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成長するために残業が多くても厳しい環境で働きたい言説について思うこと

面接をしていると、「成長するため若いうちは残業が多くても厳しい環境で働きたいです」と話す学生・若手社会人と出会うことがあります。

この言説について思うことがあり考えを整理してみました。残業が多い環境では成長しづらいこともありえそうだな、と。

厳しい環境に行くことは賛成

まずわたしのスタンスとして、成長するために厳しい環境に行くこと自体は賛成です。
ここでいう厳しいというのは、高い成果を求められるとか、若いうちから責任ある仕事を任せられるとかのことです。
こういった、多少背伸びが必要な環境のほうが成長しやすいというのは確かにあると思います。

残業が多い = 厳しい環境なのか

では、残業が多い = 厳しい環境なのでしょうか。わたしはこの部分に疑問符が浮かびます。
確かに高い成果を求められて、そのために残業が多い環境だと体力的には厳しい環境だと思います。一方でこの環境は、高い成果のために残業することが許されている環境とも言い換えることができます。

高い成果を求められるから残業が多くても仕方ない、という環境よりも、、高い成果を求められて、かつ残業することを良しとしない環境のほうがより厳しい環境だと思うのです。
高い成果は出す・長時間労働をしない。これからの時代は、この2つを両立させる働き方が求められているように思います。

そしてここからが本題なのですが、長時間労働することが個人の成長を妨げてしまう要因にもなりえると思っています。その理由を4つ紹介します。

長時間労働が成長を妨げる理由①:ふりかえりの時間がとれない

人が成長するためには仕事の経験を積むだけではダメで、経験を内省的考察し、抽象的概念化する必要があります。
(出典:コルブの経験学習モデル

内省的考察をするためには、意識的に時間とって自身の仕事のふりかえりをする必要があります。業務経験の浅いうちはふりかえりのために他者の力を借りることも大いにあるでしょう。

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コルブの経験学習サイクル
(出典:同時にやるシクミづくりとヒトづくり

長時間労働が常態化している労働環境では、目の前の仕事に追われてふりかえりの時間を十分にとれないことが予想されます。コルブの経験学習モデルでいう「具体的経験」だけを繰り返して内省を怠っていると成長がどこかで頭打ちになってしまう可能性があります。

長時間労働が成長を妨げる理由②:業務効率化の意識が薄くなる

どんな職種につくにしろ業務効率化のスキルは必要だと思うのですが、残業が多く目の前の仕事で手いっぱいの状況では業務効率化をする余裕すら生まれません(実体験)。

業務効率化をするためには、いまの業務の問題点を把握し・打ち手を考え・業務を変更したことによる悪影響が出ないかを観察しながら運用する手間が発生します。そう、業務効率化は業務にある程度余裕がないとできないのです。
長時間労働が常態化している状況では、「いま苦労して後々楽をする」という選択をとれずに、いつまで経っても業務効率化する経験ができないことがありえます。

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長時間労働が成長を妨げる理由③:学ぶ時間がとれなくなる

当たり前のことですが、長時間労働していると労働以外の時間が相対的に少なくなります。
そうすると本を読んだり、スキルを身につけたりという時間をとれなくなってしまい、知識やスキルの幅が限定されたり視野がせまくなってしまいます。

変化の激しい時代では、新しいこと・自分の知らないことを積極的にキャッチアップして学ぶ力はますます必要になると思います。長時間労働ではこの学ぶ力を鍛えづらくなってしまいます。

長時間労働が成長を妨げる理由④:将来のマネジメントスタイルが限定される

高い成果を出すために残業をいとわないマネジメントを受けていると、将来マネジャーになった際に同じマネジメントスタイルしかできなくなってしまう可能性が高いです。

高い成果を出すために長時間労働させるというのは、マネジメントスタイルとしてはある意味非常に楽です。労働時間を変数にして成果を出すというのはとても分かりやすいので。
一方で、メンバーに残業させずに高い成果を出すためのマネジメントは非常に難易度が高いです。労働時間という制約の中でどの変数を動かせば成果が出るか?に頭を使う必要があります。

長時間労働を前提にしたマネジメントしか受けていないと、いざ後者のマネジメントをしようとしてもどうすればいいのかまったく見当がつかない、ということになりかねません。

なお、ここまで記載の内容はすべて法律の範囲内で残業が多い環境の話です。労働基準法を破るほど残業が多い環境は、成長しやすい・しにくい以前の問題として、あなたの健康を損ねる可能性が高いので進路選択は慎重にしましょう。成長できるか?の観点で見ても、法律を守ることもできない組織に所属してまともな成長ができるとは思えません。

さいごに:成長するには量が必要なのは確か

…と、ここまで残業が多い環境下では成長がしづらい理由を書いてきました。
最後に少し補足すると、「成長するためには圧倒的な量が必要」だと思っています。量より質が大事とか、プライベートが大事ということが言いたいわけではありません。ただ、その「量」をすべて勤務時間でこなすよう強いる環境では成長しづらいと思っているだけです。

短い時間で高い成果を求められる環境で働き、業務時間外にも学んだり調べたり仕事のことを考えたりできる人がぐんぐん成長できるというのがわたしの言いたかったことです。

以上です、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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フィードフォース人事部の中のひとです。 漫画とゲームと人事制度と大学のキャンパスが好きです。お気に入りのキャンパスは北海道大学。 note では人事・組織・漫画のことを中心に書きます。

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