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再來!!好好台灣旅行 台北編 2/5

怒涛の初日を経た翌日10月25日の朝の台北は非常に気持ちが良かった。この日は平日。人々が仕事や学校へと歩みを進める中、僕はコーヒーをテイクアウトし適当な公園でしばし優雅な時間を過ごした。

爽やかにコーヒーを啜るが、脳内では現金が尽きたことによる不安がスパークしていた。しかし、僕は今日、同じタイミングで日本からたまたま台湾に来ている知人に会うことになっていたので、彼に台湾ドルを拝借することが決まっていた。我ながら迷惑な旅人である。

知人に会うまで、キャッシュレスで過ごす一抹の不安を抱えながらコーヒーを飲み干し故宮博物館へと向かう。


たまたま見つけた公園にしては綺麗で爽やかで中々ハオ(好)だった。



白菜が天下をとる故宮博物館

前回の旅行で、帰国の際に成田空港の税関に台湾人と間違われ「Are you from Taiwan?」と尋ねられた伝説を保持する僕であったが、故宮博物館では通用しなかった。受付のおばさまは僕をチラリと見るや否や日本語で接客を展開し、日本語の音声ガイドを手配してくれた。少し悔しかったが、ペラペラと中国語で話しかけられてもニヤニヤすることしかできないので、まあ良い。

ここ故宮博物館は世界4大ミュージアムとして数えられる世界屈指の博物館なのだ。そして、この博物館の目玉は石でできた白菜と肉なのだが、これほど厳かで貴重な史料が所蔵される博物館内で最も有名な宝物が白菜と豚の角煮とは。
ほのぼのとして可愛い。

小難しい古物や難解な現代アートよりもわかりやすいのが人気の秘訣だろうか。「豚の角煮美味しそう〜」と呟けば、それで故宮博物館の半分は満喫したといっても過言ではないかもしれない。(過言)

白菜が天下を取ったミュージアム どの部屋に居ても邦人に会う

博物館最寄の士林駅には白菜のキャラクターが。
いかに白菜が博物館で天下をとっているのかがよくわかる。



故宮博物館で一番好きな壺
色使いとかが非常にモダンな感じ

借金は松山文創園区で

知人とは松山文創園区というタバコ工場をリノベーションした文化的な複合施設で待ち合わせをしていた。定刻通りに松山駅に到着し、駅周辺の街並みを写真に収めるなどしていたのだが、ここで重大な事実に気が付く。松山文創園区の最寄駅は松山駅ではなかったのだ。
知人は既に松山文創園区に着いている。これから借金をする相手を待たせることになるとは…。
申し訳ないので徒歩15分強の道のりを例のごとくダッシュで向かう。台北に来てから何回目のダッシュだろう。まだ2日目なのに。台湾の西陽を全身に受けて走り、この日一番の発汗量をマークした。非常に疲れる。

松山駅付近の路地裏。魯肉飯はどこにいても食べられるようだ

その後、無事に知人から台湾ニュードルを拝借してことなきを得た。海を超えた異国の地で、知り合いに会うと心底ホッとする。(向こうは現金をたかられて、そのような感情を持ち合わせていなかったかもしれないが)

松山文創園区ではデザイン系の展示がいくつか開催されていて見応えがあった。ただやはりここは台湾。作品の説明等も全て繁体字で、かろうじて英語も併記されている感じだった。中国語力は致し方ないとしても、中学生から続けてきた英語学習が肝心な現場で功を奏さないことを、ひたすら確認してゆくような時間であった。

トイレのピクトグラムをじっと見ていると、おじさんが中国語で説明してくれた。彼は少し日本語ができるらしく、僕の拙い中国語を褒めてくれて「北京語、うまいね」と言う。僕はそこで大陸、中国の標準的な言語である北京語を学んでいたことを改めて自覚させられた。
台湾華語も同じく北京語をベースにした言語とはいえ、発音などが少しだけ異なる。台湾と中国のセンシティブな部分を感じながら、台湾華語も学んでおこうと思った。

北京語が上手と言われ台湾の言葉じゃなかったことに気が付く

緊張と挑戦の注文〜初めての素食レストラン〜


「紫菜」は海苔、「湯」はスープの意

台湾の街を歩いているとしばしば「素食」と書かれた看板を目にする。そこには大抵、「卍」のマークもセットだ。卍といえば仏教。
そう、素食とは素麺の類"ではなく"、肉や動物性の食材を一切使わないヴィーガン食のことである。調べてみたところ、「台湾素食」は世界でも有名らしい。

知人に連れられて行った素食レストランは、意外と若い人も多く、現在は健康や環境的な観点からも多くの人を惹きつけているようだ。

メニューを見るが如何せんわからない。固有名詞となると日本人にも漢字から意味を推測することが困難になるのだ。とりあえず意味がすぐに分かるルーローハンと筍のスープを頼み、今日のおすすめと記された「苦い瓜」的なものを追加で頼んだ。(ゴーヤだろう)知人はなんかよくわからない雑炊的なものを頼んでいた。

この場合、意味不明なものを頼むと恐ろしいことになるが旅のセオリーだ。ここは素食レストランだから、僕の苦手とする臓物系やクセの強いものは出てこないだろうが緊張する。

しかし、僕の心配をよそに運ばれてきた料理はどれも素晴らしく美味だった。本当にまた食いたい。ルーローハンの肉の部分は湯葉的なもので作られていて美味しかったし、優しい味のスープに筍の出汁が溶け切り、肝心の筍のシャクシャク加減ときたら、もう。


湯葉的なもので作られた魯肉飯と筍のスープ、菜葉の油炒めなど、どれも美味しかった


1番好きなのは苦瓜の煮物?だ。
日本では中々お目にかかれぬ苦瓜の丸ごと煮は、口いっぱいにジューシーな汁が溢れて苦瓜のコクのある苦味が食欲を刺激する。

脅威の美味さの苦瓜の煮付け

万歳、台湾素食。ビバ、ヴィーガンディッシュ。

非常に健康的なディナーを決め込み、明日に備えて早く寝たのだった。



カリカリの鳥


漢字の横に添えられた注音記号が台湾風情を醸し出している


台北101はそのデザインに風水の思想を取り入れられているそう



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