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📕25 逃げ出すことの勇気

逃げ出さなかった君へ

著者
安藤祐介

1977年福岡県生まれ。
主な著書『不惑のスクラム』『被取締役新入社員』『本のエンドロール』など

読了日
8/8

📕内容📕

命と仕事の6つの物語。
全ての物語は8年前のある夏の日から始まっている。


○要点1

深夜や早朝に飛び込み営業させたり、罵詈雑言を浴びせられたり、GPS付き携帯電話を持たせ、居場所や行動を常にチェックしたりするブラック企業に入社した同期3人は、ある夏の夜、その思い立って居酒屋に行く。が、その日以降3人が一緒に食事を共にすることは二度となかった。


○要点2

元々は居酒屋の店長だったが、退職し、現在は区画整理の調査請負会社のアルバイトをしている。ある日アルバイト中に、下半身露出男に絡まれる。そんな男に一方的に罵倒される中、8年前の、あの夏の夜を思い出していた。


○要点3

38年間勤めた会社を定年退職。退職祝いとしてお世話になった人々が送別会を開いてくれている中、若手社員が挨拶に来て、彼らに8年前に亡くなった息子の面影を重ねる。


○要点4

ある企業の交通安全講話会の派遣講師を務める警察署交通課の警察官脇見。従業員に交通事故がいかに危険で悲惨なものかを指導する。勤務を終えた後、同期入庁の本橋と会い、そこで8年前の夏の日のことを思い出していた。


○要点5

高校の先生である有村は自分の過去を知っている人物に恐喝をうける。誰にも知られたくない過去、道を踏み外した高校時代。
しかし、8年前のある夏の日を境に今までの過ちを止め、生まれ変わることを決意した。


○要点6

座右の銘は「面従腹背」派遣社員のぼくは、反抗したり争ったりしない。しかし、たまたま派遣された会社では上司が部下を飴と鞭をうまく使い、マインドコントロールしている職場だった。ここで見て見ぬふりをしてとおりすぎてしまったら、8年前と同じ過ちを繰り返すことになると思ったぼくは、勇気を振り絞り行動に出る。




🍀言葉🍀

履歴書に一年ないし3年の経歴を刻むためだけに留まり続けるには、あまりにも過酷な状況。
「逃げ出す」ことに対する漠然とした罪悪感や恐怖感によって、もっとも自分に正直な選択肢から目を背けていた。


悪者は決していなくならない。1人を捕まえたら、喜ぶ間もなく次の一人を捕まえに行く。絶対にいなくはならないけど、一人でも減らすために戦うんだ。


1つの会社で身につけたスキルとやらは、その会社のルールの中でしか通用しないものが多い。一歩会社を出ればほとんど役に立たない。


💫1%のかけら💫

今の環境がきつい、環境を変えたいと思っている社会人には是非読んでほしい一冊である。




「石の上にも三年」ということわざがある。
辛抱していればやがては成功するという意味だが、果たしてそうだろうか。


自分に合う仕事ならいいかもしれない。しかし、自分に合わない仕事を三年もするだけなら、時間の無駄かもしれない。早めに見切りをつけて、他の道を探すことができるはず。


自分が選んだ道だからといって、自分に合わないことをやり続けるのではなく、辞める=逃げ出すことも時には必要なのではないか。

狭苦しい生き地獄だけが世界の全てになっていた。


花や草木に罵声を浴びせ続けると、萎れたり枯れたりするという。


それは人間も同じではないか。



罵詈雑言を浴びると、メンタルがやられ、正常な判断ができなくなってしまう。



花や草木に水をやって成長させるように、人間にもいい言葉を浴びせてあげたいと思う。

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