平成は遠くになりにけり

森田靖也(旧表記:オマル マン)氏との対談、第72回目。

K「森田さん、こんにちは。文化の問題で。前回語った「メディア有名人」の現在的状況(末路)の一端としての、私から例に挙げた朝倉未来。その司会・進行する「ブレイキングダウン」のオーディション動画への、シバターの見方が出ています。「YouTubeで見たことのないバズり方(300万再生越え)」。朝倉自身に対し、「再生数や数字に魂を売っている感じ。狂っている感じ」。出場希望者に対しても「ただ有名になりたい奴らが蠢いている感じ」がひたすら気持ち悪いと。これは私が前から言っていることそのままですが、一応シバターの意見はYouTubeの本質へのメタ的批評になっていますね。」

Breaking Downのヤラセについて全て話します 
https://www.youtube.com/watch?v=obFWP-ksRQw

「私は、現代アートから(特にコロナ禍後の)YouTubeへの、その文化的本質の移行について語っていますが、「有名になりたい奴」は端的に気持ちがわるいという根底的批評、これは私の美術家としての表現の原点でもある。現代アート界隈は、ほぼ全員がこの病に罹っている。近代の動員主義ですね。彦坂尚嘉も、会田誠も。学芸員も同様ですね。「反米」とか「反資本主義」の問題ではない。「〇〇は有名人」と、欲望を募らせて誰彼ともなく語っていた、会田誠は美術家になった当初から。仲間の小沢剛らとともに、その同質性。曰く、「多様性」の主張」。「反資本主義」や「反体制」を売りにしているが。」

M「加藤さん、こんにちは。この問題、あまりにも自明だけど、当たり前すぎる性質上、誰もまともに話さないことですね。」

K「話を逸らしているんですよ。「反米」や「反資本主義」に。そうしてクラスタ化。批評性は無い。精神医学でいう「防衛」ですね。」

M「本人たちも、じつは「話をそらしたい」ような、みっともない事情も含まれている。人気も嘘だから。」

K「「ファンも本人も、それがしたいだけで。「嘘」の共同体。」

M「どんなにアナーキー気取りでも、実態は、共同体の中の、サラリーマンなんですよね。影の権力者がいて。いくら、髪ぼさぼさで、トレーラーとかきてても。そういう演出はブラフで。」

K「それ以外ないでしょう。サラリーマン。影の心理的体制の権力者は父親(左翼)、母親(フェミニスト)、ギャラリスト(元全共闘)等。」

M「コアなファンも薄々勘付いている、という点も救いがたい。もう、政治家とか相撲取りとかの、地元の支持体のアレですよね。まったく同質の。」

K「そのようなみすぼらしいルックスも、「防衛」。本質から目を逸らすための。「デザイン」ですね。ライフスタイル全てが。」

M「当然、隣接業界人も鼻が利くから、そのような「在り方」なんだな、というウラがとれて、 はじめて応援しはじめる、という連鎖システム。「ホッ」とさせる要素がないと、この国では決して「有名人」にはなれない。でもその「ホッ」が、まったくもってズブズブの政治なので。「みっともない」。でも、どっちみち、大半の「アホな子たち」は、どうでもよくて。誰かを神輿に担いで。騒ぎたいだけですからね。」

K「「有名人」って死語、既に遺物でしょう。近代の。」

M「完全に、遺物になりましたね。とくに、決定的になったのがここ数年。「プロデュース」とか(笑)。」

K「既に意識革命は起こっている。朝倉未来とヒカルプロデュースの「ミライエ(Non Title)」も、過去の遺物のゾンビ的・再生産だと。」

「彦坂尚嘉がSNSで森田氏を「ゾンビ」(考えうる最下層)と格付けたそうですが、彦坂尚嘉の欲望の発露が、ゾンビそのものでしょう、一貫して。ゾンビの顔をしているでしょう、その弟子の糸崎公朗も、モロに。そんなこと、人の顔を見て分からないというのは、本当の美術家ではないですよ。」

M「「ピラミッド構造」の上にある書斎にどっかり座って、ちょこちょこと格付けをしている、という。そういう形。彦坂、会田誠、カイカイキキ。いずれにせよ、駄目ですね。「唯格論」。古い。」

K「自閉的振る舞いだと思いますよ、氏が全共闘時代に、同級生が対象を「○×」で判定して自分のメモに記していたのがいたと語っていますが、氏そのものがそれだと。」

M「似たような意味で、東浩紀も危ない。シラス、言論統制をしてきているし。締め付け。」

K「カジュアル化された「ブロック」行動ですね。」

M「そう。ブロックがカジュアルすぎる。まわりも、(おそらく東本人の弁では、表現しきれてないくらい)東を恐れている。」

K「朝倉未来も、批評者・シバターを、心理的に「ブロック」。」

M「「格付け」とか「墨入れ」とか。ブロックとか。こういうことを長が白昼堂々をやりはじめると、危ない。」

K「長でもないでしょう。何者でも。誰も。」

M「私もそう思います。」

K「それがカオスというものでしょう。」

M「そういう意見を表明できない界隈があると。」

K「現実ですよ。」

M「そうですね。その通りです。」

K「誰も長などではない。」

M「そうですね。そして、本来はそれがネットですね。」

K「例えば茂木健一郎氏が、脳科学界の長なのでしょうか。違う。同様に内海健氏が、木村敏氏を継ぐ精神医学界の長なのかというと、全く。」

M「誹謗中傷の「厳罰化」みたいな話になっているが、 この方向性は、誰に益するのか?  仮にそれが「権力者」だったとすれば、滅入るような話ですね。」

K「長っていうのは、「近代」を根治できない病人が、縋る対症療法の一にすぎない。」

M「一方で、「長」みたいなムードを貴ぶ、というフェチズムは、確かにある気がしている。例えば、歌舞伎。あと将棋とか。相撲も。この国の文化、みたいな文脈で。」

K「対処療法として。私にはありません、現に。」

M「私もないですね。だけど、さっき言及した「ホっ」っていうのが、この部分と一致している。みんなを「ホッ」とさせる人格というものがある。」

K「シバターにも、ノッコン寺田にも無いでしょう。」

M「ないですね。だから、我々も好き(笑)。シバターとかノッコンは、現に、なんの権力も持ってない。」

K

ピーターアーツ俺とやろうや!!【ブレイキングダウン参戦表明】
https://www.youtube.com/watch?v=KpNfMXCa1RM

M「見たい(笑)。ノッコン。ハイキックで一発KOだろうが(笑)。」

K「「21世紀最強の暴君」(笑)。これをいじっているのが、現代の文化では。中枢で。」

M「(ケーキ食われて)「おまえにこんな経験あるんかい!」。断層の実現が、ここに。」

K「ノッコン寺田の代弁、「サラリーマンをバカにせんといてや!」。会田誠、自分がサラリーマンのくせに。」

M「ノッコンの無尽蔵な自己肯定感は、見ていてこころづよい。」

K「ブレイキングダウンの外、ノッコン寺田の方がリアルで面白い。」

M「面白いですよね。」

K「真の身体性。ピーターアーツも、朝倉も偽物だと。」

M「心理的ホニャララ~(ヒステリーとか不安とか乖離)を超えてますよね。(いわゆる)業界から、全力で無視されている感じも、逆に好感度が高い。普通の意味でのユーザーからは、全然、無視されてないし。」

K「暑苦しさが、どんどん魅力が増していますね(笑)。」

M「バインバイン跳ねてる感じ。」

K「子供にも、人気があるんですよ。ラグビー会場とかに行くと。男の子。「見ています」と。ラグビー界からは、半分からは敬遠されているが。半分は理解。」

M「この異様なPV数は、子供が多いのか。合点がいく。」

K「体育会系でありながら、寺田に内部で理解があるというのは、偽・「脱近代」としての長システムを、根底から破壊しているからでしょうね。寺田が。それへの共感性。」

M「体重150キロの並外れたボディからして、脱近代。小男の時代はもう終わった。」

K「そうも言えますね。確かに。体が大きくても、心がちっちゃい奴はもちろん駄目ですが。「見掛け倒し野郎」と罵倒される。寺田は両方備えている例。」

M「カリスマ性と圧倒的ボディ。危険(笑)。古代中国の項羽みたいな。」

K「しかし、大人物には絶対的に見えないというのが、面白いところですね。寺田の。将来もそういう位置には絶対的にならないという。妻も望んでいないでしょう。」

結婚記念日に恐怖のサプライズ【嫁コンありがとう】
https://www.youtube.com/watch?v=Hfz2SmH7TOg

M「大人物になれる素質は完全に備えている感じがしますが、本人が無頓着ですね。愛すべき男というか。あと、ノッコンも、そうですが、このあたりの登録者数、PV数のチャンネルが総じて、一番質は高い気がしている。注目度という点でも。ノッコンは、全然、エピゴーネンじゃない。登録者数が多ければ多い程、エピゴーネン率も高くなっていく。」

K「エピゴーネンじゃないですね、オリジネーター。いかにも体育会系の笑いにフィット感はありますが。」

M「さっきも言及しましたが「プロデュース(笑)」みたいなことは、一切無頓着ですよね。どっちかというと、そういう奴ら(エピゴーネン)をからかったり、邪魔したりしているだけ、という。でっかい障害物、みたいな役割で。いいですよね。」

K「邪魔したりしているだけ、っていうのが重要ですね。」

M「そうですね。」

K「真の英雄性とは、そこだから。」

M「ゴーイング・マイウェイですね。」

K「S.ジジェクの表現「全体主義の歯車が止めようなく動いている時に、ほんの一粒の砂(の主体の意思)が全体に不具合を発生させる」というような例。」

M「無意識に全体に不具合を(笑)。すごい。実際、のっこんは、非常に文化を変える要素があると思う。」

K「スターリン政権下のソフィア・カルパイ(クレムリン病院の心電図記録部の主任)の「素朴なヒロイズム」が、「数千人の無実の人々の命を救った」と。「冷蔵庫のような独房に入れられ、一切睡眠を許されなかった。だが彼女は自白をしなかった。」」

M「すごい人物が。」

K「いわゆる、「無名性」ですね。」

「ジジェクは、困難に抗した「単純な忍耐」が、倫理を構成している素材に他ならないと語っている。確かにと、私もそう思います。」

M「そう思います。」

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