3 私の考える絵本選びのアプローチ(2歳〜)

2 幼児の成長と絵本の関係で書いたように、子どもに絵本を読むことで、実世界を擬似体験できたり、色々なキャラクターに入り込み多様な考えを持てたり、愛情を注ぐことにつながり非認知能力を育み、内的モチベーションをつくる土台が出来上がります。

こういったように、子どもに絵本を読むのは素晴らしいことなのですが、絵本を自分で選ぶのって難しいですね。
0〜1歳と2歳〜では、絵本の選び方は変わるので、今回は2歳〜の選び方のアプローチをまとめています。

具体的にどのような絵本が該当するかは今後まとめていきます。今回は考え方の話です。

以下の写真はいつもお世話になっている図書館の絵本コーナーです。
50音順に絵本が並べてあるので、読みたい本を探すときは便利ですが、何かいい本ないかな〜という時には見つけるのは難しい。

図書館の絵本コーナー

様々な絵本を借りれて非常に助かっています。いつもありがとうございます!

図書館を一例で挙げましたが、自分が絵本を手に取るきっかけはおおよそ以下のようではないでしょうか?

絵本との出会い方.001

このパターンは全てよい絵本に出会える確率が非常に高いのですが、親がどんな本を読みたいかをイメージできない点が共通してあると思います。

絵本も出会いなので、こだわりすぎるのはよくないですが、親が子どもに読む絵本を選ぶ機会が増えるといいなと思います。

ここでは、絵本を選ぶ際の私の考え方をまとめていきます。
ポイントは、「絵本への入り込みやすさ」と「内容のていねいさです」
(*1)

ステップ1. 絵本を絞り込む

世に出ている絵本はおおよそ素晴らしいのですが、今回の選び方の趣旨からは、子どもの発達をサポートするという観点で絞り込みをしていきたいと思います。

絞り込みのポイントは、絵だけで伝わり、言葉で絵を飾れ、擬似体験を提供できることです。

絵本の絞り込み.001

絵で話の内容がわかる
「絵」本なので、絵で内容を伝えていることが理想です。さらに、「1絵1描写」になっていることが重要です。

なぜならば、子どもはまだ文字が読めません。そのため、彼らは絵本の絵を読み、話を聞きます。そして、生まれて数年です。彼らには絵本で見ることは初めてのことばかりです。そのため絵本の絵を見てイメージをもちます。
そうすると、絵だけで話がつながらないと、話を聞いている子どもたちは場面が頭に入らず、混乱してしまいます。

ビジネスに携わる人は、以下が絵本のポイントと同じというとわかりやすいかと思います。

描写や表現がていねい
絵で話の内容がわかったら、次は物語や登場人物の描写や表現がていねいに描かれているかも重要です。

子どもは、物語を聞きながらその世界に入っていきます。世界に入りやすいのが、主人公になりきることや不思議な世界の住人になることです。なぜならば、子どもはまだ文章にない設定を頭で補足することができないです。
そのため、主人公や登場人物がどんなものか、絵本の中はどんなことが起きている世界なのかをていねいに描写していることは大事です。

発見がある
これは多くの絵本に備わっているものですが、私は以下の2つに関連するものを「発見」と考えています。
1. 絵が細部まで凝っており、何度も読むたびに新しい発見がある
2. あるテーマに興味を持ち、関連した次の絵本や体験へとつながる

例えば、「ひとまねこざる」では、おさるのジョージが街に出るシーンがあります。何度も読んでいるうちに、牛乳屋さんのトラックがいることに気付いたり、赤ちゃんと散歩しているお母さんを見つけたり、読むたびに絵から新たな発見をして、楽しむことができます。
親は、読むのに一生懸命になっているので、子どもから教えてもらい、本当だ!とびっくりすることもあります。

また、道でバスをみた時に、「ジョージが乗ってたね」、他の車を見て、「あの車は何?」と車への興味を示したりします。そうすると、車の絵本を読んでみたり、実際に工事現場やショールームを見に行ったり、次につなげることができます。

ステップ2. 手に取る絵本を決める

絵本を絞り込んで、子どもに読みやすい本がわかったら、次はどのような絵本を選ぶか、を検討します。

子どもの年齢や興味関心をもとに、以下の基準を目安に選ぶのがいいかなと考えます。

絵本の基準.001


必要な情報に焦点を当てているもの(シンプル)から、様々な情報を盛り込んでいるもの(複雑)まであり、一般的にシンプルなものの方が集中力を持続しやすいです。

文章
子どもの集中力によって、短いものと長いものの選択が変わります。一般的には年齢が上がるにつれて、長い文章も聞いていられるようになります。

内容
客観的な出来事と人の心の機微、では抽象度が異なり、子どもの発達度合いにより内容を楽しめるかどうかが決まります。

テーマ
子どもが興味を持ちうるテーマです。このテーマによって、同じ子どもでも絵や文章や内容の難易度が変わると考えています。
また、興味を持ったテーマに沿って、実体験につなげるという流れも考えることができます。

Step3. 子どもに絵本を選んでもらうことも重要

Step1, Step2で親が子どもにどんな絵本を選ぶかを中心に考察したが、子ども自身に読みたい本を選んでもらうことも重要です。子どもは自分で読みたいと選んだ本を読めることはワクワクするものです。

そして、親も読みたい絵本を選びましょう。

おおよそ、5冊選ぶならば、親と子どもで1冊づつ読みたい本を決めて、残り3冊はStep1, Step2をもとに、親が読みたくて子どもも興味を持つ絵本を選ぶのがいいバランスかと思います。

子どもも選ぶ.001




*1. 絵本の絞り込みや選び方に関しては、絵本関連の書籍を参考にしました。(代表的なものをあげます)


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