りたいし、

「楽しみながら」ができるように、経験を積んでいきたい。

そう思ったら、料理をすることがもっと気楽に、かつ自分を大事にしてあげる時間になりそう。

今回、この本に出会えて、本当によかった。


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