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今日のジャズ: 1月31日、1957年@シカゴ

Jan. 31, 1957 “Old Devil Moon”
by Anita O’Day, Oscar Peterson, Herb Ellis, Ray Brown & John Poole at Universal Recording, Chicago, IL for Verve (Anita Sings the Most)

英語版ウィキペディアにはロサンゼルス録音との記載があるが、参照情報源を見るとシカゴ録音との記述がある。発売当時の日本のレコードにはロサンゼルス録音との記載があるが、CDにはシカゴとある。どれを信じたら良いのか分からないが、複数要因からシカゴ録音と推測する。その理由は、当時最新鋭のマルチトラック録音等の機材を取り揃えて1955年に建設されたユニバーサルレコーディングスタジオがあり、オデイの出身地でもあるから。このスタジオは土地柄もあってブルース音楽のレコーディングに多用されたが、ミュージシャンの評判も良くジャズのレコーディングにも利用されたそう。

ピアノ、ギターとベースのオスカーピーターソントリオに、ドラムのジョンプールが加わり、アニタオデイをバックアップ。プールはオデイに長きに渡って音楽とビジネスパートナーとして連れ添った間柄で相性が良い。

元々流れの良い曲のテンポを更に速めるというボーカル息継ぎ泣かせのこの演奏では、冒頭からソロまでハーブエリスのスインギーなギターがフィーチャーされている。そのためか煌びやかなオスカーピーターソンのピアノは遠くで鳴っているような音量と録音で、プロデューサーがオデイを引き立てるために意図的に控え目に仕立てたかのように邪推したくなるほど。そう思うと、敢えてオスカーに耳を澄ましたくなるのがジャズの楽しみ方。脇役に回ってもオスカーのスイング力は遺憾無く発揮されている。が、オデイの歌の裏では、音量が下がったとしても少々騒がしいか。

しかしオデイも負けていない。前のめり的なテンポのオスカーのピアノの更に前を行ってリードを取る。滑舌の良い、にわかにしゃがれた声がオデイの特徴。 

オズの魔法使いのドロシー役で有名なジュディ・ガーランドを発掘した作曲家、バートンレーンによるブロードウェイミュージカル向けに手掛けられたスタンダード曲。

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