ミャンマーからカミナシへ。UXリサーチャーが学んだ一番大切なこと
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ミャンマーからカミナシへ。UXリサーチャーが学んだ一番大切なこと

Koichi Watanabe

はじめまして、カミナシでUXリサーチャーをしている渡邊です!

カミナシには2021年9月からジョインし、主にプロダクトのユーザー体験の調査や分析を担当しています。

今回は、私のこれまでとカミナシについてご紹介できればと思います。少しでも参考になれば幸いです。

前職はミャンマーでデザイナー

いきなりのタイトルに驚かれるかと思いますが、私は前職で2年ほどミャンマーで働いていました。

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よく出会う人には「なんでミャンマー?」と聞かれるのですが、特に理由はなく、強いて言えばミャンマーという国名を聞いた瞬間に「ミャンマー?どこ?面白そう!」と感じたことがきっかけです。

もともと学生時代にフィリピンに留学していたこともあって、日本よりも海外で働きたいと思った私は、卒業後にミャンマーの人材会社にデザイナーとして入社しました。

当時、その会社にはデザイナーがいなかったため、私は実質一人目のデザイナーとして、ロゴの刷新から社内のあらゆるものをデザインしていき、それまで人材事業がメインだった社内で、ミャンマー進出企業向けにデザイン制作を行う事業を立ち上げたりなど、幅広く経験させていただきました。

立ち上げた事業は不完全燃焼

デザイン制作事業を立ち上げたものの、結果うまくはいきませんでした。

ミャンマー国内のデザイナーは非常に希少であるため人材獲得ができなかったこと、そのことで目の前の案件をこなすことでいっぱいになってしまい事業に目を向けられなかったこと、コロナ禍で営業が難しくなったこと、など理由をあげればキリがないほど。

それでもなんとか人脈頼りで受託案件を取り、微弱ながらも会社に貢献していました。チーム内でも徐々にメンバーを増やし「よし、これから!」と意気込んでいました。

ところが、ミャンマーで大事件が起きてしまうのです...。

2021年2月に軍事クーデターが発生。

一夜でミャンマーは軍が支配する独裁政権となり、街には軍隊が銃を持って現れ、抗議デモの怒声や悲鳴、銃声が街中に響き渡るようになりました。

この事件がきっかけで、多くの進出企業は撤退、倒産に追い込まれました。
私のいた会社も継続することが難しくなっていきました。
そして立ち上げたチームも1年ほど経過していましたが、これからという段階でクローズすることになり、とてもやりきれない、不完全燃焼のような気持ちで一杯でした。

多くの起業家との出会いで考え方が変わる

デザイナーとしてロゴからつくっていった会社の継続が難しくなり、立ち上げた事業のクローズ...。一から関わっていたため、ショックは大きいものでした。

ただ、決してネガティブなことばかりではありませんでした。
それは多くの出会いに恵まれたからです。

ミャンマーはアジア最貧国と呼ばれるほどに経済発展していない国ですが、市場のポテンシャルは高く、各国から企業が進出してきます。
そのためミャンマーで働いていると、沢山の起業家と出会うことができました。

彼らはコロナ禍になろうと、クーデターが起きようと、なんとか踏ん張り、ミャンマー人スタッフの雇用を守るために必死に策を練り、次の手を投じていました。彼らはミャンマーの市場に可能性を見出して、人生を賭けて勝負していたんだと思います。(ちなみに現在は、ミャンマーから他の国へとフィールドを変え、挑戦を続けています)

そんな彼らの姿をみて、自分も何かに人生を賭けられるほどの挑戦がしたいと考えるようになりました。

プロダクトがやりたくて、カミナシに辿り着く

人生を賭けられるほどの挑戦って何だろうと考えた時に、私の中でプロダクトをつくり、勝負したいというシンプルな解がありました。

それはクライアントワークを通して、クライアントが自分達のプロダクトやサービスを良くしていきたいという、強い思いに触れていたためです。

ただ私自身、クライアントワークではどうしても「受託」というマインドから抜け出せませんでした。複数の案件を進めている時に、どのくらい品質が高くできるのか、という点であくまで業務という感覚で携わっていたのだと思います。(もちろん、これも大切なことですが)

ミャンマーの状況が悪化し、会社の継続が難しくなった時に、ここでピリオドを打ち、次のステージではクライアントがあれだけ強い思いを持って向き合っていたように、自分もプロダクトをつくりたいと思うようになりました。

そんな時に、カミナシと出会いました。

カミナシでは、すでにプロダクトをリリースし、今後機能を改善していくフェーズにあたって、UXデザインのプロセスを取り入れた、開発サイクルの導入を検討しているというフェーズでした。
また新たにリリース予定のプロダクトもあり、プロダクトの改善、そして新しいリリースにも携われるという特殊な環境に惹かれました。

そしてもう一つの理由は、カミナシのメンバーが非常にオープンだったことです。これはカミナシのバリューである「全開オープン」が社内に浸透しており、コミュニケーションにおいても自分のフィルターが剥がされるような感覚がありました。最高のプロダクトをつくるために、このメンバーとつくっていこうと思いを固めジョインしました。

日本の労働人口の約半数が"対象ユーザー"

ジョインしてみて、まず最初に「面白い!」と思ったことは、カミナシの"対象ユーザー"でした。

カミナシのプロダクトを利用されるユーザーの多くは、工場をはじめとした、あらゆる業界の"現場"で働く「ノンデスクワーカー」と言われるユーザーを対象としています。

デスクでPCにむかう仕事とは違い、工場や作業現場で力仕事をされる人々がノンデスクワーカーにあたります。ノンデスクワーカーはJILPT(独立行政法人労働政策研究・研修機構)の調査によると日本の労働人口の約半数といわれています。

ノンデスクワーカーが働く現場では、問題なく生産が行われているか、機械は正常に動作しているか、品質やトラブルはないか、など多くの確認事項を、紙でアナログに運用されています。

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紙で運用している以上、直接手書きしていくわけなので、書き間違いや汚れで見えなくなってしまったり、紙が多くなり紛失してしまったりとデータとしての役割が脆弱です。そして、これらの紙帳票は、長年現場のインフラとして定着しており、デジタル化を進めることは容易ではありません。

カミナシはこのような現場の運用の大きな課題と、日本の労働人口の約半数という巨大な市場に対して、「現場改善プラットフォーム」としてSaaSプロダクトを提供しています。

プロダクトのポテンシャルは計り知れないですね!

ユーザーに学ぶのが、リサーチャーの姿勢

ここまで、カミナシのユーザーについてお話ししましたが、ユーザーについて簡単にまとめるとこのようになります。

・幅広い業界
・ノンデスクワーカー
・ドメインエキスパート
・ユーザー=顧客
・高齢者や外国人が多い
・力仕事の現場

つまり、私たちは業界のプロたちが戦う現場の体験をデザインすることが重要になります。

ですが、ここまで対象ユーザーの範囲が広いと実際にどのようなプロダクトにすべきか考えていくのは大変です。

業界によって現場の課題もさまざまで、ユーザーもノンデスクワーカーという共通点だけで、業務内容は全く異なります。

実際カミナシでは、ユーザーからの要望をProductboardに集約していますが、要望も非常に多種多様です。

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またプロダクトのUIにおいても、幅広い業界で扱える汎用的な設計、高齢者や外国人労働者を想定したアクセシビリティ、力仕事と並行してプロダクトを操作をすることなど...検討すべきことはたくさんあります。

一言で言うと、難しいんです笑

実際にユーザーにインタビューしてみても、複雑な業務工程の話をされると頭の中は「???」でいっぱいになります。

私はカミナシにジョインしたばかりの頃は、あらゆる手法をこねくり回して、ユーザーを理解しようとしていましたが、それは全くズレていました。

一番大切なことは、手法や技術ではなく、ユーザーに学ぶ姿勢でした。

カミナシのバリューには「現場ドリブン」というものがあります。
これは部署や肩書き関係なく、現場へユーザーの事を勉強しにいくという、とてもシンプルで大切なコンセプトです。

私はカミナシでリサーチをする身として、ユーザー、つまり業界のプロであるお客様に、勉強させていただくというのが一番大切だと考えています。

反対に言うと、ユーザーについて"わかった気にならない"ということなのかもしれません。(自戒)

ユーザーについて自分では色々とわかっているつもりでも、いざユーザーに「私たちについてどのくらい知っていますか?」と聞かれたらゾクっとしますよね。

(これはまさに、古代ギリシア哲学者のソクラテスの「無知の知」ですね...!)

私のいるプロダクトチームでは、”わかった気になっていること”をアンラーニングする取り組みとして、実際の現場で運用される紙帳票を観察する会を開いてみました。

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具体的には、下記のように事実に基づいてわかっているか、わかっていないかを色分けし、調査項目の洗い出し、プロダクトの検討項目の洗い出し、メンバー間での情報差をなくすことの3つを目的に取り組んでみました。

・不明なため、調査が必要なもの (仮説も含む)
・事実に基づいて判明しているもの
・事実に基づいて判明していて、体験を検討すべきもの
・事実に基づいて判明していて、要件を検討すべきもの

非常にシンプルですが、これをやるだけでユーザーに対して、自分たちの理解している現在地がわかりました。

ユーザーに学ぶ、そしてわかった気にならず、また学ぶ。これを繰り返していくのが姿勢としていいのかもしれないですね。

さいごに

ここまで色々とえらそうな事を書きましたが、そうは言っても実際はかなり泥臭くやってます笑

どのように調査を進めていくか、調査した情報をリソースとして、どう社内に還元するか、などまだまだ社内で模索している段階です。

リサーチをしても、ユーザーへの理解が追いつかず、ユーザーが意図していない機能をつくってしまったりと失敗も多いです。

それでも私は、カミナシのプロダクトで勝負できると確信しています。

日本の労働人口の約半数である、ノンデスクワーカー。その巨大な市場で、紙で運用される非効率な業務を変えようとしているカミナシ。

これは単純に紙をデジタル化することではなく、お客様の業務インフラをつくることであり、最終的にお客様の商品やサービスをエンドユーザーに届ける責任の一端を担っていると感じます。

今まで誰もが挑戦しなかった領域で、戦っているカミナシは、私がミャンマーで出会った起業家たちを連想させます。
私は不完全燃焼で終わったミャンマー時代の悔しい思いを、カミナシにおもいっきりぶつけようと思ってます笑

ここまで長くお付き合いいただきありがとうございました!

カミナシは現在積極採用中です!一緒にプロダクトをつくりたいという方や少しでも興味ある方、お気軽にお話ししましょう!


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Koichi Watanabe
B2B SaaSスタートアップ、カミナシでUXリサーチャーをしています。前職はミャンマーで2年間クライアントワークとプロダクト開発をしていました。