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紀元前にすでに封建制から郡県制に転換した国があったことをドラマで知った。アマプラから学ぶ歴史、華流ドラマ「始皇帝 天下統一」、なんと78エピソードもあった(韓流のイ・サン並み。チャングムより長い)。美男の出演なし、美女は数人ドラマに花を添えていたが・・

同じく、北海道とアイヌのことを学ぶためにアニメ「ゴールデンカムイ」を観たアタクシ。気を良くして(楽しく学べる)、今回は秦の始皇帝についての歴史ドラマに挑戦。

秦の始皇帝については「漫画・アニメ・映画・ドラマ」といろいろ展開はあったがもっと硬派できちんと歴史観のある媒体で理解したいとずうっと思っていて、今回はそれが叶ったかたちである。

始皇帝 天下統一』2020年製作

映画批評のFilmarksで評価「4.2」を取ってるところをみても、この歴史時代劇はよくできているドラマだと思う。制作費が165億円と中国ドラマ史上最高額だそうな。出てくるエキストラの数も相当な数。そして出演している俳優陣が・・渋い! 大将軍がそれなりに年配者が演じていることがリアルに感じた。だって百戦錬磨になるには中堅若造じゃダメでしょ?

周囲の6国を滅ぼしての”中華統一”(漫画キングダムでひつこく出てくる言葉)なので、軍備・兵隊・兵站・戦略などなど何か際立った秘策があったかと観ていたのだが・・一番印象に残ったのはその戦争前後の知略だったかと思う。

例えば、何事も皇帝というトップが1人で全部できるわけもなく、やはり「人材」だ。特に6国への内偵や交渉に当たらせる宰相に、重要かつ抜きん出ている人材を得ていたことが大きい。そのほか、治水とか必要とされる分野ごとに自国にこだわらず周辺国から人材をヘッドハンティングしたことも大きい。

次に「法」を作り「法治国家」を目指したのは国の基本だと思う。そのためにも政治が機能することが重要で、血縁や縁故で団結力は強いがそれぞれの能力に問題がある「封建制」から、能力主義の「郡県政」へと制度設計を変えたこともすごい。

6国を攻めつつも、それぞれの流民を受け入れるための準備を戦争前に整えたことも素晴らしい。国の基本は民で、民は農業を営み、それが国の財産となり戦時の備蓄となる。(長い戦いだと数年にわたることもあったから大変だ)

移民を迎えるために秦が行ったこととしては、
🔳文字・貨幣・単位を統一 →  国を超えて人の往来や商いがスムーズになった。
🔳農耕のための灌漑治水 →   鄭国渠(ていこくきょ)という灌漑水路を作り乾燥した平原地域を潤し農耕に適したあらたな土地を生み出した。
🔳温情政策 →   移民それぞれの一家に土地と牛1頭と当面の食料を与えた。そして移民の税金は30%OFFに。

秦王

秦王の姓名は「趙 政/チョウセイ」、様々な書物によるとその人物像は「冷酷」であったとあります。ただ後の書物ではけなされることが多いゆえにそのような評価になるのやもという説もありますが。https://mag.nhk-book.co.jp/article/44762

13歳で秦王となるまでの少年時代に相当な苦労をしたようです。それが王になって統治を行った際に少なからず生かされたとみる説が多いようです。

最後に一言。さあ、この国のトップをみてみてください。87代から100代まで途中の3代除いて10代の7人が親の代から根っからの政治家家業。自分の足で歩いたりバスや電車に乗って学校に通ったりおこづかいで工夫して買い物したり、世の中を見つつ成長してきた経験はあるのでしょうか? 政治家の世襲に反対!

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