吉田直人

- ライター - 大学院生 / MFA in Photography / UK Sep…

吉田直人

- ライター - 大学院生 / MFA in Photography / UK Sep 2022~ - 共著『WHO I AM パラリンピアンの肖像』(集英社)、「パラアスリートたちの挑戦」(童心社)ほか 執筆記事抜粋:https://bit.ly/3qxyUUZ

最近の記事

英国での2度目の家探し、3度目の引っ越し

前回更新したのが2021年の12月だから、だいぶ間が開いてしまった。振り返れば、その間いろいろなことがあった。大学院への出願・オファー取得。1年半、英国人女性の大家と住んだロンドンのフラットを退去し、YMSビザから学生ビザへの変更のために2022年の夏は日本へ一時帰国。その後英国に戻り、大学のある郊外のFarnhamという街に引っ越し、33歳にして、8人シェアの学生寮に入居した(これはこれで苦い体験だった)。ほどなく、9月末から2年間の修士課程(芸術修士の写真専攻)が始まり、

    • 【英国滞在】ワクチン接種も「イベント化」する英国

      "Dear Mr.Yoshida, This Sunday - 19 December - You can get your COVID-19 vaccination at the home of English football - Wembley Stadium! Be part of this historic event and get your jab under the arch." オミクロン株の感染拡大に伴い、先週から3度目のコロナウイルスワクチン接種(ブー

      • 【英国滞在】フラットの“仮”管理人として

        英国における新型コロナウイルスの感染者数と死者数は、日本のそれと桁が違う。検査体制も異なるだろうから単純比較はできないと思うけれど、BBCで、毎日のように数字を報告されると徐々に気が滅入ってくる。私が何気なく過ごしているその日に、千数百人が亡くなっているわけだから。 そこに今度は、「これまでにワクチンを摂取した人の数」が加わった。摂取数は急激に増えつつある。私の年代まで到達するには数ヶ月を要するだろうが、ひとまずGP(General Practice=地域の一般開業医)への

        • 【英国滞在】同居人の旅立ちと生活者目線の”Brexit”

          「無事にフェリーに乗れました」 日曜日の夜11時過ぎ。フラットメイトからメッセンジャーアプリのWhatsAppに写真付きのメッセージが届いた。添付された写真に写っていたのは、フェリーに格納された彼女(フラットメイトは英国人の女性だ)の車と、フェリー内の個室だった。 フラットから、フェリーが出港する英国南部のNewhavenまでは車で2時間余り。海峡を渡ってフェリーを降りた後も、イタリアとスイスの国境付近にある山岳地帯まで数時間のドライブが控えている。 12月27日、フラ

        英国での2度目の家探し、3度目の引っ越し

          【英国滞在】写真で切り取る英国-1

          せっかく日本からカメラを持ってきたので、先週頃から少しずつ撮り始めた。文章とは異なる記録という意味でも、noteに掲載していきたい。 日本から持ってきたカメラは、SONYのα7Ⅲとレンズ3本(16-35mm、24-70mm、24mm)、FUJIのX100Vだ。α7RⅢもあったが、データ容量の点から7Ⅲを持ってきた。望遠レンズも、荷物の関係でやむなく自宅においてきた。70-200mmくらいは持ってきても良かったかなと少し後悔している。X100Vは主に記録用のカメラとして使って

          【英国滞在】写真で切り取る英国-1

          【英国滞在】対コロナ政策反対デモに遭遇した

          12月2日に、ロックダウンが終了する(予定だ)。少し安堵しつつも、政府の定めた“COVID Alert”(コロナの感染拡大状況に合わせて3段階に分かれた対処方針)は柔軟に運用される。つまり、またすぐにロックダウンに戻ってもおかしくないということだ。 BBC Newsでは、金曜日の朝、ニュースキャスターがこの方針に関する視聴者の質問を、担当の役人にぶつけるというコーナーが設けられていた。それを観ながら、フラットメイトの英国人女性は「私もルールをよく理解できていない」とこぼした

          【英国滞在】対コロナ政策反対デモに遭遇した

          【英国滞在】地元のランニングクラブに加入した

          前回のnoteに「無心で走るランニングコースを決める」というテーマで文章を書いた。ただ、その文章の結びはこうだった。 “「ひとりで無心で走れること」を条件にまずひとつコースを定めたけれど、他方で、「早く誰かと一緒に走りたい」という欲求も頭をもたげている” 表題と結びが矛盾しているのは、心の中にランニングパートナーを求めている自分もいたからだった。今回はこのことについて記録に残しておきたい。 ***** ロンドンのランニングチームに加入し、メンバーズ・カードが届いた。

          【英国滞在】地元のランニングクラブに加入した

          【英国滞在】無心で走るコースを決める

          走力は平均的だが、私のランニングキャリアは約20年になる。 小学校から高校まで、陸上部の長距離ブロックで毎日走るうちに、走ることが生活の一部になり、走らない日が続くとストレスが溜まりやすくなったり、落ち着かなくなったりするようになってしまった。 大学を卒業してからは、時々大会にも出場した。フルマラソンはもちろん、長野県の野辺山でウルトラマラソン(100km)も完走した。途中からトレイルランニングにも取り組み、ハセツネ(70km/30km)と信越五岳トレイル(2017年=台

          【英国滞在】無心で走るコースを決める

          【英国滞在】銀行口座を開くまでの些細な話

          英国で銀行口座をつくるまでのプロセスを書こうと思った時に、写真は何がいいだろうと考えて、City of London(金融街)で撮った。目下ロックダウンなので、ほとんどのビジネスパーソンは在宅ワークをしているのだろう。人影は少なかった。 英国滞在が始まって約1ヶ月。英国の銀行口座をふたつ作ることができた。ひとつはオンラインバンクで、もうひとつは大手銀行だ。 渡英前にブログ等で銀行口座開設の苦労話を読んでいたものの、同じようなプロセスをたどることになった。しかし、小さな人情

          【英国滞在】銀行口座を開くまでの些細な話

          【英国滞在】はじめての引っ越しを終えた

          これまでnoteをほぼ更新していなかったけれど、英国滞在開始に伴い、都度ログを残していきたい。 ちょうど先週末に英国全土のロックダウンが決定し、今週(11月5日)から施行された。語学学校は閉鎖されないので、私は外出する理由があるが、特定業種の制限によって地下鉄の乗客も一気に減った。いつもコーヒーを買いに行く語学学校そばの「Pret A Manger」も店内飲食ができないよう椅子はすべて店の隅に集められていた。 思い描いていた英国生活ではない。けれど、それもまた記録の内に組

          【英国滞在】はじめての引っ越しを終えた

          「人生の勝利者」ってなんだろう。

          新型コロナウイルスの影響で、全国高校野球や、全国高校総体(インターハイ)、全国中学校体育大会が中止になった。そこに至るまでの各地方大会も同様である。日本全国の多くの中高生アスリートにとって、各々が思い描く最大の目標が消えた。大学生アスリートも同様の影響を受けている。「文化部のインターハイ」と呼ばれる全国高校総合文化祭もリアル開催を断念し、オンラインでの開催方法を模索しているという。 5月28日のNHK「クロ現+」で、一連の大会が中止となった高校生アスリートの「今」を特集

          「人生の勝利者」ってなんだろう。

          新型コロナウイルス(COVID-19)流行下、聴覚障がいのある方とのコミュニケーションなどについて

          東京都で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数発表が急増し、首都圏では往来の「自粛」が呼びかけられています。都知事の記者会見でも「感染爆発の重大局面にある」と発表されていました。 マスク着用率も増大していますが、このテキストでは、「どのような人が優先的にマスクを着用すべきか」、「どの程度予防になるのか」という議論は一旦脇におき、別の観点について書きたいと思います。 1つ課題になっているのが、聴覚障がいのある方とのコミュニケーションや情報伝達です。 聴こえない・

          新型コロナウイルス(COVID-19)流行下、聴覚障がいのある方とのコミュニケーションなどについて

          薄氷と哀愁とーー第96回箱根駅伝予選会観戦記

          10月はややヘビーな原稿が続いていたり、体調を崩したりとエネルギーを使いました。ようやく落ち着いてきたので箱根駅伝2020の予選会へ。今回は取材ではなく観戦です。しかし母校中央大は10位。麗澤大と26秒差で薄氷の出場権獲得となり、最後まで落ち着いて観ることができませんでした。下馬評ではトップ6あたりにはいるという見立てもあったのにこの結果。現地では相当気温が上昇していたので、本来の力を発揮できなかったと信じたいです。 一番驚いたのは筑波大の予選通過でした。途中経過を追ってい

          薄氷と哀愁とーー第96回箱根駅伝予選会観戦記

          スーパースターだけがスターではない

          土日に岐阜県で開催されたジャパンパラ陸上が終了しました。会場となった長良川メモリアルセンターに来たのは、2005年の全日中(全国中学陸上)以来14年ぶりでした。 もともと陸上は短・長・跳・投と多彩な種目がある上に障がいによるクラス分けが加わる(例えば100mだけでも今大会で30くらいあります)ので、記録の水準も、競技上の工夫も種目によってさまざまです。それがパラスポーツの陸上競技の魅力でもあるわけですが。各種目にトップ選手がいるので、見所満載で、メディアのインタビューに選手

          スーパースターだけがスターではない

          祝日

          この2日間は町田で「関東パラ陸上」の取材に出向いたが、大変うれしい出来事があったので記録に残しておこうと思います。 トップの写真に写っている2人は、私がライター業やパラスポーツ(障がい者スポーツ)の取材に取り組むきっかけになった人です。 左の三宅修司は中央大学の同級生で、在学時は陸上部で400mHの選手(インターハイ、インターカレッジ入賞者)。私は大学新聞の記者をしていたので、取材をする側でした。次の彼との接点は自分が勤め先を退職した2016年。今も付き合いのある編集者を