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2月のイベントと言えば

バレンタインです!!!

…と言いたいところだが、今回は別のことにフォーカスを当てたい。

2月中旬、世はバレンタインで賑わっているように見えるが、バレンタインのドキドキに一番敏感であろう学生たちは受験や定期テストに追われる時期でもある。

大人になった今となっては、バレンタインは普段食べることの出来ない美味しいチョコレートを求めてデパートに行くイベントと化しているが、そんな私にもテスト勉強そっちのけで深夜2時頃までクッキーを作りまくったり、一般入試3週間前に自分の志望校に既に推薦で合格している友達とカップケーキ作ってキャッキャしたりした経験がある。

書きながら「何てアホな…」と過去の自分に対して自己嫌悪に陥っているが、見方を変えれば一心不乱にバレンタインというイベントを楽しんでいたんだなと思うと、今や寂しい人間になったもんだと今度は現在の自分に落ち込んでしまった。

いや、今回はそんなことを言いたかったのではない。

先日、中学2年生の3学期末テストの範囲表を見る機会があった。その内容はテスト範囲のページ数と、テストに向けてやっておくべきことだったが、その内容がとんでもなく厳しいもので大変驚いてしまった。自分が中学生のとき、こんなことになっていただろうか?思い出せない。どうでも良いことは思い出せるのに。

肝心のその内容だが、

テスト範囲:教科書p154〜p238
やるべきこと:教科書の音読3周以上、同範囲のワーク5回以上、その他授業内で配布したプリント類の復習、市販の教材もやっておくと良いでしょう。

というようなことが5教科分書かれていた。
ちなみにこの範囲表はテスト2週間前に配布されるものである。

最初に思ったのは、こんなに範囲ページ多かったか?ということ。2学期なら分かるが3学期ですら100ページ近い範囲だっただろうか。

次にツッコミどころが多すぎる「やるべきこと」だが、これは「やるべきこと」ではなく「勉強方法紹介コーナー」の間違いではないか?と思いたくなるほどの分量である。
1教科だけのテストならこなせるかもしれないが、これが5教科分となるとどうだろう。
全教科の範囲ページが100ページあるとして、3周するなら1教科300ページ。それが5教科あるから合計1500ページ。それを2週間で読み切るには1日で約110ページほど読まなければならない。
昔の自分を改めて召喚してみる。テスト期間で部活動がなくても通常通り授業があり、クタクタになりながら帰って、ご飯だのお風呂だのとやっていたら勉強出来る時間はせいぜい4時間くらいだろうか。いや、もう少しあるか?今回は少なく見積もって4時間としよう。その4時間で110ページ読むには1時間で30ページ弱読むことになる。つまり2分間で1ページを読めば良い。こう考えればいけそうな気がしてしまう。
…いや待て。忘れるところだったが、ワークも同範囲で5周しなければいけない。
無理だ。いくら土日を挟むと言えども、これは無理だ。

もしかして、テスト範囲が出る前からこれをこなすだけの教育(例えば授業で音読、それも速読の習慣がある、ワークの問題を覚えるほど取り組んでいるなど)が徹底されているのか?!と思い、当事者の中2ボーイに聞いてみると、音読どころかワークも殆ど授業では扱わないとのことだった。

やはり、どう考えても無理ではないか。
目標や理想を高く掲げて上を目指せという教育だとしても、壁が高い上に分厚すぎる感は否めない。もし当時の自分がこれを渡されたらテストのやる気なんて地に落ちそうなものである。

しかし、これをこなそうと努力する子が少しでも多く存在しているのだとしたら、かなり将来有望である。是非そのまま頑張ってほしい。くれぐれもこんなことを嘆くような人間にならないように。


ちなみに、その範囲表を見せてくれた子は「絶対無理でしょこんなのwww」と言っていました。

中々にハイレベルなことを求めていますよね。
先生方は至極本気でこれを提示しているとは思いますが、本当にこなせると思って書いていらっしゃるのか聞いてみたいところです。
だって上記にある通り、これをこなすには問題を解く力の他に計画を立てる力、自分を律する力が求められるはずです。
これを中学生という伸び盛りのタイミングで習慣づけることが出来たなら、日本の将来は人材の宝庫になりそうです。私は敵う自信がありません。
もしかしたら先生方も、自分の昔を思い返しながら「こうなってほしい」という期待を込めているのかもしれませんが、それにしても求めすぎでは…と思ってしまうのは、ゆとり世代故でしょうか。


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