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読み手に優しい職務経歴書の書き方

転職する際に必ず必要になる職務経歴書。多くの人が書き方に悩んでいるようです。せっかく書くなら適切に自分のことをアピールできるものを書きたいですよね。
ということで、書類選考をする人事の立場からみた職務経歴書の書き方をまとめました。

良い職務経歴書は読み手が「判断できる」

わたしは、人事としてたくさんの書類選考を行っています。
お送りいただいた職務経歴書を読んで自社にマッチする可能性があるかどうかを判断し合否を決めるのですが…かなりの高確率で、「自社にマッチするか判断できない」職務経歴書に出会います。「自社に合わない」ではなく「判断できない」のです。

読み手である書類選考担当者のことを考えられた内容になってない場合、「判断できない」職務経歴書になってしまいます。
下記のツイートのとおり、「合わない」と判断されて不合格になるのは仕方ありませんが、「判断できない」が理由で不合格になってしまうことは避けたいですよね。

というわけでこの note では、読み手が判断できる職務経歴書の書き方についてまとめます。

職務経歴書の目的は読み手が「自社に合うかを正しく判断してもらう」こと

まず、職務経歴書の目的を再確認です。職務経歴書の目的は、読み手(=書類選考担当者)が「自社に合うかどうかを正しく判断してもらう」ことです。

「正しく判断」というのがポイントで、求められる要件に不足している場合は正しく不合格と判定されることも目的に入っています。無理に実際よりよく見せる必要はありません。

目的を再確認できたところで、書くためのポイントを紹介します。

読み手はあなたじゃない

まず、いちばん大事で意外と忘れがちなポイント。
読み手はあなたではありません。あなたにとって意味が通じる言葉や表現も他の人にとっては通じません。
「自分ではない誰かが読む」ことを常に念頭に置きましょう。

例えば下記のように、固有名詞を説明もなく使ってしまってませんか?固有名詞を使う際にはそれが何か一言説明を加えましょう。

例)固有名詞を説明なく使う
× 「work plus」の編集長を務めました。
○ 自社採用広報メディア「work plus」の編集長を務めました。

数値に意味づけと補助線を引く

よくある職務経歴書の書き方マニュアルをみると、「できるだけ数値を入れましょう」と書かれています。確かに、数値があったほうが実績が分かりやすくなり「判断しやすい」職務経歴書になりやすいでしょう。

ただ、単に数値結果だけ羅列されてもその数値にどんな意味があるかを読み手は分かりません。前述の「読み手はあなたじゃない」を忘れずに、数値に意味づけをしてあげましょう。

例えばよくある下記のような記述。

例)数値の単なる羅列
× 2020年売上 ●●万円 予算達成率120%

この数値がどれくらいすごいものなのか、あなたではない読み手には分かりません。同じ数値でも、平均達成率が150%の職場であれば平均以下の成績ですし、ほとんど達成者がでない職場であればトップクラスの成績かもしれません。

上記のような記載をするのであれば、例えば「部内20人中3位の売上額で、予算達成できたのは5人のみでした」などの相対的な数値を併記して、数値に意味づけしてあげると読み手が判断しやすくなります。

売上数値の羅列に似たパターンで、社内表彰歴が羅列されているケースもよくみます。こちらも、その表彰がどのくらいすごいものなのかを読み手が判断できる情報を併記すると親切です。実績や数値を解釈しやすくするために補助線を引くイメージです。

例)表彰歴の羅列
× 2020年 社長賞を受賞
○ 2020年 ●●が評価されて、1年間で特に活躍した3名が選ばれる社長賞を受賞

「活躍できる根拠」を詳細に記載する

職務経歴書の目的は、読み手が「自社に合うかを正しく判断してもらう」ことだと述べました。「自社に合うか」は「自社で活躍できるか」とも言えます。

書き手の視点で言い換えれば、「こういう経験があるので御社で活躍できますよ」と言うために業務経験を書いているはずです。

それなのに、単に経験を羅列しているケースがよくみられます。

例)業務経験の羅列
× 3年間、新卒採用業務を経験。会社説明会の司会・面接官を担当。

上記の例では、新卒採用活動の経験があることはよく分かります。同じ職種で転職活動していたと仮定すると、「新卒採用活動の経験があるから新卒採用活動の仕事ができます」と言ってるわけですね。

「新卒採用活動の経験さえあればOK。他は何も求めない」という条件の会社であればこの記載内容で十分でしょうが、多くの場合そうではありません。
単なる経験の有無だけではなく、その業務をどのくらいできる方なのか?を知りたいはずです。

Aさん「マニュアル通りに説明会と面接を担当した」
Bさん「マニュアルの作成から行った」
Cさん「選考フローの課題を特定し解決した」

新卒採用活動の経験ありと一言で言っても、Aさん・Bさん・Cさんでは実力が全く異なります。

「こういう経験があるから御社で活躍できます」の根拠を明確に示せるよう、主要業務の経験と実績は詳細に記載しましょう。

おまけ:職務経歴書は詳しく書きすぎないほうがいい?

誰が言ったか、「職務経歴書はじっくり読まれないから詳しく書きすぎないほうがいい」という言説があるようです。
少し前のアンケートですが、下記の記事によると6割の採用担当者が「斜め読みする」と回答しているそうです。確かにじっくりは読まれていないようですね。

しかし、このデータを見て「斜め読みされるから詳しく書いても読まれない」と判断するのは間違いです。正しくは、「職務経歴書に記載されているもののうち合否に関わる部分は少ないのでそれ以外は斜め読みしている」のはずです。

そうだとすると、合否に関わる部分=上述した「活躍できる根拠」はむしろ詳細に書くべきです。「長いほうが良い / 悪い」という単純な言説に惑わされず、読み手が合否を判断できる材料をしっかり記載しましょう。

以上が、読み手に優しい職務経歴書を書くポイントでした。最後までお読みいただきありがとうございます。

【読み手に優しい職務経歴書の書き方まとめ】
・職務経歴書の目的は、「読み手が正しく判断できる」こと
・読み手はあなたじゃない
・数値に意味づけと補助線を引く
・「活躍できる根拠」を詳細に記載する

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