2021年に見た映画の話

すっかり2021年も終わりです。コロナによる公開延期が多かった去年と異なり、今年はガンガン大作映画が公開されました。映画館で映画を見るぞ〜と個人的に意気込んでいた一年だったこともあって、劇場で鑑賞した本数は27本。大体2週間に1本は見てた計算になります。アニメ映画系(アイの歌声を聴かせてとか)を見逃したり、ちょっと春に色々あったこともあってアカデミー賞取った系の映画を見逃したりしたので、そういうのもしっかり見ておけばよかったなーと思ってます。とはいえ、ここ5年くらいだと一番見てると思うのであり十分ですね。

 そんな中から見てて特に気に入った奴3つと、あんま気に入らねーってやつと、世間的には酷評だろうけど俺は好きだよ……って奴のご紹介です。ちなみに前もって言っておきますが、ワニの話はしません。個人的にはそこまで嫌いではないので。っていうか2021年後半に書いたまともなノートがワニくらいしかないのはちょっと悲しいので……。ワニの記事はこちら

特に気に入った奴

 テン・ゴーカイジャー

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 今年見た中で一番期待値を上回った作品です。後述するゼロワンのアレで期待値が下がってた、というのもあるのですが、そうしたことを抜きにしても個人的に今まで見てきた戦隊映画の中でもトップの一作だと思います。山田裕貴と市道真央(MAO)という、大出世を遂げたメンバー2人がガッツリ出てくれた、というのも勿論なのですが、何より脚本がかなり秀逸。各メンバーにしっかり見せ場を作りつつ、綺麗にどんでん返しも仕組んでおり、60分とは思えないほどに濃い一作でした。他の戦隊に変身可能という作品としての特色もしっかり生かして、ゴーカイ以降の船体にも返信してくれるし、アクションも派手。おまけに新フォームまで登場なので演出も文句なし。敵方のキャスティングなど、ニチアサファンがニヤニヤできる小ネタもしっかり仕組んでくれており、10周年Vシネとしてこれ以上無い出来だったと思います。エンディングのヒーローゲッターもバッチリ新録。
 最近のスーパー戦隊のクオリティの上昇を実感できる一作だったと思います。これからもがんばってほしい。

 Mr.ノーバディ

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 一見すると冴えないおじさんが実は最強だった、というハリウッドでよくある奴です。もはやお家芸ですね。
 この映画もまあその系列でぶっちゃけ新しいことがあるか〜つったら本当に特にないです。元秘密組織の一員だった主人公のおじさんがマフィア相手に無双して、昔の仲間の力を借りながら組織ごと叩き潰す、というよくあるものです。
 ただ、ジョン・ウィックと製作チームが同じ、というだけあって演出がよく、アクションシーンが程よくスタイリッシュ。そして主演のボブ・オデンカークがこの手の映画の主役を務めるメンツの中ではなんかすごくいい感じに冴えない(下画像参照)ので、大暴れシーンなどがかなりギャップがあります。そして、そうしたギャップがすごく気持ちがいい。

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 あと本作の見どころはなんと言ってもバチバチにアクションをするクリストファー・ロイド。もう80代のはずですが、元気にショットガンでマフィアを撃ち殺してくれています。いい感じにおじいちゃんなので、こっちもまあ映える。創作物によくいるつえージジイの王道を綺麗に行ってくれる感じです。
 いくらでも続編作れそうなんで、続きを作ってほしい一作ですね。ジョン・ウィックとのコラボも考えてる〜ってことらしいので期待して待っていたいところ。

 ザ・スーサイドスクワッド 

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 ヴィランチームの映画として俺の見たかったのはこういうのだよ〜って感じの映画でした。冒頭から人命軽視などという言葉では生ぬるい、人命の無駄遣いの嵐。まさか一作目からの続投メンバーで、原作でもそこそこ有名なヴィランであるキャプテン・ブーメランとかまであんなあっさり無駄遣いしてくるとは思わないじゃないですか〜って感じで、ガンガン人が死ぬ。もうこの時点で一作目ではできてなかったことをやってくれています。
 そんな感じな作品ながらも、要所要所ではアメコミ映画らしくしっかり胸熱な展開を見せてくれます。クライマックスの造反シーンとかはもうすごくいいですね。 
 吹き替えで見たのですが、吹き替え陣の演技も非常に良い。サイコ味のある大塚明夫やすんごい気持ち悪い宮野真守も良かったのですが、今作の吹き替えMVPはまあ悠木碧でしょう。ラットキャッチャー2のダウナー気味のかわいらしさを倍増させてくれる演技を魅せてくれていて、完璧なハマり役でした。あまり吹き替えのイメージはない声優でしたが、今作での演技は凄くよかったです。また似たような吹き替えをやってほしいところ。
 個人的な好みだけで話すなら2021年で一番の映画でしたね。悪役好きにはたまらない、いろんな魅力の詰まった一作でした。
  

ダメだったやつ

 『仮面ライダーゼロワン アザーズ』2作品

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 滅亡迅雷もバルカンヴァルキリーもどっちもダメだよ!って感じでした。なんていうかもう”蛇足”以外の言葉がないんですよね、これ。昨年公開の『REAL×TIME』が最近のライダー映画の中でもすごくよくできた作品(そっちの感想はここ)で、めちゃくちゃ綺麗に終わっていたので、それで完結でよかったと思うのですが、なんでこんなのつけちゃったかなあ。るろ剣の星霜編並に酷い続編で「とりあえずバッドエンドにしておけばええやろ〜」みたいなのが透けて見える。滅亡迅雷の方はまあシナリオに説得力がある程度あったからまあいいのですが、バルヴァルの方はシナリオもひどいし演出も酷い。バルキリーの新フォームとかもう完全に出てきただけ〜って感じで終わってしまったし
 ゼロワンの悪いとこだけ出てきてしまった映画〜って感じで『REAL×TIME』の対極って感じですね。なんとかうまいぐらいに小説で補完してくれればいいけど……

3 .『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』

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 悪い意味でめっちゃ春映画……って感じの映画でした。50周年記念作品だからってシナリオも春映画みたいにしなくていいよ!って声高に叫びたくなる。そんくらい春映画みたいなシナリオ。
 一応冬映画なのでセイバーとリバイスの映画なのですが、シナリオの主軸になるのはオリジナルライダーのセンチュリー。そこまではまあ良いのですが、何よりダメなのはセイバー陣営とリバイス陣営のシナリオにおける活躍度合いの差。リバイス陣営……の博士ポジションのキャラが事態を九割くらい解決してしまったので、セイバー陣営は本当に移動手段と先頭における頭数の確保くらいしか役に立ってません。そのくせ無駄に十人くらいいるせいで尺をめっちゃとって、作品全体のテンポが悪くなる。リバイス側の話はまあそこそこ濃いのですが、セイバー側は良くも悪くも全部終わっているせいで見事なまでにペラッペラ。濃度も薄く、本当に尺の無駄ですね。ライダーをクローンにしちゃうし、おまけに最後の新幹線のシーンでの相棒の移動シーンみたいなクソ雑合成。なんか褒めるところが少ないっすね。
 50周年記念作品の一発目がこれか〜って感じで、今後がめちゃくちゃ不安になる出来でした。流石にこれからのラインナップが強力すぎるんで失敗することはないと思うのですが……それにしてもなあ。最近ライダー全体が不調気味な感じがあるので、リバイスが好調なのをしっかり生かして作品を作ってほしいですね。東映がんばれ……!

全体として

 大作が多すぎて割と安パイばっかり見に行ったので、ハズレはほとんど引かなかった印象です。その分毎回危険かもなーと思って見に行くライダー映画がつまんなくてしっかり火傷した感じですね。来年は冒険心を持って映画を見たいところですが、出不精気味で近場の映画館以外に足を伸ばす気力が起きんのがなあ。そこもまあ課題でしょうか。久々にミニシアター系とかにも行ってみたいですね。そういうのの需要はネトフリとかで大体満たされてしまうのですが…… 


番外.『GIジョー 漆黒のスネークアイズ』

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 興行収入的にめっちゃコケてて、ぶっちゃけ見てもマジでそんなに面白くなかったのですが嫌いになれなかった枠です。全て間違っているエセ日本感と、映画版のアンブレラ社並みにガバガバセキュリティの忍者の里、なぜか純日本人キャストの中で一人だけ本人吹き替えじゃなくて子安が吹き替えをしたメインヴィランなどなどつっこんでもツッコミきれない設定が目白押しです。あまりにもエセ日本に作品全体が寄りすぎてて、エセ日本が好きな人間からすると実家のような安心感を得られるような作品ですが、それ以外の層には案の定めちゃくちゃ評判が悪く、興行収入は世界的に大失敗。新しいGIジョーユニバースを始める契機にしよう〜みたいな作品だったっぽいですけどそれもまあ頓挫したと見て間違い無いでしょう。キャスト陣が日本ロケを楽しんでくれただけ救いか……
 


 


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