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AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル合格までの全記録(後編)

前回、AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル(AWS SAP)受験チャレンジの難しさについてまとめた。


今回は合格に向けて具体的にどんなアプローチをとったのか、学習順に紹介しようと思う。


Amazon提供のワークショップ

まず、取り掛かったのが、「Exam Readiness: AWS Certified Solutions Architect – Professional」。Amazon提供の公式のeラーニング教材。

ブレイン・サンドラッドという、AWS認定のソリューションアーキテクトのおじさんがAWS SAP試験について、例題も交えて詳しく教えてくれる。

全部で4時間程度のワークショップで、AWS SAPの全体感であったり、どんなことを問われるかなどを理解することができる。

が、

もちろんこれだけでは、AWS SAP合格に十分な知識はとうてい身に付かない。


ホワイトペーパー、ブラックベルト

Web上にあるいくつかの合格体験記では、とにかく「ホワイトペーパーやブラックベルトを読み込め」というものが多く、実際、学習開始当初はぼくも読み込みにトライしていた。

どちらもAmazonが提供する技術書であって、ホワイトペーパーとは、文章ベースで設計に関するベストプラクティスや方針、基本的な考え方をまとめたもの。

特に、AWSでシステム構築する上での優位性となる「運営上の優秀性」「セキュリティ」「信頼性」「パフォーマンス効率」「コスト最適化」についてベースとなる考え、知識をまとめたAWS Well-Architected フレームワークはマストリード。

ただ、とにかく分量が多くて頭に入らない。英語のものあって、気付いたら寝ていることも多々。

確かにこれを叩き込んで、理解すればよいかもしれないけど、ぼくには合わなかった・・・

他のホワイトペーパーも以下同。


ブラックベルトは、サービスごとにそれぞれのプロフェッショナルがサービスの特徴、利用のポイントをまとめたもの。

こちらも大量にスライドベースの資料が用意されていて、それぞれのサービスもかなり深掘りされている。

ただ、読破は難しいし、やや技術的な印象。おそらく実務で使う際のヘルプとしては優秀かもしれないが、同じようにAWS SAP合格対策としては不向き、というか向き不向きがあるかもしれない。


Udemy

もはやぼくの知識の源泉となっているeラーニングプラットフォーム、Udemy。

導入試験であるAWSソリューションアーキテクトアソシエイト試験に比べて、プロフェッショナル試験向けの教材は限られているものの、いくつか優秀なものがある。

一つ目は、「AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル模擬試験問題集(全5回分375問)」。ぼくが学習していた時の唯一の日本語の模擬試験形式の教材でかなり重宝した。

本試験に合わせて、75問が5回分あり、問題量も多いし、各問題の解説も十分に用意されていて、基礎的な力をつける上ではマストでやり込むべきだと思う。

ただ、本試験に比べるとやや優しく、問題文も本試験特有のクセが無いので解きやすい印象。それと、オプションの設定やコマンドの問題もいくつか用意されているのだけど、本試験では出ない。

ちなみにぼくは、これを3回くらい繰り返し問いたあとに一度本試験を受けるも、得点率6割5分くらいで不合格。ベースとなる知識は身に付くものの、これだけでは不十分。


一度本試験を不合格になり、新しく取り組んだのが「AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Exam」。

とにかく、AWS SAPの合格には英語での問題読解力が必要で、75問 x 4回の模擬試験が要されていているこの教材は、本試験に向けて鍛えるには最適。結局ぼくは各テストを5回繰り返した。


ここで紹介した二つについては、かなり積極的にアップデートされているところもグッド。


もちろん、この二つだけで十分な知識をつけることは難しくて、適宜不明点は自分で調べることが重要である。特にAWSでは現場の技術者が個人ブログでいろいろなサービスについてまとめているものが多くあるので、わからなければすぐにググるのは重要。


参考書

去年の夏ごろに発売された「AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説」。


ぼくは書籍で勉強したいタイプなので、これまでAWS SAP向けの日本語参考書は無く、待ってましたという感じ。

実は2月に本試験で落ちた後、4か月くらい勉強を放置していたのだけど、この本が出たのでまた再出発をしたというくらい。

各章の演習、模擬試験の問題と説明はよく考えられていて、まず勉強を始めたいという人にはぜひこの参考書をおすすめしたい。


それと、この本とかも参考にした。

机上でのテスト対策だけでは、実際の設計についてイメージするのが難しいもの。

特にぼくの場合はStrage Gatewayとか、認証周りがどうしても理解が難しかったので、図も使って説明があるのは非常に助かった。


Web問題集で学習しよう

なんだかんだ、いろいろな学習教材を紹介したものの、Web問題集で学習しよう」という学習サイトがいちばん優秀である。

今ではサイトがおしゃれになっているものの、ぼくが活用していた時にはかなり質素なホームページだったので、大丈夫か?という感じ。

ただ、多くの合格記でも紹介されているこのサイトは問題の量、質ともに別格。ぼくが活用したときは、全部で350問用意されていたが、3周でも4週でも5週でもして暗記するくらいの気概で取り組めばかなり合格に近づくと思う。

もちろん、基礎的な知識を身に付けておくのは前提だけど、本試験でも似ている、というかほぼ同じ問題が出ているので、これをやっているだけでかなり有利に試験を進められる。


本試験は、前にも紹介したように180分75問の長文読解試験である。なので、できる問題を確実に処理しておくことがタイムマネジメント的にもメンタル的にも重要であって、本番で見慣れた問題が多く出てくるのは大変心強かった。


AWS SAPの問題を閲覧するには3ヶ月で約6000円のダイヤモンドプランの契約が必要だけど、十分価値がある。


ちなみにぼくの合格記も掲載されています。



ぼくの学習プロセスはこんな感じ。AWSの勉強そ進めることで、AWSそのものの知識だけではなくて、クラウド、システムアーキテクト、インフラの勉強も体系的にできて非常によい経験だったと思う。

次は、この知識を活かす番である。

今後は、デジタル庁が設置され、政府も「クラウド・バイ・デフォルト」を提唱し、クラウドの利用促進をしている。活躍の場は大いにあると思うので、AWSだけではなく、Azure、GCPについての理解も深めて、今年は本格的にクラウドを使ったシステム導入の提案、デリバリーの経験ができると良い。



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