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サラワク屋台事情 01/05ラクサ/コロミー/経済飯 


洒落たカフェで昼食は取れません。間違っても、屋台です。
その日は、少し雲がかかった青空の日でした。そろそろ午前中の仕事も片付いたかなと言う時間帯に、突然A君の気まぐれで、今日は、皆でベジタリアンのレストランへ行こうという事になり、その時居合せた私とJ君とA君の3人で、A君のメルセデス(気分だけ)でレストランへ行きました。そのお店は、冷房が効いたカフェ風のレストランで、ベジタリアンのレストランのくせに、一番美味しいのがロティ・チャナイ(薄焼きパン/インド料理)だったのが不思議でしたが、たらふく食べた後、更に、A君の気まぐれは留まる事を知らず、「食べ過ぎたから、午後眠くなるといけないから、美味しいコーヒーを飲みに行こう」という理論で、美味しいと言われる珈琲屋に移動しました。私は心の中で、「お昼休みは、とっくに過ぎている。これで、さらにコーヒーなんか飲んだら、超優雅な有閑マダムの昼食だよ。午後の仕事が大変だ」と思いながら、珈琲屋についていきました。さすが、A君の御用達の珈琲屋とあって、うちっぱなしの壁に、木目調のカウンター、壁には「わけのわからない絵画」、超座り心地の悪い幾何学的な椅子とテーブルで、いわゆる、ハイソな洒落た感じの珈琲屋でした。一瞬、クチンの一般庶民の生活に200%慣れすぎた私と、クチンの一般人の生活に95%迄感化されつつあるJ君の2人は一瞬腰が引けましたが、天晴れA君は、いつもの調子で店の中に突入して行きました。



メニューを頼んで、冷静になった2人は、頼んだものを待っている間、周りを気にするようになりました。どうも、お隣のテーブルは10名位のIT関係の人の様で、ここクチンでは到底見かけることの無い様な、クチンでは少数派にあたるネクタイやスーツを着た人々で、「こんな人はこういう所にいるんだな」と内心思っていると、J君が「IT関係の人は、こういう所でお昼ご飯ですよ。我々とは違いますね。我々は、いつもトンプソンズ・コーナーですからね」と呟いた。ここで私もふと我に帰り、「そうだよ。こんな所でお茶を飲むなんて、我々の主義に反する。とっととお茶飲んで会社に戻ろう」とA君には聞こえない様に小声でJ君に伝えました。ウェイターが運んできた珈琲は、1杯分の紅茶用のガラス容器に入った珈琲とコーヒー・カップで、容器の中の色が珈琲ぽく無いので、A君がこれは紅茶だよと呟いた瞬間、容器中央に鉄の棒が出ていたので、きっとこれを押すのかなと、とっとと帰りたかった私は、強引に押しました。そうすると、色が珈琲色に変わって、珈琲らしくなりました。「お~~、すごい」といったA君を見て、「A君、実は、ここにいつも来てないんじゃないの~~」と不安になった私とJ君でした。

 そうです。クチンをこよなく愛する者として、断固として、こんな洒落た店は、お勧め致しません。こういうお店でお茶を飲むのであれば、ブキット・ビンタン(KL)でも、オーチャード通り(SIN)でも、六本木でも、道頓堀でも、中州でも、恵比寿でも、どこでも出来ます。座り心地は悪いは、値段は高いは(トンプソンズ・コーナーに比べると約5倍の値段)、格好は良くても、珈琲のコクと味と香りは、あまり変わらないのです。やはり、トンプソンズ・コーナーです。

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