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ココイチの「一杯のカレーライス物語」

 私は、奥さんの作るカレーライスは、スパイスから作っており、大変手間をかけている気はして、嫌いじゃないんだけど、悪いなぁと思いつつ、ときどき言うんです。

 「“ココイチ”みたいな普通のカレーを作ってくれないか。」
 ※女性には評判の悪い指摘かもしれませんね。でも、本心なんです。

 “ココイチ”とは、言わずもがな、正式名称、「CoCo壱番屋」という世界最大のカレーライスチェーン店のことです。

 ここのカレーは、ベースは、全くもって普通のカレーなんですが、何だかとても美味しく感じて、繰り返し行きたくなる味です。

 昔、少年漫画で、「繰り返し行きたくなるカレー」の中に、「麻薬」が入っているという話がありましたが、子どもながらに、「麻薬」って、流通価格が高いから、日頃行くカレーには入れられないんじゃね☆、と感じたものです。
 ※子どもらしくない、冷めた発想です。

 ココイチのカレーには、“おそらく”麻薬は入っていないと“思う”のですが、何だか繰り返し行きたくなる味なんです。

 昔のココイチの店には、アンケートハガキがあり、アンケートを書くと、社長室まで届くシステムになっており、私も、アンケートを書いて、それの返事で、カレーライスを食べられる食事券をもらったことがあります。

 で、昨日、読んだ本で、びっくりするような話を見つけたんです。

 『恩送りの法則-仕事で、人生で幸福度を上げる考え方-』若山陽一郎著・アスコム刊、という本です。

 著者は、株式会社和愛グループ代表取締役で、TRFのバックダンサーを経由して、愛知県で、不用品回収業を起業し、今、大繁盛している方です。

 その著者が、ダンサーを目指している東京での極貧生活の中で、故郷から尋ねて来た彼女とのデートで、ポケットに400円しかなく、ココイチで最も安い380円のポークカレーを二人で半分ずつ食べたという“一杯のカレーライス物語”なんです。

 “一杯のかけそば”という話(作り話と聞いたことがありますが…)はありましたが、“一杯のカレーライス物語”というのが、本当にあるとはびっくりでした。

 でも、話には続きがあります。店員の応対に感動した著者が、アンケートハガキを書き、店員の応対をほめた後、自分の極貧生活、ダンサーを目指していること、一杯のカレーライスを彼女とシェアしたこと、そして、自分の住所・氏名を記し、出したんだそうです。

 そしたら、忘れた頃、当時のココイチ社長の宗次徳二氏直筆の手紙が3,000円の食事券とともに来て、「私も貧乏なときがあったから、わかります。夢を諦めないでください。」と書かれていたというのです。著者は感激で胸が一杯になったとのことです。

 まだ、話に続きがあります。不用品回収業者として起業し、成功を収めた後、ある社長とのココイチでの食事の際、その話をしたら、「君は大事なことを忘れているよ。君は宗次さんにお礼を言っていないよ。」と、宗次さんとのアポを取ってくれ、お礼する機会を得られたとのこと。

 お礼にうかがうと、宗次氏は、「ダンサーの君だね。覚えているよ。」と対応してくれ、「もっと広い世界を見て器を広げるといいよ。そして社会に貢献しなさい。そうすれば、いつか君の人生は本になるよ。」と励ましてくれたというのです。

 この出来事は、後に、本当に自伝として出版され、また、『奇跡体験! アンビリバボー』というメジャーなテレビ番組でも取り上げられ、大変な話題となったとのことです。

 世の中に、本当にこんな話があるんですね。著者も著者ですし、恐れ多い発言ですが、ココイチの社長もものすごい傑物です。ココイチのカレーのファンに一層なりました(^^)/。

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