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今までたくさんヒロインを巡る三角関係を見てきましたが、推しが選べないのははじめてです。〜星降る王国のニナ〜

表題の通りです!
ヒロインを巡る三角関係は片方が明確なヒーローなのが王道だと思っていましたがわたしの中の常識が覆りました。
読者サイドのわたしとしても推しが選べないし、個人的にどちらと結ばれてもストーリーとして面白いと思ってしまいます。

なるべくネタバレにならない様に書きましたが、つい熱がこもってしまってストーリーに触れている部分が多々あります。。。

あらすじ

とある王国フォルトナからはじまる物語です。
孤児であるニナは同じく親を亡くした兄弟と暮らしていました。
ニナの瞳はその国には珍しい深い青色。人買いに見つからないように顔を前髪で隠して男の子のフリをして暮らしていました。
ある日、もともと病弱であった兄弟の弟の方が亡くなります。
そのすぐ後、兄の方に連れられてとある小屋に入ると人買いと思われる大人達に捕まってしまいます。ニナは売られたのでした。
しかし人買いと思われた人物はこの王国の第二王子アズールであり、ニナを不慮の事故で亡くなった王女の身代わりにしようとします。
唯一の家族に裏切られたニナは自分を必要だと言うアズールの手を取り。。。

ニナが亡くなった王女の代わりに据えられた背景には、大国ガルガダとの国交が絡んでいます。
大国ガルガダはフォルトナを手に入れようと動いています。そのためフォルトナに無理難題を押し付け攻め入るスキを作ろうと、巫女であるアリシャを第一王子に嫁がせるように要求しました。つまり王女アリシャがこの駆け引きのキーパーソンです。

第二王子のアズールと、ストーリーが進んだ頃に現れる大国ガルガダの第一王子セトがニナを巡って争う構図です。

アズールとセト〜ふたりの王子様〜

もちろん、どちらもお顔が美しいです。
性格は少々正反対かしら。

アズールは第二王子としての役割を完璧なまでに全うしていました。
第一王子は幼く凡庸なので、優秀なアズールは序列を覆すこともできるはず。王女アリシャの代わりにニナを据えたのもそのためかと思っていましたが、アズールには全くその気はありませんでした。

さらにアズールを排そうとする動きもありますが、アズールはそれを探ろうともしません。
何も欲さず、ただ第二王子として必要とされなくなるまでは精一杯役割を果たそうという風です。

ニナを王女の代わりに据えたのも、国を守るためであり私欲はありません。そんな欲のないアズールが初めて欲しいと思ったのがニナです。
自分のことを人形(コマ)だと思っていたアズールは、自分のことを第二王子(役割)としてではなくただひとりの個として慕うニナの存在によって変わっていきます。
そして、名前を奪われ存在を消され自由を奪われても変わらないニナの心の自由さや強さにふれ、自分の正直な気持ちとも向き合いはじめます。
大切なニナを守るために、大国ガルガダへの嫁入りを阻止するべくアズールは動き始めます。(いつも無表情だからたまに出る笑顔の破壊力たるや)

一方、大国ガルガダの王子セトは第一王子として周辺国の制圧に力を注いでいました。
属国、周辺国の姫を妃候補として招くものの彼女達を妃にするつもりは毛頭ありません。姫たちがセトの無礼で粗雑な扱いに我慢できず逆らった時点で彼女たちを祖国ごと潰していきます。
フォルトナもまた大国ガルガダが手に入れたい国のひとつであり、ニナに嫁入りさせるのも関係の均衡を崩し侵略するのが目的です。

セトのそんな振る舞いにも屈さず、ニナは妃になりフォルトナを救うべくセトに近づこうとします。ニナは傷つけられながらも持ち前の前向きな姿勢でセトに接していきます。そこでセトは孤独なのではと気づき助けたいと考えます。セトもニナと過ごすうちに孤独ではないことの温かさ、居心地の良さに気づいていきます。(セト、顔ちっちゃい。めっちゃいい身体)

二人の王子にとってのニナの存在

アズールもセトも、立場は違いますが自分の運命に流されて生きています。作中によく出てきますが「星のもと」です。"王族なのに"とも思いますが"王族だから"逃れられないこともあるのでしょうね。

そういう星のもとに生まれた。そういう運命だった。

しかしニナはそういった運命のような考え方が嫌いです。運命は変えられるかもしれない。
何もせず諦めるのは違う。自分の道は自分で選ぶもの。
ニナはそれをアズールにもセトにも誠実な態度と拙い言葉でそれを精一杯伝えようとし、しっかりとふたりの心に届いていきます。

才能も実力もあるふたりの王子。そこに心が入ったとき、ニナとの関係は、また大国ガルガダとフォルトナがどういう運命を辿っていくのでしょうか。。。

おわりに

なんやかんや言いましたが、わたしを含め皆さん一番気になっているのって、どのあたりまでストーリーが進んだところで冒頭のシーンがくるかではないですか?

ニナが偽アリシャ姫だとバレて断罪されそうになってますよね?

わたしの予想
①アリシャ姫が実は生きていて見つかったため↑死体がでてきませんでしたもんね。わたしは死体が出てこないのは生きてるフラグだと思っています
②ニナを自国に連れ帰るためにアズールが仕組んだ策
↑なんてロマンチック////
③まさかのアズールに切り捨てられたパターン↑言葉にしたくもない最悪のパターン

なんのパターンにせよ、セトがニナを手放す事態になっているのもなかなか不安な展開です。。。
なんにせよ6月発売の5巻が待ち遠しい…!

次回、わたしの少女マンガの三角関係における一考察とかしてみようかしら。笑

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