「歴史とは何か」を読む3 ー歴史家も歴史を作る多くの人々の行列の中の一人に過ぎないー

「第2講社会と個人の関係」の途中から。ゆっくり読んでます。(315字)

歴史家は全体を見渡す鷲のような存在ではなく、人々の歴史を作る行列の中の一人にすぎない。その行列の進み方や角度によって歴史に対する距離も見方も変わる。

グロート「アテネの歴史」はアテネの民主制に、当時の上り調子のイギリス中産階級の願望が反映されている。

モムゼン「ローマの歴史」には1848からの革命の混乱と挫折の経験から「政治の希望を実現する一人の強い男が必要だ」と言う問題意識がカエサルの理想化に反映されている。

そのように歴史は描かれざるをえない。

つまり逆に言えば歴史家とは自分の置かれた今日の状況から逃れて歴史を著述することはできないし、そうするべきでもないということか。

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