#2 この1ヶ月くらいの間に起こった事②
「今すぐ入院して下さい。」
39℃の高熱と左脚の激痛のため受診した病院で、医師からこう告げられた。
MRIや血液検査の結果、左脹脛の静脈一帯に血栓が出来ていてその周辺にウィルスが侵入し炎症を起こしていることが分かった。病名は「深部静脈血栓症」と「壊死性筋膜炎」。
とにかく、血栓が肺や心臓に飛ぶと命の危険があるのですぐさま心電図モニターを取り付け、点滴と内服薬で血栓を溶かす治療が始まった。
いきなり入院が必要と言われ、さすがに少しは驚いたがそれ以上にホッとしていた。薬を渡されお帰りくださいと言われても、高熱と左脚の痛みとで家まで帰る気力はもはやなかったし、病名が分かったことでこれまで悪化の一途を辿った体調がようやく回復に向かうと思った。自分で気づかないうちに憔悴していたのだと感じた。
左脚の痛みは日に日に良くなっていった。腫れが引き痺れも取れ、歩行禁止令が出されていたが入院4日目くらいには自力で歩けるんじゃないかというくらいまで回復した。血液検査やCTの検査からも血栓は順調に溶けていっているようだった。
しかし一つだけ想定外のことが起こっていた。血栓が溶けて周辺の炎症が治まれば熱も下がるはずだったのだが、全く下がらない。連日のように39℃を超えた。様々な質問をされたが原因が全く見えてこない。医師もかなり困惑している様子だった。
そして入院から1週間後、より詳しい検査が必要と判断され転院がすることになった。どうやらこれまで現れていた症状は、ある病気に見られる特徴とよく合致しているらしかった。転院先はリウマチ内科だと言う。
ん?リウマチ内科?リウマチは聞いたことあるけど…、どんな病気だっけ?爺ちゃん婆ちゃんがなるやつじゃ…。
転院先の病院に着くなり、問診と採血を行った。そこそこの量の血を採ったからか目眩がした為横になりながら質問に答えていった。
途中医師たちの会話から、今疑われているらしい病名が漏れ聞こえてきた。
べー、ベーネいや違う、ベッチそれも違う。『ベーチェット』はっきりとそう聞こえた。
医師が席を外した間に少しググってみた。すると真っ先にこの言葉が出てきた。
指定難病
どうやらぼくは、難病のようだ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?