仕事はみんなでやれ。美味しいものは…
タイトルのセリフは亡くなった母が時々言う標語みたいなものでした。
「仕事はみんなでやれ。美味しいものは一人で食え。」
私は、美味しいものは、みんなでシェアしながら食べた方が、楽しいと思いますが、前半の「仕事はみんなでやれ」というのは、それなりに長い職業(サラリーマン)人生を経て来てみると、真実だなと思ったりします。
「美味しいものは一人で食え」とは、別に「美味しいもの」という食べ物に限らず、「何か利益のあるものを独り占めすること」を意味しているんじゃないかと思いますね。
母は、中小企業の社長や市議会議員などをやらせたら、ものすごく上手にやったんじゃないかというような、インパクトのある人でしたから、そういう世俗的な物言いをしたのでしょう。
ちなみに、実際の母の行動は、いろいろな人に食事などをご馳走してあげるのが大好きでしたから、「美味しいものは一人で食え」は、実践していたとは言えませんでしたよ。
「仕事はみんなでやれ」というのは、自分のようなサラリーマンというみんなで協力しながら仕事を回していくのが常の生き方をしている人には、当然のことのように思われるかもしれません。
でも、周りを見渡してみると、「Help!(助けて!)」が言えない人が結構いませんか。
自分一人で仕事を完遂する心意気は、職人気質なようで、少し頼もしいとすら感じるかもしれませんが、どうにもならなくなってから、ようやく助けを求めるような人もいて、「もっと早く言ってよ」と感じる場面もあります。
私は、単純作業ではない、企画的な仕事に関しては、とにかく「ラフ案」をすみやかに作成してから、周囲との自由な意見交換の中で、ブラッシュアップしていくように心がけています。
私は、何かを文章化するのは、-このnoteを年間200本以上書いているように-極めて早いのですが、そのアイデアはそのままの状態では、完璧からはかなり遠いのが常なんですね。
別に、これは自分に限ったことではないというのは、百も承知していますから、みんなの意見を求めます。
「三人寄れば、文殊の知恵」とは、まさに真実を突いた格言であり、何人かで、寄ってたかって、「ラフ案」を検討すると、自分にはない「ものの見方」がどこからともなく出てきて、さらに、それに触発されて、自分からもまた「上乗せするようなアイデア」が出てくる…、みなさんもご経験があるのではないですか。
そういう点では、一人で仕事をするフリーランスの人や、職人の方などは、第三者目線を日頃、業務の中に取り入れられないから、仕事の品質を担保するのが難しいんじゃないかなと、感じてしまいます(それだけ、自分に厳しくする必要があり、尊敬します。)。
そういえば、漫画家さんや、小説家の先生などは、自力で、作品を作っているようにも見えますが、実のところは、編集者が付いて、作品を評価したり、さまざまなアイデア出しをしたりしているようで、編集者との共同作業の面もあるのかなと感じます。
いずれにせよ、仕事は一人で抱え込んでばかりはいない方がいいと思います。
漫画家や小説家でも、共同作業の面があるというのですから、サラリーマンである自分などは、周りの助力や知恵を借りた方が、断然いいのです。
ちなみに、私は、いつも「Help!」とだけ言っているつもりはありませんよ。
少し手が空いたときは、忙しそうにしている人に対して、「何か手伝えることはあるかい?」と聞くようにしていますよ。人生はギブ先行で行くと、うまく回るものですからね。