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読了まとめ【UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ】

下記の書籍を読了したので内容まとめ。

この書籍を読もうと思った目的

・会社で情報アーキテクチャ(以下、IA)を基礎から学ぶワーキンググループが発足。まずは関連書籍の読み込み、共有を行うこととなった。
・いくつかIAに関する書籍をピックアップした中で担当となったのがこの本
・IAのバイブルである「情報アーキテクチャ ―見つけやすく理解しやすい情報設計」の共著者の一人であるピーター・モービル氏の指南書であることから、IAに関する考え方やテクニックを把握できると期待していた

結果

・IAについて学ぶ目的ではとっつきにくい(当たり前なのだけど。。。)
(IAの基礎を学ぶための書籍としてみんなでピックアップしていたので、そもそもの選択が間違っていたのだ)
・ただし、IAに関する考え方、重要な要素を垣間見ることができた
・IAはUIデザイン以外の世界でも応用できるという視野を広げるきっかけとなった

この本をお勧めしたい人たち

・プロジェクトや案件、生活の中でのライフプランを立てた際に失敗したりうまくいかなかったことの理由が分からない、知りたいと思う人たち
・デザインの進め方を見つめ直したい人たち
・情報アーキテクチャやUXの基礎的な部分を学び、どのような分野へ応用できるかを知りたい人たち


書籍の概要

この書籍では計画づくり(プランニング)を行う際に6つの実践4つの原則を提案しており、その内容をひとつひとつ事例を交えながら説明していく内容となっている。
ピーター・モービル氏はプランニングを行うステップを6つの実践に分解しひとつひとつのステップを実践する際に4つの原則という視点を用いて精度の高いモノへとしていこう、という考えになっている。そして、6つの実践と4つの原則のそれぞれの頭文字をとって「STAR FINDER」と称している。

4つの原則
・共有しながら(Social)
・具体化しながら(Tangible)
・素早く柔軟に(Agile)
・振り返りながら(Reflective)
6つの実践
・枠組みを決める(Framing)
・想像する(Imagining)
・絞り込む(Narrowing)
・決断する(Deciding)
・実行する(Executing)
・振り返る(Reflecting)


書籍を読んだ気づき・まとめ

この書籍では、プランニングについての進め方、手法、考え方について書かれているが、IAの専門家による視点から書かれた提案だけあってIAにおける考え方や重視すべき要素が根幹にあることが分かった。

IAとは情報をいかに分かりやすくするかのデザインであり、情報を分解、分類して理解しやすい単位で捉えている(プランニングを6つのステップに分解...などなど)。

そして、情報設計を行う際には

・フレーミングによる問題認識の拡張を行うこと
・自身や周囲におけるバイアスに目を向けること
・条件や重心を用いて選択肢を絞ること

これらが重要となることが分かった。



備考:重要だと感じたことのメモ

chapter1:プランニングとは何かについてを事例を交えながら紹介する章

プランニングにはデザインが必要。なぜならば
①プランは本質的に柔軟性を失わせるが、多様な状況に適応しなければ困難を招くものになってしまうから
②デザインの中心となる「モデル化する力」による問題解決思考とプランニングは相性抜群だから
「プランニングはデザインと相性がよく、またデザインが不可欠である」という言葉が出てきており、解説の長谷川氏も述べているがIAやUXに関わってきた人たちがプロジェクトや日常生活にも生かせるのではないかと発見し、実践している理由が垣間見える章になっている。


chapter2:枠組みを決める(6つの実践の1つ目)の解説

・フレーミングは情報建築家にとって欠かせない仕事の一つ
“金槌を持った人間にはすべてが釘に見える”

自分のものの見方が自分だけの「工具箱」によって決まっていることに気づかない→フレーミングによって新しい見方を獲得することが重要
・フレーミングの目的は機会に気づくことにある


chapter3:想像する(6つの実践の2つ目)の解説

・ウィルパワー(意志力)+ウェイパワー(見通す力)= ゴールへつながる効果的なパスが見つかる
・選択肢に気づかない事態を避けるには、意思をゴールとしてフレーミングし直さなくてはいけない
→そうするとゴールの幅が広がり、いろんな角度から評価できる


chapter4:絞り込む(6つの実践の3つ目)の解説

・幅広い選択肢を長く残しておくとよい決断が下せない
→だからこそ選択を絞ることが大切
・選択肢を絞るふるいとなる「条件」「重心」「コスト」「リスク」を効果的に特定する必要がある
★「条件」とは選択肢を削る際に使う
★「重心」はパスの選択肢を新たに増やしたりパスの重要度を高めるもの


chapter5:決断する(6つの実践の4つ目)の解説

・決断は無意識の行動
決断能力を高めるためには過去を振り返る練習をし自意識を高め必要あり

→ 悪い決断は忘れていってしまう
・決断するときにしがちな悪いクセ、飛ばしがちなステップ、強調する部分はどこかを知る


chapter6:実行する(6つの実践の5つ目)の解説

・「直感」は習得済みのパターンを利用すること
・「洞察」は新たなパターンを見つけること

・熟練者は初心者が見逃しがちな矛盾に洞察を得るが、同時に間違った考え方に過剰な自信を持つという罠にはまることも多い

chapter7:振り返る(6つの実践の6つ目)の解説

・最高に思えたプランでも実行してみるとうまくいかないのは、外の世界だけでなく人間の内面世界も複雑だから
・人間の記憶は選択的で恣意的
→だからこそ自意識を認識することに意味がある

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