感想

幸せになりたい訳ではなく、楽になりたいだけなのを分かってない。
自分の目では人間の足元だけしか見えない。だからみんな敵みたいに見える。顔さえ見なければ、何にも知らずに済む。人の顔が見れない。目を合わせられない。何も知りたくないから見たくない。相手の人間のことも、幸せも、苦しみも、痛みも何にも見たくない。
自分の視野で自分の顔を見ることはできない。足元しか見えない。
自分の視界から見える、足元だけの他者がみな敵なのは、自分のことを自分で敵だと思っているのかもしれない。自分の目では足元しか見えないから。顔まで見えたら、自分を知ることが、幸せを知ることが、痛みを知ることが怖いから見えないのではないだろうか。

私を中心に世界が回っている訳では無い。私は大多数の他者のうちの一人で、大多数の人間のうちの一人として存在しているだけである。
わたしは誰かにとって他者で、わたしにとっての他者はわたし以外全ての人間のことを指す。
私を中心に世界は回っていない。私は社会を構成するほんの一部分にしか過ぎない。ごまつぶみたいなサイズ。
私はごまつぶなんだから、私一人に影響力なんか微塵もない。だから好きに生きなさいって?

幸せになりたいわけじゃない。楽になりたい。救われたいだけなのに、許されたいだけなのに。
私は私の存在によって、他者に影響を与えてしまうことが怖い。
私が花を詰めば、花は枯れる。私が犬猫を触れば、その行動によって犬猫に嫌な思いをさせるかもしれない。私は動物に詳しくない。
だから生きてるものは全部怖かった。だから嫌い。自分の好き勝手な行動で傷つけて、そして他者の身勝手な行動で、私は傷つく。
加害者になることは怖いことだ。傷つけたくない。なのにどうしようもなく相手の言動にイライラして、傷つける言葉を吐いてしまいたくなる。人を傷つければ傷つけるほど、自分が傷つく。


何の痛みも感じられなくなることは怖いことだ。
幸福になってどうするんだ?痛みを忘れることが怖い。私は優しい人間でいられるのだろうか。優しい人になれたらいいのに。

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