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一割献納(タイス・tithe)の具体的行動

 タイトルの“タイス(tithe)”という言葉は、十分の一という意味ですが、これは大昔から宗教的な目的のために神に捧げられてきた、人の所得に対する割合のことです。

 古くはバビロニアからローマ時代までの人々が、田畑から取れた作物や育てた山羊の年産の十分の一を神へのいけにえとして捧げたことに由来します。

 単純なことを言えば、農民は、その取れた米、とうもろこし、大麦、小麦などを十分の一の割合で、それらをばらまいて土に戻しましたが、そうしないと、先の収穫、すなわち、再生産が見込めないのです。

 よく「収入の一割を貯蓄しなさい。」と言いますが、これも家計の再生産を行うには、一定の備えがないと無理という現実的な教えですから、農民の再生産と一緒です。

 なので、家計の中には、一定の割合の備えが必要なのですが、これは預貯金や投資や教育・読書などの自己投資だけに限りません(当然、賢明な方々にとって、これらは必須です。)。

 冒頭にも記したように、「宗教的な目的のために神に捧げられてきた、人の所得に対する割合」という言葉にもあるとおり、現代的に翻訳してみると、神聖な目的のために、一定の寄付行為を行うこと(一割献納)だと、言い換えることができると思います。

 宗教に対する直接的な寄付行為でもいいのですが、日本人は実質的に無宗教の方が多いので、もう少し現実的なお話をします。

 私は、もう何年も、国連の関連団体である日本ユニセフ協会に継続的な寄付をしています。
 ※この団体は、世界中の困難な状況にある子どもたちを救う活動をしています。この日本の子どもたちも、戦後、この団体から、脱脂粉乳の支給を受け、著しい栄養失調状態から脱した経験をしています。

 マンスリー・サポート会員と言って、クレジットカードを登録すると、月々○千円~○万円など、継続的に寄付行為を行うことができるのですね。
 ※私は、月々1万円の寄付を、何年も継続しています。年に直すと、12万円ですね。

 クレジットカードからの自動引落しのため、失念もありませんし、年初になると、所得税の税額控除のための寄付金の証明書が郵送されてきて、所得税等の軽減効果もあります。

 また、クレジットカードからの引落しですから、おまけ的にクレジットカードのポイントも貯まります。

 こんなことを言うと、聖書のマタイによる福音書のことを持ち出してくる人もいます。

 「あなたは、施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知られないようにしなさい。あなたの施しが隠れているためです。そうすれば、隠れたところで見ておられるあなたの父が、あなたに報いてくれます。」などと言う人もいるのですが、私は、私で、寄付行為が、単純に気持ちがいいので、みなさんにお伝えしたいだけなのですね。

 付け加えておくと、日頃、寄付行為をしていない人には信じられないかもしれませんが、良い目的のために寄付をすると、何だか人生の充足感が高まるものです。

 私は、その他にも、クレジットカードの自動引落しで、母校である東京大学基金に、月々1万円の寄付を継続的に行っています。

 この寄付にはランク付けがあり、10万円以上の賛助会員から、上は1億円以上の特別栄誉会員までありますが、貢献会員として30万円以上の寄付をすると、あの安田講堂に名前の入った銘板が掲示されるとのことです。

 かなり名誉欲をくすぐる、ある意味いやらしいやり方ですが、寄付行為そのものは、日本の学術発展に資するものと考えています。

 私も、とりあえず貢献会員を目指してコツコツ寄付を継続しようと思いますが、みなさんも、良き目的のために、一割献納の精神で具体的行動を持たれたらどうでしょうか。

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