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気持ちの共犯者


嬉しいことや悲しいこと

目の前に広がる景色

自分が過ごしている土地の時間の流れ

体感している天気

美味しいものに出会ったときの幸せな気持ち

全ての事柄を1番に共有したくなる人とは

どんなことも、しつこいくらい

何度も何度も共有しなさい。


遠い昔、わたしの大好きだった人がわたしに

地元の海を眺めながら教えてくれました。


10年後、私はその言葉を北海道の海で思い出しました。



その言葉を噛み締めるように
気持ちの共犯者になってくれる人を見つけるかのように
研ぎ澄まされた空間の中でその言葉を何度も何度も反芻していました。




わたしは他人と関わることが苦手です。

できることなら「1人で生きていきたい。」と常々感じているタイプです。

1番古い記憶を辿るとするなら
友達だと思っていた人に裏切られた小学4年生あたりからずっと、
他人と上手く関わるために無理をしてきたように思います。



北海道の海を見て思いました。

私はやっぱり

美味しいご飯を食べた時に感じる気持ちも

美しい景色を見て思ったことも

今はまだ、全部ぜーんぶ、1人で噛み締めていたいと。


誰にも渡したくないし、自分だけのフィルムに収めておきたいと。

この気持ちを共有したいと思える人が、
いつか現れる日がくるのでしょうか。



最近、
私にはとてももったいないくらい
本当に素敵な男性と出会いました。

私のことを宝物ののように大事に大事に扱ってくれて、
私はこれからもこのままでいていいんだと思わせてくれるような人です。

そんな素敵な人となら
この先一生、幸せでいられるかもしれないと思いました。


でも北海道の海を見た時、綺麗で吸い込まれるような海の写真や私が感じている全ての感情を、彼に共有したいとは思わなかった。

これが真実なのだと、自分の気持ちなのだと、
ようやくわかったように思います。


人はつくづく、残酷で自分勝手な生き物です。

でもだからこそ、尊かったりもするんだと思います。


次に北海道へ足を踏み入れる時は、
どうかそんな相手が見つかっていますように。

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