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週末英文法 【名詞構文】 Aug.25.2024

ここのところ名詞構文が関係する英文が連続したので、名詞構文を確認しておきましょう。かなり前に取り上げましたが、過去記事を修正して再掲します。

さて、次の英文を見てください。

(ex1-1) I couldn't go on to the university because my father died suddenly.
 (父が突然亡くなったので、僕は大学へ進学できなかった。)

僕たち日本人から見てもなんの問題もない素直な文に思えます。英文としても全く正しい英文です。しかし、英語は名詞を中心として因果関係的に述べる傾向がある言語です。よって、以下のような発想が生まれます。

<英文の傾向>
 ①内容を因果関係的構成にしたい。
 ②なるべく接続詞を使わないで単文で構成したい。
 ③そのために「動詞」や「be動詞 + 形容詞」を名詞化する。
 ④結果として無生物を主語とした文になりやすい。

上記の傾向を反映したのが名詞構文です。さきほどの(ex1-1)から具体的に手順化していきましょう。
まず、従属節の名詞化を目指します。

①従属節の動詞を名詞化する。
②文の主語は所有格にするか、ofを用いて前置詞句にする。
③動詞を修飾していた副詞は形容詞にする。

すると、従属節は"my father's sudden death"または"the sudden death of my father"となります。(このとき用いるofを『主格のof』と言います。)このようにして完成した名詞句を名詞構文と言います。

この名詞を文の主語にした文を作りますが、このときに少し動詞の知識が必要になります。

④名詞句にした従属節(名詞構文)を文の主語にする。
⑤主節の主語は目的語になる。
⑥適切な動詞を考える(無生物主語構文になる)。

するとこのような英文が出来上がります。

(ex1-2) My father's sudden death prevented me from going on to the university.

これで従属接続詞を用いた文(複文と言います)が単文化しました!
直訳すると「私の父の突然の死が、私が大学へ進学することを妨げた。」となりますね。しかし直訳ではなくて、(ex1-1)の英文をイメージして訳す、つまり主語を従属節として訳すことが求められます。

あとは練習あるのみです。いくつか例文を見てみましょう。

(ex2-1) If you know this fact, you will understand many other things.
  (この事実を知れば、他の多くのことも分かるだろう。)

従属節の動詞が目的語を取っている場合はofを用いて前置詞句にします。このofを『目的格のof』と言います。

(ex2-2) The knowledge of this fact will enable you to understand many other things.

完成しましたね。もう少し見ていきましょう。

(ex3-1) As she is able to speak German, she got a new job.
  (彼女はドイツ語を話すことができるので、新しい仕事を得た。)

従属節の動詞が"be動詞 + 形容詞"のときは形容詞を名詞化します。従えている不定詞句は形容詞的用法の不定詞句としてそのまま名詞を修飾します。

(ex3-2) Her ability to speak German made her get a new job.

完成です。名詞構文の「雰囲気」が分かったでしょうか?あとは多くの英文に触れてパターンを理解していくことです。もう少しだけ例を挙げておきましょう。

(ex4-1) As she called me, I didn't have to visit her.
  $${\downarrow}$$
(ex4-2) Her call saved me the trouble of my visiting her.
  (彼女が僕に電話してくれたので、僕が彼女を訪問する必要がなかった。)

(ex5-1) We were disappointed that our teacher objected to our idea.
  $${\downarrow}$$
(ex5-2) We were disappointed in our teacher's objection to our idea.
  (先生が僕たちの考えに反対したのでがっかりした。)

入試において「名詞構文を作りなさい」という問題はもちろん出題されません。しかし、名詞構文を含んだ英文の和訳は超頻出事項です。そのときに直訳ではまずいので、名詞構文を読み解いて訳す技術が不可欠です。

本日は以上です。関連事項として『無生物主語構文』と『ofの4格』がありますので、またの機会に取り上げることにします。

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