贈り物 夢 日記

自殺したい。死にたい気持ちが止まらなくなって、耐えられない。なんでこんなにも苦しいのだろう。
ご飯は、食べれば食べるほどお腹がいっぱいになって、苦しい。体が重くなる。呼吸ができなくなる。

自分に物を与えることが苦手だ。他者に物をあげることが苦手だ。与えすぎたり、足りなさすぎたりする。ちょうどいい物量が分からない。普通の値が分からない。
いつも私の身の回りの物は、物が溢れているか、物が枯渇している。部屋はいつまでも物に溢れて汚れている。足の踏み場がない。机も使えない。
お金はいつでもない。貯めたらその分すぐに使ってしまう。ちまちまと、一日に2回も1000円札を引き落とす。

クッキー屋さんでクッキーをたくさん買った。毎日いくわけじゃないけれど、好きなお店だから、潰れてほしくなくて買いに行った。たくさん買ったクッキーは母親と父親に分けるつもりだ。
母親はあまり手作り感のある商品が好きではないのかもしれないなと、母親が選んだクッキーの包装を見て思った。たくさん買ったのに、母親が選んだのはひとつだけだった。レモンパイのクッキー、お店で選んだ時は、父親が好きそうだから、父親に渡そうと思って買ったやつだった。母親もパイ生地が好きなのか、いや、レモンが好きなのか、包装紙が綺麗なレモン色で、手作り感が少なかったからか、食べやすそうだからか、なぜそのクッキーを選んだのかは私には分からなかった。

たまに嫌な夢を見る。私の中での嫌な夢は、いつもだいたい同じだ。私は母親の怒って暴れる声と音を聞いて、急いで押し入れの中に隠れて、戸を閉める。押し入れのふすまが母親に開けられないように、一生懸命両手に力を込めて抑える。そして『助けてー!!!』って声を上げたところで目が覚めるのだ。
これは子供のころからずっと、恐らく度々現実に起きていた出来事だ。
母親が私の部屋に入ってきて、部屋の中をぐちゃぐちゃに荒らす。タンスはいつも倒れていた。
私が部屋にいないとわかると、戸の閉じた押し入れの扉をガンガンとたたく。私は必至に扉を抑えていた。

この出来事をたまに夢に見るのだ。嫌な夢は毎回これだ。なぜこの出来事だけ夢にでるのか分からない。実際の記憶が曖昧になっているせいで、本当に遭ったのかすらもよく分からない。

この夢を見た日、夢の中で私は母親に『私はあなたの親友じゃない!あなたは私の母親なんだよ!』と叫んでいた。私は私の中で、私の存在が母親にとって親友のように近しくなってしまっているのかと、この夢を嫌悪した。だからこの夢を見たとき、ずっとこの家にいてはだめだ、母親から離れなければ、という焦燥感でいっぱいになって、でもそれができない自分の無力さと自分の肉親を悪者のように扱う夢の中の自分にひどい罪悪感を覚えて、気分が悪くなった。

やさしいひとはたくさんいる。人のやさしさに触れるたびに、やさしさが自分に向けられる度に、その期待に応えられない自分が歯がゆくて、苦しくなる。やさしいひとはすごい。私は他者にやさしい言葉もかけられず、贈り物も与えすぎたり足りなさすぎたりして、うまくできない。私は優秀じゃない。やさしいひとじゃない。言葉が上手に使えない。だから人と関わることが怖い。私は無神経で自分勝手な考えで贈り物をして、自分勝手に言葉を使っている。

私は私のやさしさに自信が持てなくなった。他者から『優しい人だね』と言われないと、自分のことが分からなかった。過剰な贈り物も、過剰に遠慮した言葉も、すべて見栄と嫌われることへの恐怖からだ。

強く生きられるようになりたい。


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