見出し画像

日記:ぼくはこんなことを考えている 10月編

いつも読んでくれている方からすると、「なんで今更!?」という反応が最早おなじみになっている日記記事です。

なんと今更2023年10月の日記を更新するという面の皮の厚さよ。まぁ普段から季節感なんてないので、エッセイ感覚でお読みいただければ!



5日 絶望した!ボンクラばかりの大学に絶望した!


自分は決して映像系のコースを専攻しているというわけでもないのだが、映像が好きなので映像系の講義をちょくちょく履修している。

映像コースの人間と比べると、自分の知識はまだまだ小童みたいなもんだろう。

しかし映画ならともかく、アニメへの愛と知識なら、少なくともこの教室にいる奴らには絶対に負けない…………という気持ちだけはあるのだ!


後期の講義は日本の名監督について、事前にグループに分かれて1グループが90分間(つまり講義時間まるまる)話すというもの。

自分は映画好きで有能なグループメンバーのおかげもあって、既に発表は終わっていた。
後の授業は楽に高みの見物というワケですわ。


今回のテーマは「今井正」監督らしい。自分は映画にとことん無知なので、失礼ながら名前を存じ上げなかった!
だからこそ発表が楽しみってものである。


ところが発表が始まると、暗雲がモクモクと立ちこめてきた。明らかに事前調査が足りておらず、読み解きも浅い。

まぁこういうことは往々にしてあるものだ。
あんまり人にとやかく言うのも好きじゃあないので、一応評価シートには無難な低評価を付けておこうかな~……

そう思っていたら、彼らの発表は見逃すに余りあるひどさを露呈し始めた!


「ここで今井正と同時代に活躍したアニメーターを紹介しようと思いまス…」

え!?!?な、なんでアニメーターを紹介するんだ?急な展開に思わず思考が止まる。


今井正とアニメが関係あるというような論は展開されていなかった……ということは、彼の生きた時代に実感をもってもらおうと有名人の名前をだそうということか。

それにしては「アニメーター」というチョイス、余りに渋すぎやしないか。
「今井正は1950年頃から頭角を現し、60年代にかけて活躍した」との記述を敢えて信じるなら、人選も更に渋くなるだろうし……


なんてったって1950年というと、日本初のフルカラー長編アニメーション映画『白蛇伝』より8年も前!!

そこから60年代まで含めると、アニメーターといえばやはり東映動画の第1期生・大塚康生さんとかになってくるんだろうけど……


正直、アニメを知らない人たちが多い中で大塚さんの名前は通じにくいんじゃないだろうか。

宮崎駿・高畑勲の師匠・あるいは相棒のようなポジションである大塚康生さんは言うまでもなく歴史に色濃く名を残すアニメーターだが、一般派の知名度が高いとは言えない。

今井正の生きた時代を想像させるにも、こう渋すぎては伝わりにくいんじゃないか……??


ぐるぐるぐるぐる…………と混乱する思考。

そんな僕の混乱をよそに、彼らは猫背で冴えない発表を続けた。

「手塚治虫や藤子・F・不二雄などが当時のアニメーターとしては有名でス……」


……

……

……


お前それ漫画家じゃろがい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


手塚に関しては、まぁ取り敢えず分かるということにしておこう。
日本アニメの歴史において虫プロの功績は言うまでもなく大きいし、(たぶん)彼自身が原画や動画を描くことも頻繁にあっただろうから。

藤子・F・不二雄ってさぁ………………………………………………………………



「絶望した!」と言わざるを得ない、この状況では流石に!!!

自分に合う環境の方が少ないことは痛感しているが、週4〜5日通う場所がこの体たらくなのは正直言ってしんどいのだ。

こういう孤独から来る悲しさが、何よりも1番応える。アニメだったらこういうとき、カッコつけて感傷に耽り、タバコでも吸うところだろう。

でもここで煙草に手を出したら、カッコよさに憧れて煙草を吸い始めた友人オタクを小馬鹿にすることができなくなる!………そう思って、辞めた。




14日 「令和やぞ!」こそが「令和だよ?」とか言ってみる


「令和やぞ!」というフレーズがある。
端的にいえば、令和らしからぬ作品の新作が発表された時に驚きと嬉しさを込めて愛ある指摘をする……そんなフレーズだ。

このフレーズ、最近かなりよく見るなぁ〜と思う。他のオタクもそうかは分からないのだが、体感で言うと1週間に1回くらいどこかで見ている気がするのだ。

近年のリメイク作品ラッシュもあってか、実例を全て挙げることがもはや不可能に近いのだが、最近だとリメイク『うる星やつら』や『ダイの大冒険』とかがその代表選手かな?


個人的にはリメイクを繰り返すことで、ある程度収益が見込める作品を作りやすいというのはあるだろうから、あまりこの潮流を否定したくないところだ。

こうした姿勢が芸術的かといえば、それは分からない。
しかしアニメ・漫画・ゲームが大衆芸術(専任の芸術家と企業家が合作する)にあたる以上、こうした流れは避けられないのだろう。

作り手が儲けてくれなければ、いつまでも新作が観られなくなってしまうのだ。
多少の退屈さを感じたとしても、こういう流れには理解を示す側でありたい。


こうしたリメイク、肌感覚ではどんどん増えていっている気がする。
そしてその度にオタクは小躍りして「令和やぞ!」「令和やぞ!」と口々に叫び出す。

その光景は、笛の音で蛇を操る蛇使いの姿を想起させるものだ。なんだかオタクたちが、「公式様」の手のひらの上でクルクル踊らされているように見える。


でも本当にこうしたリメイク作品を知ったって、「令和やぞ!」と叫びたくなるのだろうか。もちろん人の感情による問題であるとは思うが………

個人的には、最近あまり「令和やぞ!」とは思わなくなってきたというのが正直なところだ。

なんでなのかと言えば、そういった旧作のリメイクを繰り返していく姿勢こそが「令和」に他ならないと感じたから。


少子化の影響・高齢化したオタクを捉えるための施策として、旧作をリブートするプロジェクトが乱立する今日のコンテンツ産業……

それこそが「令和」に他ならないのだ!!


だからこれからは、「(これこそが)令和やぞ?」と言っていきたいね。言いませんが。




22日 『もえけん!!』の告知が出た!


「出た出た出た出た、ついに出た!」

↑懐かしいフレーズ!

このパンチラインでお馴染みであろうスチャダラパーのこのCM、すごく良いんだよなぁ……

「ゲームボーイズ」のトラックを使って、BOSEとANIのラップが気楽に炸裂!今思えば、自分のヒップホップ原体験かもしれない。


まぁそんな話はさておき。ついに出た、同人誌『もえけん!!』の告知!!!

残念ながら、大好評につき売り切れ……
現在は入手不可となっているようで。


自分が必死に魂こめて書いた『ホカホカご飯』論が載っているので、今から手に入れられるのが楽しみでたまらない!

もちろん自分は『もえけん!』vol.1の大ファンでもあるので、一ファンとして各記事を読むのが楽しみでならないというのもある。

でも自分の記事が印刷されて同人誌に載るというのは、やはり筆舌に尽くし難い喜びがあるな!腹を割って正直に言うなら、誌面の中でも気合が入っている方の記事ではあると思うし。


既に何人かのオタクからありがたいことに「気になる」「読みたい」という投稿が寄せられていて、なんともありがたい限りだ………!

普段は自分と接点がなさそうな評論筋のオタクもいたので少し緊張感もあるが、必ず満足してもらえる出来になっているはず。

とりあえずセコセコと告知noteを書き、文フリに備えるとしようかな〜〜〜!!




28日 わけもなく不安!


わけもなく、ただただ薄〜〜〜く不安感がある。なんとなくモヤモヤっとするのだ。

萌研とは異なるサークル(弊学の中でもかなり多忙な仕事を請け負う便利屋)にて自分があてがわれた大仕事が、かなり佳境に入っているからというのもあるかもしれない。


ただ、じゃあTwitterで病みツイートをしているみんなのように「どん底」かというと、そんなことは全くない。あくまで相対的に、自分の中に不安が生まれつつあるというだけだ。

そもそもメンタルの調子が悪くなったことなんて、自分は生まれてこのかた一度たりともないからね。健全!

でもなんだか、少しの不安感があるのだ。
とびきりの鬱でなきゃあ、日記に不安を書いちゃいけないなんてことはないだろう。

だから俺は書くぜ!「感じてんだろう、なんか不安」………!!!(by 玉露)


不安という話つながりで、取り留めもないことを書いていこう。
↑こういうことをやり始めるから、全然日記っぽくないんだけど………

大槻ケンヂが少し前、筋肉少女帯の最新作『君だけが憶えている映画』のリード曲として『楽しいことしかない』という楽曲を先行リリースした。


タイトルも内容もまさに前向きといった歌で、多少のネガティブさこそあれど真っ直ぐな歌詞が印象深い。

オーケンも年取って随分丸くなったな〜という感じで気軽に聞いていたのだが、アルバムを聴いてビックリ仰天した。

なんと『楽しいことしかない』に対する、セルフアンサー曲が収録されているのだ。


『世界ちゃん』と題されたその曲は、まさに大槻ケンヂらしさが溢れた世界観。


特に『楽しいことしかない』へのアンサー部分は、近年の筋少作品の中でも有数の切れ味があったと思う。

楽しいことしかないと
歌うあなたの不安感

よさげなことを言ったら
そりゃみな 逆を言ってる

『世界ちゃん』


これは久しぶりに会心の一撃が筋少作品から出たのではないか!?と、聴いた瞬間に興奮したのを覚えている。

大槻ケンヂの自省がこうした形で出ている歌詞に一切ハズレなし。それはファンならば、誰もが頷くことだろう。


最近は月ノ美兎『浮遊感UFO』などの提供曲が冴えまくっている傍ら、筋少・特撮の新規楽曲には翳りが見えてきていた印象なので、こうした復活は素直に嬉しい!


大槻ケンヂは、感受性が豊かなうちに知っておいた方が良いアーティストの筆頭だ。
筋肉少女帯・空手バカボン・特撮………彼の関わったバンドの曲はどんどん掘っていこう。

ちなみに僕のニッチなオススメ曲は、筋肉少女帯がインディーズ時代に発表した「外道節」。

今日では聴くことが難しい音源ですが、おどろおどろしい世界観と才気あふれるオーケンの語りは要チェックや!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?