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映画「イニシェリン島の精霊」感想

※ネタバレに配慮していませんし、なんだか辛口っぽい感想になってしまいました。

突然コロナにかかってダウンしてしまったので、映画でも観るかー!と思い
まず「ベイビーわるきゅーれ」を見て、次に「イニシェリン島の精霊」を見ました。
ベイビーわるきゅーれはひたすら高石あかりさんがドタイプで、殺し屋女子2人を「かわいいー!!!」と思ってみていたんですが、打って変わってこちらは可愛くないおじさん2人を眺める映画です。

まぁ結論から申しますと、少しは解説とかも読んで理解しようとはしましたが、無理でした。

コルムはどう考えたってやっぱり頭がおかしい。
ある日突然パードリック無理かも…ってなるところまではギリ分かります。
でも指を切るは頭がおかしい。
「パードリックへの当てつけだけでなく、コルム自身への戒めなんですね」みたいな解説も読みましたが、戒めにしたって指は切らない。
寧ろ戒めるなら一番はじめに音楽を捨てろよと思います。

パードリックについては、まぁめんどくさそうな人ですが、途中まではわかる。
いきなり嫌われて「嘘でしょ、、」ってなって、何度もアタックしちゃうのはまぁある行動だと思います。
ただ、指を一度投げつけられた後にもアタックし続けるのはちょっと、、。 

というか、指切り事件のあとにもコルムと普通に接している街の人も普通におかしい。
知り合いと喋りたくないから指を切る人なんて関わりたくないでしょう。

グロ映画に関しては、ヤバそうなシーンで目をそらすことでなんとか乗り切ってきた人生でしたが、
今回はじめて「このあと指を4本切るんだな」というシーンで、食事中には見られないなと思い中断しました。
4本そのものの絵よりも、4本切ろうとするコルムがグロすぎて気持ち悪すぎて吐きそうでした。

戦争と結びつける解説も読みましたし、確かに戦争は描写されていたから関係はあるんでしょうが、私はこれを見て「小さな諍いが止められず大きな戦争に発展していく」とは思いません。
「頭のおかしいやつがいるから戦争は起きるんだな」って感じです。

そもそも長く続いた人間関係を自分の勝手な都合で突然終わらせる(のに顔を合わせる場所に居続ける)ような人間はまずろくなやつじゃないと思います。
男同士、友達同士という間柄だからそう見えづらいですが、めちゃめちゃモラハラでは?
もし本当に口を利きたくなくなったのだとしても、根気強く分かるように理由を伝えないといけないと思いますし
それはこれまで、なあなあにして長い間適当な友達付き合いを続けてきた自分への責任だとも思うのです。

あと、これはもはや段々感想に私怨が混ざってきている気もしますが、
私はなにかを勝手に我慢して、それを溜め込んで突然爆発させる人が苦手です。
コルムは、普段からパードリックと話すのが憂鬱だったのなら、早めに関係を切る選択と意思表示と努力をすべきだったと思うんですよね。
それができなかった(やっていたのかもしれないけど、うまくできなかった)ことを棚に上げて、今更全てを無かったことにしようなんて都合が良すぎると思ってしまいます。

まぁなんというか、「指を切る」という結構大げさなアクションが出てきたり、どちらかというとグリム童話とか日本昔話みたいな見方をすべき映画なのかもしれませんね。
あまりにも登場人物が我々と同じ人間のフォルムをしていたので、ついつい気になってしまいましたが
確かに「我慢して爆発する人」は現実にたくさんいるし「優しさに甘えすぎる人」もたくさんいるし
どちらかというと私は後者側だけど前者側にもなりうるなとも思うので、そういう意味では普遍的というのはそうかもしれません。
(というか、考えてみれば離婚したときのお互いの主張にそっくりで薄ら寒い。
だからこそコルムを批判したくなってしまうのもかも、とパードリックを批判するブログを読んで思いました。
恐ろしいですね。)
映画としては続きが気になって内容に引き込まれる内容だったので面白かったです。


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